壁にぶつかった時の効果的な声掛けと親の在り方
こんにちは!サカママ歴9年目、中3の息子の母、荒山菜穂子です。普段はマザーズコーチングスクール認定マザーズティーチャーとして、子育て中のお母さんのコミュニケーション力を高める講座をお届けしています。
4月に入り、気持ち新たに監督から1つ上の課題が出た選手も多いのではないでしょうか? ジュニアユース3年目になった我が家のサッカー少年は、課題は出されるものでなく自分で見付ける今、自分の伸び悩みに日々葛藤し、母はその葛藤をグッと見守っております。
サッカー初の大きな壁
小1の時に出された【リフティング10回】の課題。子どもにとっても、私にとってもサッカーでの初めての大きな壁でした。2、3回続くとボールは遠くに転がり拾いに行く、この繰り返し…。悔し涙を流し、出来ない自分にイラ立ち、嫌になってへそを曲げる事も沢山ありました。
本腰入れて練習しない息子を半ば強制的に小学校の校庭に誘い、目標クリアまで帰らない約束をして、日が暮れるまで練習した日は今でもはっきりと記憶に残っています。
「練習しなきゃ上手にならないよ」
「みんなもっとやってるよ」
「こんなことで怒ってるならサッカーやめちゃえ」
「大丈夫、大丈夫、あなたなら出来る」
当時、私はこんな言葉をかけていたように感じます。冷静に考えてみたら子どものモチベーションを下げてしまう感情まかせの残念な言葉で、「大丈夫、大丈夫」と明るく励ますだけの言葉も大きな負担になっていたかもしれません。大好きなサッカーさえ嫌いにさせてしまうかもしれなかったと振り返り反省しています。
同じように悩んでいる方もいらっしゃると思いますので、壁にぶつかった時、どんな言葉掛けが気持ちを切り替え、モチベーションを上げる事が出来そうか考えてみたいと思います。
①未来の自分で考え、自分自身の言葉を引き出す
10回のリフティングが当たり前に出来るようになったある日、息子に「あの頃の自分に声を掛けてあげるとしたら、どんな言葉をかけてあげる?」と聞いてみた事があります。
息子は、まだリフティングが出来なかった頃の自分に「やるしかない!!やれば上手くなるから!!」と言葉をかけると言ったのです。
『お母さんが何度も言ったじゃない~』なんて思いましたが、もしかしたら、当時の息子もやるしかない事は分かっていたのかもしれません。分かっているからこそ、親から言われるとイヤになるもの。分かっているけどやれない理由に寄り添ってあげる事が、親として大切なことなのかもしれません。
コツややり方は情報としてあげる事が出来ても、やるのは子ども自身です。親から「やるしかない!」と言われるのと、自分自身から出てくる「やるしかない!」は違いがありそうですよね。「未来の自分だったら、どんな言葉を掛けるかな?」と、自分自身からの言葉を引き出してみるのもいいかもしれませんね。
②憧れの選手の頭を借りて考えてみる
お子さんの憧れの選手は知ってますか? もし聞いたことがないなら、どの選手のどんなところに憧れているのか聞いてみるといいと思います。そして、お子さんが壁にぶつかった時には、憧れの「○○選手だったらどう考えるかな?」と聞いてみるのはどうでしょう。自分ではない「誰かの視点」を取り入れ、その視点で感じてみることができるかと思います。自分では気付けなかったヒントが浮かんでくるかもしれませんよ。
これは多くの経営者の方も使われている方法で、ご自分のメンターを想い描きながら戦略を立てるそうです。「あの人なら、ここをどう切り抜けるだろうか」「こんな時、あの人ならどう考えるだろうか」といった感じです。親である私たちも、「○○選手の親なら、今どんな言葉を掛けるだろうか」と頭を借りるのもいいかもしれませんね。
とはいえ、思春期の子は親の言う事なんて聞いてくれないですよね。そんな時には…
- 情報として「こんな風に考えてみるのもいいらしいよ~」と伝える
- 葛藤するお子さんの後ろを通りながら「○○選手だったらどう考えるんだろうな~」とつぶやく
なんて方法もありかと思います。我が家では効果的です!
何よりも大切な「分かろうとする姿勢」
練習に対する意欲が落ちている時、その理由を理解しようとせずモチベーションだけ上げようとしても、練習する気はさらに薄れていきます。
大切なのは、出来ない悔しさ、やるせなさ、怒りを分かろうとする姿勢で、どんな事があっても子どもの味方であるというメッセージを送ってあげることです! 親が自分を分かってくれた、味方でいてくれることは心の安心に繋がり、自分は大丈夫なんだという感覚がチャレンジや壁を乗り越える力に繋がっていくのです。
そもそも、子どもは自分で壁を乗り越える力を持っています。立って歩くことも出来なかった赤ちゃんが、何度も何度も尻もちをつき上手に歩くことが出来るようになる。チャレンジすることも、努力して身に付ける成功体験も、何度となくしてきている訳ですから!
あの時の見守る気持ちを思い出して、乗り越える力を存分に発揮出来るように子どもと関わって、信じて応援してあげたいですね。