「サカママとしてできること」アメリカ少年サッカー記 最終回 | サカママ メインコンテンツに移動

「サカママとしてできること」アメリカ少年サッカー記 最終回

仲の良いサカママがこんなことを言いました。「長男は今年で高校卒業だから、もうサッカーを見るのもあと僅かなのよねー」。今まで考えもしなかったことでした。子どもがヨチヨチの頃から始めたサッカーは、永遠に続くものと思っていたのに、どうやらゴールがあるようです。

最近の息子は、高校生になりグッと精神的に成長しました。今まで通り、あれやこれやと息子の学校やサッカーに気を揉むと、「お母さんは自分のことにフォーカスして」と言ってきます。子どものサッカーは、子どもの成長とともに、自分の手から離れていくのかもしれません。果たして、子離れが見えてきたこの段階で、サカママとして、できることは何なのでしょうか?

子どものサッカーにどんなサポートができる?

アメリカは、子どものサッカーの活動に関しては、親の時間が大変とられる印象です。交通網が発達していないので、サッカーの練習や試合は親が車で送迎しなくてはなりません。そのお陰で往復の車内では、サッカーや学校のことをよく聞けます。
ところが、この送迎ももはや大人の専売特許ではないようです。16歳くらいから自分で車を運転して練習に来る子がチラホラ増え、高校生の後半には、親の送迎をほとんど見かけません。クラブの駐車場では、高校生の下手な運転にヒヤッとすることが多いですが、これは息子の学年もいずれはそうなる、ということ。送迎が面倒くさいーと言いつつ、楽しんでいるあの車内の時間も、もう残りわずかかもしれません。

チームの遠征も今はどの家族も大所帯で行きますが、この旅行、果たしていつまで続くのか。先日は、フェニックスまで往復2400kmを運転して試合へ。東京と北海道旭川を往復する距離です。最近はフェニックスで試合が多いので、別の場所に行きたいなぁ、なんてボヤいたのですが、よく考えるとそのうち遠征もチームメイトと飛行機で行っちゃうかもしれません。

試合撮影は私の担当で、数年で数百試合を手動で撮影しましたが、最近のテクノロジーの進歩によって私の活躍の場があっさり奪われました。現在は、試合開始時に携帯のアプリから撮影開始ボタンを押すと、試合を全自動撮影するカメラが大活躍しています。
こうしたビデオは、大学のサッカー部へのリクルート活動として利用され、個々のプレーを紹介するハイライト映像を作るために多くの家庭が親がかりで編集するそうです。ところが、編集の技術的なヘルプはできるかもしれませんが、プレーの選択や構成は、サッカー素人のママが介入できる領域ではなさそうです。

 

その点、母として強みを発揮できるのは食事面です。試合前はあれやこれや先回りし、献立を考えます。今週は試合が多いからチキンの胸肉の料理を多めに、とか、試合2日前は糖質を多く取れるようパスタなど作ります。とはいえ、こうしたサポートは成果として見えにくく、子どものパフォーマンスにそれほど影響していないと感じます。

結局のところ、子離れのフェーズでサカママにできることは、もはやあまりないのかもしれません。もちろん、子どもがプレーする機会を得るための金銭的なサポートは大切です。それ以外に親としてできることは、サッカーを通した子どもの挑戦を暖かく見守ることで、これは、サッカーを始めた頃から変わらないモットーです。しかし、暖かく、というのが案外難しく、大きなミスには相変わらずパニックになります。それでも、この先も息子がサッカーを続ける限り、試合を観に行って、夫婦であれやこれや言いながら、楽しみたいと思います。

サカママ道のその先へ

 

3年間続けたサカママライターですが、今回を持ちまして一旦終了します。これまでコラムを読んでいただいた読者の皆様、そして記事の編集をサポートいただいた編集担当者さん、どうもありがとうございました。
サカママで書いた記事(https://soccermama.jp/node/2873)がきっかけで、NHKから子どものヘディングのアメリカの現状を取材された際には、保育園のママ友から、大学の恩師、そして元職場の同僚まで、方々から連絡がきました(★NHKニュース 子どものヘディング 危険なの?)。
子どものサッカーを通して、私も色んな経験をし、コミュニティを得られ、サカママであることの幸せを実感しています。読者の皆様も、これからも、楽しいサカママ道、邁進してください。

そして、最後に一つ。子離れと同時に、サカママも卒業とは思っていますが、私の職場には二巡目の強者がいます。息子と同年代の孫達のサッカーの試合や遠征に足しげく通う「サカばぁば」。そのサカばぁばと、今回の試合はどうだった、と話をしていると、親だとありがちな欲などない、純粋なサッカー道楽が見えてきます。今は、子離れのその先も、ちょっぴり楽しみになっています。

WRITER PROFILE

近本 めぐみ
近本めぐみ

日米で色々な大学、研究所を渡り歩く理系研究者。現在はアメリカ在住、在米歴と息子のサッカー歴が8年のサカママ。サカママWEBでのコラムを通して、アメリカならではのサッカー育成の面白いところ、興味深いところを発信していきます。

★外部ブログ「アメリカ発少年サッカーの育成事情」でも執筆中