辛い時期を乗り越えた、私たち親子の”あいことば”
サカママの皆様こんにちは。サカママライターのMikuです。
大好きで続けているサッカーですが、時には思うようにいかなかったり、辛いことや苦しいことにも直面しますよね。もちろん私たち親子にもそんな日がありました。そして今でもあります。
そんな時に呪文のように唱えた ”あいことば” が私たち親子を励まし乗り越えるチカラとなりました。今回は声かけについて私なりの考えをお話しさせていただきます。
突如現れた、息子の異変
サッカーを始めて必死に練習に励む日々でしたが、楽しいだけのサッカーがいつしか辛く苦しい時間になったのは、息子が学年キャプテンを任された小学4年生の頃でした。
息子が所属していたチームは近所の小学校で活動するスポーツ少年団でした。入団当初は息子の学年は5名と人数が少なかったのですが、徐々に増えて気がつくと10人になりました。小学生のサッカーは8人制の試合が多く、息子の所属していた少年団も基本は8人制の試合だったため10人いれば試合ができます。そこで、息子達が6年生になる年に市内で1位を取れるチームになれることを目標に、チームの強化が始まりました。
サッカーを始めてまだ1年の息子にはまだまだ技術も体力も足りず、メンバーの足を引っ張ってしまうのではと、見ている私も冷や冷やするなかで任された学年キャプテンでした。わからないながらも必死に理解しようとコーチの言うことを聴き、できる限りのことを自分なりに頑張っていました。
しかしある日、練習を休んだことがなかった息子が「頭痛い」「お腹痛い」と訴えるようになりました。初めは嘘かな? と疑い、「大丈夫だよ、行ったらやれるよ」とお尻を叩いて送り出しました。しかし、それは1回だけではなく何度も繰り返すように。さすがにこれは嘘ではないなと感じた私は注意深く観察することにしました。
すると、いろいろなプレッシャーからかあんなに楽しそうにやっていたサッカーも辛そうにプレーしているように見えたんです。少しでも上手くなるようにと始めたスクールでしたが、そちらも行くのもやるのもしんどそうでした。そこで、少しでも負担が少なくなればと思い、思い切ってスクールは辞めることにしました。しかし、原因はそれだけではなかったのです。
大好きなサッカーを嫌いになって欲しくない
学年のリーダーとして、立派な態度でいられるように、キャプテンとして誰よりも上手くプレーができるようにと私は無言の圧力をかけていたことにようやく気がついたのは、4年生が終わる頃でした。
「勝てるように頑張って」「今日は誰よりも頑張っていたね」なんて何気なく掛けていた言葉は、彼へのプレッシャーにしかならなかったのです。大好きで始めたはずのサッカーが辛く苦しい時間になっていることに気がついた私は、もう十分頑張っている息子に「頑張って」とは言わなくなりました。
代わりにかけた言葉は「楽しんで」です。サッカーだけでなく、自分が進むと決めた道のりには辛いことや苦しいことが少なからずあると思います。しかし、そこでその状況を自分なりにいかに楽しめるか。それこそが自分の向上心へとつながる一歩になるのだと私は考えています。
どんな状況でも“楽しんで”乗り越える
高校サッカーという環境に身を置いてもうすぐ一年になります。病気や怪我など自分ではどうしようもない状況に立たされた時、実力不足で思うようにならず、そこから上へと登らなければならなくなった時、自分が置かれた場所で、置かれた状況で今をどう楽しめるのか? そんな気持ちを忘れずにサッカーと向き合ってもらいたいと私は伝えてきました。
そして、まずは親の私が楽しむ姿を魅せることも大切にしています。入寮するその日も息子に贈った、私たち親子の”愛言葉”「いってらっしゃい! 楽しんで!」。