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今さら聞けない!?サッカールール「ユニフォームの規定」

1993年のJリーグ開幕節で主審を務め、審判界に多大な功績を残したレジェンド・小幡真一郎さんによるサッカールール解説シリーズ!
今回は「ユニフォームの規定」について。ポイントは、色。相手チームや審判と同色にならない配慮が必要です。

ユニフォームの規定

選手だった頃、試合で着るユニフォームには特別な思い入れがあったことを覚えています。先輩から引き継いだチームカラーのユニフォームでピッチに立つと「さあ、やるぞ!」というような不思議な力を得た気分になっていました。今回は、この「ユニフォーム」について取り上げたいと思います。

ユニフォームとは、シャツ、ショーツ、およびソックス(ストッキング)の3点を総称したものを言います。それぞれに規定がありますので、早速見ていきましょう。

なお、社団法人日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)のユニフォームについては、適用外になっていることをご承知おきください。

シャツの規定

ショーツ、ソックスに比べてシャツの規定は形、色、選手番号と細かくなっています。

袖のあるシャツを着なければなりません。シャツとパンツが一体にになった、ワンピースタイプは認められていません。ファスナーやボタンがついているものは、主審が安全のため使用できないと判断することもあります。
また、ノースリーブは認められていませんので、暑いからといって袖をまくってプレーすることは許されていません。

 
審判員が通常着用する黒色と明確に区別がつくものを着用する

シャツの色は、審判員が通常着用する黒色と明確に判別し得るものでなければなりません。濃紺や黒地に線の細い縦縞や、雨で濡れたり、暗くなったりすると黒色とわかりにくくなる色は、審判員の黒色と明確に判別しづらいので避けなければなりません。

 
GKは他のFP、審判と区別できる色を着用する

そして、それぞれのゴールキーパーは、他のフィールドプレーヤーと区別できる色のシャツを着用しなければなりません。例えば、味方が赤、相手が白、審判員が黒ならば、青や緑などを着ることになります。
ただし、両チームのゴールキーパーのシャツが同色であっても、両者が他のシャツと着替えることができない場合は、主審は競技を始めることを認めます。

 
前面と背面の色は同色でなければいけない

シャツの前面と背面の主たる色は同じでなければなりません。前面が赤で背面が青、といったものは不可ということですね。従って、審判員や相手チームと似た色にならないよう、明らかに色の違う2種類以上のユニフォームを用意する必要があります。

両チームのユニフォームの色が類似しており判別しがたいと主審が判断したきは、特に大会規定がなければ、両チームの立ち会いのもとに、話し合って調整したり、主審のコイントスなどによって、その試合において着用するユニフォームを決めます。

選手番号

シャツの背面の中央には、幅25~35cmで選手番号を必ず表示しなければなりません。そして、服地と明確に区別し得る色かつ、判別が容易なサイズのものでなければなりません。
ただし、第4種のチームや身長150cm以下の選手等が着用する小さいシャツの場合は、サイズを適宜縮小することができる、とユニフォーム規程に示されています。

番号は整数の1から99を使用するものとしていますが、登録選手が100名以上の場合は100以上の番号が認められます。ただし、公式競技会に登録する際の選手番号については、当該競技会規程に定めるところに従うものとします。

尚、選手番号を安全ピンなどで留めるのは安全の面から許されていませんので、貼り付けるか、縫い付けるようにしましょう。

アンダーシャツ

半袖のシャツの下に着るアンダーシャツについても、実は決まりがあります。色はシャツの袖の主な色と同じで1色、または、シャツの各袖とまったく同じ色の柄にしましょう。マルチカラーやマルチパターンの場合は、各袖の主たる色と同じならば認められます。

ショーツ及びアンダーショーツ

シャツ同様、ショーツの前面と背面の色は同じでなければなりません。

アンダーショーツは寒さ対策だけではなく、ケガの防止のために着ける選手が多いです。アンダーショーツの主たる色はショーツの主たる色、またはショーツの裾の部分と同じ色(同系色は認められません)とし、単色が求められます。
同一チームの競技者が着用する場合、色はチームで同色に合わせなければなりません。これは、ショーツとアンダーショーツの色を同色にすることにより、審判員が両チームの選手の識別をより確実に行うことができるようにするためです。

ゴールキーパーは、足首までのトラックスーツ(長いタイツ)を着ることができます。色に関しては、両チームのゴールキーパーが黒色のショーツとタイツになっても問題ありません。また、ゴールキーパーは、ダイブしたり倒れ込むことが多いポジションですので、体を守るためにキーパー用のシャツやパンツにはパットが着けられています。サポーターを肘や膝に着けることも可能です。

ソックス

ソックスもシャツ、ショーツ同様、前面と背面の色は同じでなければなりません。また、ソックスの外側にテープや包帯を巻いたり、サポーターを着けることもあるかと思いますが、その場合はソックスと同色、もしくは透明なものに限られます。

尚、主審は基本的に黒色のソックスを着けているので、選手が黒色のソックスの場合、間違って主審にパスされることがあります。これを踏まえると、黒色やそれに似た色のソックスは避けた方がいいかもしれませんね。

ユニフォームの選択

主審が対戦する両チームのユニフォームの色が類似しており判別しがたいと判断したときは、準備した各2組のユニフォームのうちから、シャツ、ショーツ、ソックスのそれぞれについて、判別しやすい組み合わせを決定することができる、と示されています。ですが、なかなかチームに同意を求めることが難しいときもあります。

ショーツは同じ色でも判別できますが、ソックスが同系色の場合は判別しがたいときがあり、スローインやゴールキック・コーナーキックで迷うこともあります。ユニフォームの変更を求められた場合は、円滑な試合運営のためにも柔軟に対応してもらえるといいかなと思います。

ユニフォームの運用の緩和

さて、ここまであげた規定を見て、「意外と細かく決められているな」と思った方もいるのではないでしょうか?
ユニフォームの運用に関しては、全国大会のルールがグラスルーツの地区レベルの大会まで及んでいるケースがあり、チームや選手、保護者の方々から「運用が厳しすぎる」という意見が多くありました。

そこで、日本サッカー協会は、多くのサッカーファミリーが大きな負担なくサッカーを楽しめるようにとの思いで進める運用の緩和を示しています(2020年3月18日付の通達「選手の用具に関する運用緩和について」)。これにより、競技会ごとにそのレベルに応じた選手の用具に関する運用をはかることが認められています。

例えば、次のような項目について、大会ごとに決めることができます。

(1)ソックステープ等の色

  1. ソックステープ等の色は問わない

(2)アンダーシャツ、アンダーショーツ、タイツの色

  1. アンダーシャツの色は問わない。原則、チーム内で同色のものを着用する。
  2. アンダーショーツおよびタイツの色は問わない。原則、チーム内で同色のものを着用する。

(3)正・副2着のユニフォームの準備と組み合わせの決定

  1. ユニフォームは1着以上を持参(2着以上が好ましい)。
  2. 対戦するチームのユニフォームの色彩が判別し難い場合、主審は、いずれのチームがビブス等を着用することを決定する。
  3. ユニフォームのデザイン、ロゴ等が異なっていても、主たる色が同系色であれば着用することができる(ビブス等も可)。
  4. ゴールキーパーのショーツ、ソックスはフィールドプレーヤーと同系色でもよい。

サッカーの魅力は「自由」をいかに生かすかということだと思います。「ユニフォーム」という言葉の意味である同一、均一を大切にしながら、何色の、何番の選手という見方ではなく、「あのプレーをしたのは誰?」と言われるように、選手一人ひとりが自分らしい自由なプレーをたくさん見せてもらいたいし、応援したいと思っています。

WRITER PROFILE

小幡 真一郎
1952年7月21日生まれ、京都府出身。 サッカーの競技規則の側面から、本来のサッカーの持つ魅力、またはサッカーそのものを伝えたいと思います。 サッカーが日本の文化になるような情報を発信していきます。