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クラブチーム?部活動?中学、高校の女子サッカー進路

みなさん、こんにちは! 元サッカー選手の吉野有香です。
今月は、中学、高校でサッカーを続けるにあたって、クラブチームに所属するか、サッカー部がある学校に入学するのか迷っていると質問をいただいたので、そのことについて、私の経験談をお話ししたいと思います。女の子のサッカー進路はなかなか話題が少ないかと思うので、よければ参考にしてみてください。

中学はクラブチームに所属。サッカーに集中できるけど…

さて、まずは中学ですが、部活に憧れはあったものの、進学先の中学校には女子サッカー部がなかったので、クラブチームに所属してサッカーをしていました。

所属していたクラブチームの練習場は、家から1時間以上かかるグラウンド。平日2日ほどは一人で電車で通っていたのですが、田舎に住んでいたこともあり、交通費は往復で3000円ほどかかっていたと思います。今考えると、交通費だけをとっても結構なお金がかかっていたんだなぁ…と思います。ちなみに休日は親が車で送り迎えをしてくれていましたが、それも片道45分ほどはかかっていました。

まだ学生だった私は、「サッカーができている」ということが嬉しかったので、ただただサッカーに集中していましたが、こうやって振り返ってみると親にはとても負担をかけていたと思います。時間もお金も、両親の熱量でどうにかカバーしてもらっていたんだと分かります。そんな生活を、中学の3年間は続けさせてもらいました。サッカーを続けさせてくれた両親にはとにかく感謝です。

高校では部活動。親元を離れて寮生活に

高校に進学する際は、部活への憧れと、全国制覇をしてみたいという想いから、女子サッカー部がある高校を探しました。

クラブチーム生活を経ても部活への憧れが変わらなかったのは、学校が終わってからサッカーのために一人で急いで下校をするのが、寂しいと感じる時があったからです。
一応バスケ部には所属したものの、やっぱりサッカーが忙しいので、幽霊部員状態。バスケ部の他のメンバーは、大会に向けて朝練に始まり夕方の練習と一日ずっとチームメイトと一緒です。クラスでも自然と同じ部活の子達がグループを作っていたので、孤独を感じることもありました。そんな寂しさもあり、部活への憧れがより強まったのかもしれません。

そんな想いもあり、高校は女子サッカー部のある常盤木学園高等学校を選びました。常盤木学園は仙台の学校なので、親元を離れて寮生活となりましたが、学校とサッカー、普段の生活から常にサッカー部の仲間と一緒に過ごすことができ、中学の頃に感じた寂しさは1ミリも感じることなく、3年間を過ごすことができました。

その一方で、寮生活ならではなの一人の時間が無さすぎる!といった体験をすることも…。ずっと一緒にいるからこそ、チームメイトとのコミュニケーションが上手くいかないこともありました。でも、この寮生活を通して、人の価値観はそれぞれ異なることも学べましたし、大人になった今でも常盤木の仲間とは家族のような関係が続いています。

どちらを選んでも、自分の力で良くしていく思いが大事

中学のクラブチーム、高校の部活、どちらも経験してそれぞれに良いところ、良くないところがあるのを感じました。それでも、選んだのは自分自身。どちらを選んでも、自分の力で現状を良いものにしていく、そんな覚悟だけはあったと思います。

保護者の方は、お子さんと同じくらいクラブチームと部活それぞれの良さや欠点を見て悩まれるかと思います。ですが、最後に決めるのは子ども自身で、選んだ道を夢に向かって強く歩んでいかないといけません。保護者の方は、お子さんが選んだ道を肯定し、信じて応援してあげてください。それ以上に大事なことはないと、私は思います。

WRITER PROFILE

吉野有香
吉野有香

元なでしこリーガー(女子サッカー選手)

愛知県出身。常盤木学園で全国大会優勝を経験後、なでしこリーグのクラブに加入。引退後に起業し、サッカー指導者やメンタルコーチ、解説MCなど、全国で広く活動している。
現在は株式会社ゆかサルを設立。京丹後市に女子サッカークラブを立ち上げ、まちおこしとサッカーを掛け合わせたプロジェクトを発足。同時に女子アスリートのキャリア支援なども行っている。

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