ライフキネティックトレーニング vol.5「パラレルボール」
イングランドの強豪クラブ、リヴァプールFCのユルゲン・クロップ監督がいち早くサッカーに取り入れ、日本でも密かに注目度が増している「ライフキネティック」。
本連載では、Life Kinetik ACADEMY JAPAN代表を務める出口貴宏さんが、簡単にできるライフキネティックトレーニングを紹介してくれます。 話題のトレーニングを一足先に取り入れて、ライバルに差をつけよう!
認知・判断能力を伸ばして、競技力アップに繋げよう
皆さん、こんにちは。Life kinetik ACADEMY JAPANの出口(デグコーチ)です。
ライフキネティックトレーニングは、単純な動作を組み合わせて行うことで、脳に刺激を与え、活性化させるトレーニングです。身体を動かすときに指令を出す脳を鍛えることが、競技力アップにも繋がります。今回も、ちょっとしたスペース、道具ですぐにできるトレーニングをご紹介していきます!
さて、サッカーのトレーニングや試合中に、このような言葉を聞いたことはありませんか?
「ボールが自分の足もとに来てから次のプレーを考えても遅いぞ!!来る前に考えておけ!!」
似たようなアドバイスを監督やコーチから受けたことがある選手も多いのではないでしょうか? 実際に私も選手にこのようなことを言っていたのですが、もしかすると中には、『しっかりボールが来る前に見て、考えていたんだけどなぁ…。なんでミスしちゃったんだろう?』と思った選手もいるかもしれませんね。
こんな風に思ったことがある選手は、認知・判断能力が十分に発揮されていないのかもしれません。サッカーは一秒ごとに目まぐるしく状況が変わるスポーツですから、周囲の状況をよく認知し、より良い判断をしてプレーを実行できるかが重要です。この認知・判断能力を司っている脳を鍛えるために、ぜひライフキネティックトレーニングを実践してみてください。
尚、このトレーニングと同じ動きをすればライフキネティックになると言うことではないですが、ライフキネティックのひとつのトレーニング例として、楽しくチャレンジしてみて下さい。Let's TRY!
実践!ライフキネティックトレーニング『パラレルボール』
今回のトレーニングは、お手玉やボールを手で投げてキャッチする単純な動作に、腕、足をクロスさせるといった動きを加えていくものです。
ボールをキャッチする動作自体は簡単ですが、それにプラスの動きが加わると…思ったよりもぎこちない動きになってはいませんか? スムーズにできなくてもOK。ライフキネティックは失敗した時に脳に刺激が与えられるので、失敗しても止まらずに、楽しんでチャレンジを続けることが大切ですよ!
- お手玉 2個(テニスボールやソックスを丸めたものでもOK)
- サッカーボール 1個
- 失敗しても止まらずにチャレンジする
- できるようになるまで行わなくてもOK!失敗が脳への刺激になります
- リラックスして集中しながら行う
- ボールは真上にトスし、両目をしっかり使う(視覚機能トレーニングを思い出そう!)
さて、冒頭にお話した、ボールが足元に来る前に考えていたのにミスをしてしまうケース。
恐らくミスをしてしまう選手も、味方がパスを出すまでは周りを見て、次のプレーを考えていると思います。ただ、味方の足元からボールが離れて自分に向かってくると、ボールしか見られなくなっているのではないでしょうか?
コントロールミスはしたくないから無理もありません。ただ、この味方がパスを出してから、自分の足元にボールを来るまでの間にどれだけ周囲を見られるかが一番重要なのです。
味方がパスを出し、足からボールが離れたらボールの軌道はカーブをかけていない限り変わりません。このことを抑えつつ、認知・判断能力を鍛え、瞬時により良い判断ができるようにしていきましょう!
※本連載で紹介しているトレーニングは、ライフキネティックの導入編です。こちらのトレーニングを行ってみて、本格的にライフキネティックに取り組んでみたいと思った方は、公認トレーナーの下で直接指導を受けることをお勧めいたします。