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サッカーでの声掛け・コミュニケーションの大切さとは

こんにちは。
サカママ歴9年、マザーズコーチングスクール認定マザーズティーチャーの寺園静代です。

小学6年生でキャプテンをしている息子を傍で見守りながら、前回の記事では、「どんなことがキャプテンに求められるか?」について書かせていただきました。自身が考えた「理想のキャプテン」を目指す息子と、日々苦戦しながら伴走しております。

「プラスの声掛けができるチーム」を目指すものの…

さて、その息子が考える「理想のキャプテンの在り方」の中で、今のチームで何を大切にしたいのかを聞いてみると、何度聞いても毎回、「試合中のチームメイト同士のプラスの声掛け」という答えが返ってきます。
プラスの声掛けがあれば、どんな場面でもとにかく頑張れるからとのこと。

これには私も納得です。

どんなに個人のスキルが高くても、どんなに優れた戦術であっても、サッカーは一人では出来ませんから、プレー中の選手同士のコミュニケーションが上手く取れていないといけませんよね。

みんな頑張っているし、試合に勝つために練習してきています。
試合前に、「今日は絶対勝つぞーーー!」と気合い100%で臨んだとしても、勝つために一生懸命やっているメンバーに

「なんで出来ないんだよ!」
「なんで外すんだよ!」

などの声が行き交う試合だと…どんな雰囲気になるか想像できますよね。
でも、頭で分かっていても、気持ちが強ければ強いほど、熱くなればなるほど、つい上記のような言葉を言ってしまうのが、とっても難しいところです。

息子はチームの目標を「プラスの声掛けができるチーム」としているだけに、少しでもマイナスな言葉が耳に入ってくると、目標が遠のいた気持ちになってしまうようです。そんなときは、試合中でもモチベーションが落ちてしまったりして、かなり声掛けに惑わされているようでした。
私も「マイナスな言葉もチームで勝ちたい気持ちがあるからなんじゃないかな?」などと、色んな言葉をかけて励ましてはいたのですが、なかなか脱出できずに苦戦する日々が続いていました。

ですが、ある試合をきっかけに、息子に新しい気づきが生まれるチャンスが来ました。

まずは自分自身とのコミュニケーション、できてる?

その試合は、こう言っては失礼ですが、レベル的には勝って当たり前、負けてはいけないチームとの試合でした。ところが、試合の結果は引き分け。チームの雰囲気も最悪な状態に…。

さすがに子ども達もまずいと思ったのか、自分達でミーティングを行い、ノートに課題を書き出して自主練をして、次の試合まで何度も何度もチームの状態を確認していたのです。

そして志を一つにして挑んだのは、強豪チームとの試合。

その試合では、「ナイス!」「ドンマイ!」「取り返すぞ!」「サンキュー」と子ども達みんながめちゃくちゃ声を出していました。
汗だくで走りに走りまくって、シュートが決まったときには決めた子が泣いてしまうくらい。応援している私たち親の心も鷲掴みにされたプレーでした。

あとで息子に、何が自分達を変えてくれる力になったのかを聞いてみると、
「最初の試合は、オレらみんな勝てるからって調子に乗ってたんだよね。だからみんなでミーティングしようってなって…」

それを聞いて、「あぁ、この子達は『強豪チームに勝つ!』と決めて試合に臨んだけど、自分自身との戦いに勝ったんだな…」と思いました。

コミュニケーションはチームの連携のために必要なものですが、それ以前に、自分とのコミュニケーションが上手くいっていないと、他人とのコミュニケーションも上手くいきません

まずは自分自身が己に向き合い、足りていないところ、もっとできるところ、チャレンジしたいこと、できるよ、できてるよ、に気づくことで行動に繋がるものです。
そして、チームでそれを出し合う。それが感動が呼ぶプレーに繋がったんですよね。

他人のことは見えるけれど、自分のことはなかなか見えにくいもの。
息子の声掛けを大切にする気持ちも、どこかで他人のせいにしていたんじゃないか、他力本願になっていないか、ということに気づけましたし、自分自身で自分にプラスの声掛けができていれば、マイナスな言葉も気にならなくなるのではないかと、親子でそう確認できた場面でもありました。

といっても、小学生で感情をコントロールするのは、まだまだ難しいですけどね…。

先日は県大会があり、残念ながら負けてしまったものの、まだまだ伸びしろ満載です!
自分自身に𠮟咤激励しながら、本人の目標である「チーム内でのプラスの声掛け」を意識して、どんどんトライ&エラーでチャレンジし続けてほしいと思います。

そして、母がマイナスな声掛けをしてしまうと、子どもをマイナス思考にさせてしまう可能性も。これには気を付けなければ…と思い、自戒も込めた今月のコラムでした。

WRITER PROFILE

寺園静代
寺園静代

マザーズコーチングスクール認定シニアマザーズティーチャー

幼稚園からサッカーを学ぶ中学校3年生と中学校1年生のサカママ。コツコツ努力家の長男と、運動神経が良く器用な次男。タイプの違う二人の能力を引き伸ばしてあげるために、コーチング的こどもとの関わりを活かして奮闘中。将来社会において求められる能力No.1は『コミュニケーション力』と言われる中で、チームプレーであるサッカーにおけるコミュニケーションの大切さを伝えます。