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ダイエットのその前に!サッカー選手の引き締まった体と健康を保つために大切なこと

皆さまこんにちは!いかがおすごしでしょうか? サッカーコーチ・企業研修・経営コンサルタントの丸山寛之です。
実は私、パーソナルトレーナーの資格も保有しており、本業の傍ら筋トレや食事面での体作りのアドバイスもしています。

そこで今回は、サッカー選手の引き締まった体と健康を保つために、主に食事面で意識したいことについて書かせていただきます。

食事制限のダイエット、ちょっと待って!

コロナ感染拡大が収まらず自宅にいることが多くなり、外でサッカーができずモヤモヤしている方もいらっしゃるのではないでしょうか。最近、私が教えているチームの中学生や小学生の女子選手からはこんな声も聞かれるようになりました。

「家に居て運動する機会も少ないし、この際だからダイエットしよう」
「食べ過ぎてしまって体重が増えたから落としたい」

体重管理を意識していること自体はいいことだと思います。ですが、どのような方法でダイエットするのか聞いてみると、ほとんどの選手から「食事制限」という答えが返ってきます。食事制限も正しく行うことができていればいいのですが、実際のところどんな食事制限をしているのか聞いてみると…。

「炭水化物(米)を食べないようにしてます」
「サラダ中心の食事に切り替えました」
「朝、昼は食事を抜いて夜だけにしてます」
「お肉とか、カロリーの高そうなものは避けてます」
「コンビニのスナックで間食だけにして、主食は食べないようにしてます」

などなど、たくさんのダイエット方法が…。今はネットから様々な情報・知識が簡単に手に入りますが、そのどれが正しいのか分からなくなってしまっているのかもしれません。

上に挙げた方法はいずれも危険なダイエット方法になります。コロナ明けにサッカーができないくらい体力が落ちたり、勉強も手につかないくらい集中力が落ちたり、あるいは無理なダイエットは長続きしないのでリバウンドでさらに太ってしまったりする可能性もあります。

ではどうすればいいのでしょうか?

運動・食事・睡眠、3つをバランスよく整えよう

皆さん、ちょっと考えてみてください。犬を1匹飼っているとします。最近は散歩に連れて行かなくなり、家でじっとしていることが多くなりました。食事の量は特に増やしてませんが、少し太ってきました。太りすぎは病気を引き起こす原因にもなるので、飼い主として痩せさせたいと思っています。さて、皆さんならどうやって痩せさせますか?

  1. ドックフードの量を減らす
  2. ドックフードはバランスが良さそうだけど、太ってしまったので野菜に切り替える
  3. 従来通り散歩に連れて行くようにして、食事の量は変えないようにする

この質問をすると、3つ目の答えを選ぶ方が多いです。3つ目を選んだ心理としては、「食べさせないのは可哀そうだから、運動をして痩せよう!」といったところでしょうか。

ここで先ほどの食事制限のことを思い出してください。ペットのこととなると可哀そうだから食事制限より運動をとしたのに、自分に対してはその逆のことをしてしまっていませんか?

サッカー選手に限らずですが、人が健康を保つのに重要な3要素は、運動食事睡眠と言われています。これはそれぞれしっかりやるということではなく、3つが密接に絡み合っており、どれか一つでもできていないと他にも影響を与え、体に変調をきたすということです。

例えば、運動せずに食事を毎食たらふく食べていたとします。そうすると、筋肉量が減り基礎代謝が落ちることで太ってしまい、過呼吸症候群などになって良質な睡眠が取れなくなります。その結果、病気を引き起こすこともあるでしょう。このような具合に、「運動」「食事」「睡眠」は密接に関わっているのです。

「よい運動」をして、質も量もバランスの「よい食事」をする。この2つが整っていると深い眠りの「よい睡眠」となり、健康を維持できると言われています。ですから、食事を単純に減らして痩せるというのは体にはとても良くない痩せ方になります。この3つをバランス良く整えることが、健康的なダイエットにも繋がるのです。

何かを抜く・極端に減らすのはNG 大切な栄養素をバランスよく摂ろう

「食事」「運動」「睡眠」3つを揃えることと同じく、「食事」自体のバランスもとても大切です。一日の食事の中で何かを抜いたり、極端に減らすダイエット方法も色々ありますが、バランスという観点からはおすすめできません。

まずは、炭水化物を抜くダイエット。炭水化物には脳の働きをよくする「糖質」という物質が含まれています。「糖質」が脳に供給されないと頭が働かず、勉強に集中できなかったり、日中でも眠くなってしまうことがあります。この状態ではサッカーの練習にも集中できませんよね。

次に、食事をサラダ中心にして肉類を食べないダイエット。肉類には筋肉を作る「タンパク質」という物質が多く含まれており、特に成長期の子どもはこのタンパク質の摂取が少ないと筋肉を作ることができません。ですから、お肉を食べないでいると筋肉がどんどん細くなってしまい、体重は落ちても力が入らない状態になってしまいます。また、タンパク質が供給されていないと、いくら運動をしても筋肉がつかないということにもなります。

そして最後に、朝食と昼食を抜いて一日のカロリー摂取量を減らすというダイエット。まず朝食を抜くと朝に代謝のスイッチが入らず、痩せにくい体になります。加えて一日一食が続くと、脳が十分な量の食事が入ってこないと判断し、防衛本能を働かせて一回の食事でなるべく多くの栄養素を吸収しようとする体になります。その結果、逆に太りやすい体質になってしまのです。

このように、何かを抜いたり、極端に減らすダイエットはマイナスの結果を生んでしまうことが多いです。まずは、量と栄養のバランスが整った食事を一日三食しっかりと摂る、そんな基本に立ち返ることが必要ではないでしょうか。

サッカー選手の理想的な体組成

次に理想的な体組成(筋肉と脂肪のバランス)を考えてみましょう。一般的に体脂肪率は男性は20%前後、女性は25%前後と言われています。スポーツ選手だとこの-10%くらいではないでしょうか? 脂肪は長距離を走ったりするのに必要なエネルギー源となりますので、サッカー選手にもある程度は必要です。このことから、一旦理想の体組成を男性サッカー選手10%前後、女性サッカー選手を15%前後としましょう。このくらいの体脂肪を手に入れれば、見た目はスリムに見えるでしょうし、ダイエットも成功と言えると思います。

これまでの話をまとめると、「3度のバランスのよい食事をとって、集中力を保ちつつ、適度な運動で筋肉もつけて代謝を上げ、痩せる!」というのがよい痩せ方だと言えます。

具体的には、食事は炭水化物、タンパク質などの栄養のバランスを考えながら3度の食事をとって、ウォーキングやジョギングで代謝のスイッチを入れる運動を行いつつ、体幹などの筋トレで筋肉量を増やし、基礎代謝を上げることを行います。

こうすることで体脂肪が減り筋肉量が増えていきます。筋肉量が増えるので体重はそこまで落ちなかったとしても、見た目は引き締まって見えるはずです。つい体重という数値に引っ張られがちですが、健康的な引き締まった体に変わってきたか?という点も意識してみてくだい。

 

次回はまたコロナの状況も鑑みてテーマを決めたいと思います。今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
皆さま、お体に気を付けてお過ごしください!

WRITER PROFILE

丸山寛之

コア・エリート株式会社 代表取締役社長。 JFA公認C級コーチ、JFA3級審判員。 強いチームをつくる、チームプロデューサーとして経営コンサルティング、企業研修、講演等の傍ら東京都においてU-12の女子サッカーのトレセンコーチ、U-15の女子クラブチームのコーチを行う。また、年に数回はJFAのガールズフェスティバル等の開催にも加わり、将来のなでしこ育成に携わっている。