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【大槻邦雄の育成年代の「?」に答えます!】セレクションへの心構え

サカママ読者の皆様、こんにちは!
暑さの中で汗をかくのが心地良くなってきた大槻です。暑さに慣れたのか、麻痺してきたのか…小まめな水分補給が欠かせません。

さて、これまで2回に渡りセレクション対策として、『サッカーの本質』について、更にそれを踏まえた上で『試合の中で効果的に関わるとは?』という話をさせて頂きました。
今回は、これからセレクション本番の時期を迎えるにあたり、私自身の考えるセレクションのポイントについて話をまとめていきたいと思います。

セレクションは大きな成長のチャンス

9月頃から各カテゴリーにおいて、来シーズンのセレクションを実施するクラブが多いかと思います。特にジュニア年代からジュニアユース年代へのセレクションに対しては、関心のある方も多いのではないでしょうか。

最近ではクラブチームだけでなく、中高一貫校などへの進学を希望する子も多くなってきました。どちらが良いか?という議論は別にして、選択肢が多くなってきたことで逆に頭を悩ませている方も少なくないでしょう。

参考:【中学サッカー進路特集:第2回】中体連とクラブチームの違いとは?

ジュニア年代からジュニアユース年代へのセレクションに関しては、初めて『ふるいに掛けられる』経験をするお子さんがほとんどだと思います。
お子さんはこのセレクションという経験を通して、様々な感情や喜び、挫折を味わうことになります。しかし結果以上に、この経験自体がお子さんにとっての大きな成長のチャンスでもあります。

『自分自身を表現することを恐れずに挑戦する姿勢』
『周囲との比較ではなく、自分自身のベストを尽くすこと』
『チームのために何が出来るかを考えること』

もしかしたら、サッカーだけの話ではないのかもしれません。合格、不合格だけではなく、セレクションは成長を感じ取る大きなチャンスなのだと思います。

セレクションで求められることって?

各クラブによって選手に求められる基準は違うと思いますし、「これです!」とは言い切れませんが、ここでは私が大切にしている3つのポイントをご紹介したいと思います。

①しっかりとした受け答えが出来ること

ピッチ上のプレーだけの評価ではなく、人物としての評価をするクラブがほとんどです。面接や作文などを取り入れているクラブもあると聞きます。想いや考えを自分の言葉で表現する力が求められています。

グラウンド上においても、とにかく『声を出せ!』と言われている選手も多いと思いますが、セレクション時にとりあえず声を出しているだけでは少し物足りなさを感じることがあります。
その日、一緒にプレーする仲間と勝利を目指す中で効果的なコーチング、ポジティブな声掛け、チームの雰囲気を良くするようなコミュニケーションが取れているとより良いと思います。

 

②サッカーの本質を忘れない

以前のコラムでもご紹介した通り、サッカーの本質から離れてしまっては本末転倒です。
特にセレクションの際には、攻撃面でアピールしたい選手も多いかと思いますが、守備を疎かにしてはいけません。攻守の切り替えのスピードは、どこのクラブでも求められることです。『好きな攻撃しかやりません』では、選手としては物足りません。
攻撃から守備への切り替え、連続した守備、粘り強い対応など、守備への意識を再確認しておくと良いと思います。

 

③自分の武器を明確にすること

何でも平均的に出来る選手よりも、何か一つでも特徴のある選手はとても魅力的です。
足が速い、キックが得意、ヘディングが強い…など自分の武器を見付けてみてください。
ピッチに立つ11人が同じようなプレーヤーでは試合には勝てません。各ポジションのスペシャリストとなるような特徴がはっきりしていることも重要なポイントです。

 

セレクションの結果をどう捉えるか?

セレクションの結果については、いつも子どもたちに伝えていることがあります。

『その結果が良かったどうかは、今わかることではない。その結果が良かったと思えるように、その後の日々の練習を一生懸命取り組むことが大切だよ』

先にも述べたように、セレクションという初めて『ふるいに掛けられる』経験に対する考え方は、どんな場面でも必ず活きる教訓を与えてくれるのだと思っています。
この『セレクション』という教材を通して、何を伝えることが出来るのか? それは『進路の選択』だけではないと思っています。

これから本格化してくるセレクション。結果がどんなものであろうと、お子さんの成長に繋げられるようなものになることを願っています。

メイン写真提供/株式会社ベースボール・マガジン社

WRITER PROFILE

 大槻邦雄
大槻邦雄

1979年4月29日、東京都出身。
三菱養和SCジュニアユース~ユースを経て、国士館大学サッカー部へ進む(関東大学リーグ、インカレ、総理大臣杯などで優勝)。卒業後、横河武蔵野FCなどでプレー。選手生活と並行して国士舘大学大学院スポーツシステム研究科修士課程を修了。中学校・高等学校教諭一種免許状を持ち、サッカーをサッカーだけで切り取らずに多角的なアプローチで選手を教育し育てることに定評がある。

★著書「クイズでスポーツがうまくなる 知ってる?サッカー