【大槻邦雄の育成年代の「?」に答えます!】忘れてはいけないサッカーの本質 | サカママ メインコンテンツに移動
 

【大槻邦雄の育成年代の「?」に答えます!】忘れてはいけないサッカーの本質

サカママ読者の皆様。こんにちは。大槻です。
長い自粛期間を終えて、世の中が再び動き始めてきました。

段階的ではありますが、子ども達の生活も少しずつ日常に戻ってきていることと思います。慌ただしい日常が戻ってきましたが、そんな日常に感謝をしなければいけませんね。

サッカー活動も再開し始めていると思います。しかし、都内を中心に公共施設や学校などは未だ利用制限があるようで再開の見通しが立たないチームもあると聞きます。各カテゴリーの大会なども中止や延期となり、子ども達の活動にも大きな影響が出てきています。

試合が出来ない状況をどう考えるか?

地域によっては、対外試合が行える状況になってきたところもあるようです。しかし、未だ感染リスクの高い地域では、対外試合を控えているところが多いと思います。加えて、今年の公式戦の中止や延期が発表されてきています。

やはり試合でこそ学べることは多いと思います。特に公式戦の緊張感の中でこそ学べることは練習試合以上に多いので、試合数が減ってしまったことは残念なところもあります。

また最上級生に関しては、進路に対して不安を抱く時期かと思います。しかし、世の中が何も動かない状況です。今は焦らずに『自分と向き合う良い時間』と捉える必要があると思います。(苦手な足の強化、ラダーや縄跳びなどで瞬発力や敏捷性の強化など、自分の苦手に取り組むのも良いかもしれませんね!)

進路を考える

例年と違い各クラブのセレクションも、時期が定まらなかったり独自の方法で選考を行うところも出てきています。試合で見られることがない状況なので、全ての選手が横一線の状況ですから、まずは情報を集めることからスタートしましょう。

特にジュニア年代からジュニアユース年代のセレクションに対しては、関心が高いと思いますから、以前の私の記事も参考にしてみてください。

【中学サッカー進路特集:第3回】育成のスペシャリスト・大槻邦雄さんインタビュー(前編)
【中学サッカー進路特集:第4回】育成のスペシャリスト・大槻邦雄さんインタビュー(後編)

 
写真:鎌倉インターナショナルFC・ジュニアスーパーサッカースクール

忘れてはいけないサッカーの本質

さて、セレクションではチームや指導者によって見るポイントは様々ですが、私が注目しているポイントの一つを紹介したいと思います。それは、サッカーの本質が理解できているかということです。

サッカーの本質とは、ゴールを奪い、ゴールを守ることです。ドリブルもパスも攻撃の選択肢の一つであって、目的ではありません。これは我々、指導者も陥りがちなことですが、手段が目的になっていることが多く見られます。
もちろんトレーニングの中でパス、ドリブルのみといったプレーの制限を与えて行うことはありますが、それはあくまでも「ゴールを奪う」という目的を達成する手段を増やすためのトレーニングなのです。

大切にしたい3つのポイント

■ゴールを目指す
ゴールが空いているのにも関わらず、目の前の相手を抜きに行こうとしてしまう。ジュニア年代の指導の際には、よく見る光景です。あくまでもサッカーの目的はゴールを奪うことであって、ドリブルで相手を抜くことではありません。先にも述べましたが、手段と目的を混同してはいけません。

■チームの為に守る
自分がボールを奪われた時だけではなく、仲間がボールを奪われた時もすぐにボールを奪いに行けるかどうか? 攻撃をしたい気持ちが強くて守備への移行がスムーズではない選手は、この意識が少し不十分かもしれません。チームの為、勝利の為に必要なプレーを選択しましょう。

■ポジティブな声
『集中しろ!』『何やってんだよ!』
仲間を叱咤激励するつもりでも、どのように伝わるかは解りません。チームがポジティブに動けるような声を掛けてあげられるかも大切なことだと思います。

 
@Kazuki Okamoto/ONE LIFE

動画で見るような華やかなプレーは人を惹き付けます。しかし、その裏側では地味でもチームのために必要なプレーがたくさんあります。それが出来るかどうか、そこに選手としてのベースがあるのだと思います。

技術や戦術の知識も大切ですが、セレクション前にまずはこういったマインドセットからスタートしてみると良いと思います。

メイン写真提供/株式会社ベースボール・マガジン社

WRITER PROFILE

 大槻邦雄
大槻邦雄

1979年4月29日、東京都出身。
三菱養和SCジュニアユース~ユースを経て、国士館大学サッカー部へ進む(関東大学リーグ、インカレ、総理大臣杯などで優勝)。卒業後、横河武蔵野FCなどでプレー。選手生活と並行して国士舘大学大学院スポーツシステム研究科修士課程を修了。中学校・高等学校教諭一種免許状を持ち、サッカーをサッカーだけで切り取らずに多角的なアプローチで選手を教育し育てることに定評がある。

★著書「クイズでスポーツがうまくなる 知ってる?サッカー