メインコンテンツに移動
 

今さら聞けない!?サッカールール「上級編・競技のフィールド」

1993年のJリーグ開幕戦で主審を務め、審判界に多大な功績を残したレジェンド・小幡真一郎さんによるサッカールール解説シリーズ!
今回は上級編。前回解説した「競技のフィールド」を実際に描いてみます。
各ライン、エリアの名称や規定は前回の記事を見ながら確認してくださいね。

実践!競技のフィールドを描いてみる

今回は、タッチライン105m×ゴールライン68mの11人制サッカーの競技のフィールドを描いていきます。

  • 必要なもの:100mメジャーが最低でも1本(120mくらいの長いロープがあると楽)
  • 最低必要人員:3名

①直角のコーナーを作る

 

タッチラインの一部になる線を引き、A地点から30メートルの位置に印、マーキングします(B地点)。
☆建物やフェンスなどを考慮して基準となるラインを決めた方がよいでしょう。

 

A地点にメジャーの0mを、B地点に90mを合わせ、メジャーの40mを持ちゴールラインになる方向へメジャーを引っ張り、円弧を描きます(円弧1)。
次に、A地点から40mの円弧を描きます(円弧2)。円弧1円弧2の交点がC地点となります。
AとCを結んでゴールラインの一部とします。
この手順を踏むと、出来た三角形は直角三角形になります。コーナーが直角になっていないと、歪んだフィールドになってしまうので注意しましょう。

②ゴールラインを完成させる

 

途中まで引いてあるゴールラインを完成させましょう。
A地点からC地点を結んだラインを28m延長します(D地点)。40m+28mで、68mのゴールラインが完成しました

③ハーフウェーラインを描く

 

次は途中まで引いてあるタッチラインを延長し、ハーフウェーラインを描いていきます。
A地点からB地点を結んだタッチラインを22.5m延長し、ハーフウェーラインの地点Eを決めます(AB+BEが105mの半分、52.5mになります)。
正しくラインを引けているか確かめるには、D地点からE地点の長さが85.9mになっていればOKです。

 

次に、D地点からハーフウェーラインの方に52.5mの円弧を描きます(円弧3)。
A地点から円弧3の方にメジャーを伸ばし、85.9mで重なった部分をF地点とします。
DとFを結ぶと、ハーフウェーラインの完成です

④タッチラインを100mまで伸ばしていく

 

A地点にメジャーの0mを合わせ、E地点を通ってメジャーを100mの端まで伸ばします。反対側も同様に、D地点からF地点を通って100mの端まで伸ばします。これを結んだものを、100mの仮のゴールラインとします。
今回はメジャーが100mなので仮でラインを取っていますが、105m以上測れるメジャーがある場合は105mの地点まで測ってしまって構いません。

☆ラインが曲がらないように、A(D)地点に一人、E(F)地点に一人配置してメジャーを伸ばすようにしましょう。

⑤ペナルティーエリア、ゴールエリア、ゴールのマーキング

 

ペナルティーエリア、ゴールエリア、ゴールのマーキングをしていきます。
A地点にメジャーの0mを合わせ、ゴールライン上の下記の地点にマーキングをしていきます。仮のゴールラインにも同様にマーキングし、それぞれを結びます。

  • ペナルティーエリア … 13.84m54.16m
  • ゴールエリア … 24.84m43.16m
  • ゴールポストの内側 … 30.34m37.66m
  • ゴールポストの中央 … 34m

⑥仮のゴールラインを5m移動する

 

仮のゴールラインのマーキングから5m伸ばした位置に再度マーキングし、それぞれを結んでゴールラインにします(これでタッチラインが105mに)。

⑦ペナルティーエリア、ゴールエリアを完成させる

 

下記の位置にマーキングして両端を結び、ペナルティーエリア、ゴールエリアを完成させます。

  • ⑤ペナルティーエリアのマーキングから16.5m
  • ⑤ゴールエリアのマーキングから5.5m

ペナルティーエリアの長さが40.32m、ゴールエリアが18.32mになっていればOKです
そして、⑤ゴールポストの中央のマーキングから11mの地点にペナルティーマークを描きましょう。

⑧ペナルティーアーク、コーナーエリア、任意のマーク、センターサークルを描く

 

最後に、ペナルティーアーク、コーナーエリア、任意のマーク、センターサークルを描けば完成です。
センターサークルの端がゴールエリアにほぼ合致(1cmの差)しているかも確かめておきましょう。


今回紹介させていただいた方法以外にもいろいろ工夫されているかと思いますが、フィールドのマーキングに興味を持っていただきましたか?
すでにマーキングがしている人工芝が多くなってきましたが、年代が上がってくると、自分たちで競技のフィールドを描く場面も出てくるかと思いますので、描き方の一つとして参考にしてみてください。

WRITER PROFILE

小幡 真一郎
小幡 真一郎

1952年7月21日生まれ、京都府出身。元国際主審。
サッカーの競技規則の側面から、サッカーの持つ魅力、またはサッカーそのもののを伝えたいと思います。著書に7月21日発売『おぼえよう サッカーのルール』(ベースボールマガジン社)、『すぐに試合で役に立つ! サッカーのルール・審判の基本』(実業之日本社)、『失敗から学ぶサッカー審判の教科書 しくじり審判』(カンゼン)がある。