【大槻邦雄の育成年代の「?」に答えます!】外遊びにサッカー上達のヒントあり!?
サカママ読者の皆様、こんにちは。大槻です。
新年度が近付いてきました。期待と不安でどこか気持ちが落ち着かない方も多い時期だと思います。
また、新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るっています。元気で健康に過ごせる日々がどれだけ尊いものなのかを改めて考える時間となりました。
日常生活にも不都合がたくさん生じたと思います。感染拡大防止のため、休校やサッカースクールなどの活動休止。子ども達だけでなく、全国のサカママの皆様も仕事の調整や子ども達との過ごし方に頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、サッカースクールやチームの練習がなくても、普段の『遊び』の延長の中で身に付けられるトレーニング効果をテーマにコラムを進めていきたいと思います。
子ども達の生活環境の変化を考える
『サッカー上達の為に、どんなトレーニングが必要ですか?』
幼少期の保護者の皆様から、こんな質問を受けることがあります。そんな時、私は決まってこう答えています。
『専門的なトレーニングも大切ですが、普段の生活や遊びの中にたくさん上達のヒントがあると思いますよ。』
一昔前は、子ども達は自分達だけの社会の中で様々なことを覚えていったように思いますが、時代が移り変わる中で子ども達を取り巻く環境も変化してきています。ゲームの普及、習い事の低年齢化、外遊びの減少、様々な年齢が集まって公園で時間を過ごすような機会も減ってきました。
そういった時代背景にあわせて、現代の子ども達に求められてくることが変わってきているのも事実です。子ども達の運動能力の低下が話題になる中、もう一度身近にある遊びの中に隠れているトレーニング効果を考えてみたい思います。
外遊びに隠れたトレーニングの要素とは?
では、具体的に外遊びにはどんなトレーニングの要素が隠れているのでしょうか。私が保護者の皆様にお勧めしている外遊びをいくつかご紹介します。トレーニングと名前が付くと少し構えてしまうかもしれませんが、どれもみなさんがよく知っている身近な遊びですよ。
鬼ごっこ
様々なルールの鬼ごっこがありますが、身体を鍛えるのに一番良い遊びだと思っています。
ルールの中で仲間と協力しなければなりません。そこには自然と社会性と協調性が生まれてきますし、時にはズル賢い知恵も必要かもしれません。鬼から逃げ切る瞬発力や俊敏性、持久力も鍛えることが出来ます。
縄跳び
私が小学校の頃、学校の検定があって自宅で一生懸命練習したのを思い出します。様々な飛び方にチャレンジしてみんなで競い合ったり、クラス対抗で大縄跳びの練習をしたり、楽しい思い出がたくさんあります。
もちろん縄跳びも、運動機能の発達には非常に良い遊びだと思います。長い時間飛び続けることで全身持久力が鍛えられますし、敏捷性や跳躍力を鍛えることが出来ます。
雲梯や上り棒
昔はどこの学校にもあった上り棒ですが、落下の危険性もあり、あまり見なくなってきました。裸足になってスルスルと上に登っていく子どもがたくさんいたものです。どこの公園にもある雲梯も遊ぶ子どもが減ってきているように思います。
特にサッカーをしている子ども達はボール扱いに注力し過ぎてしまい、上半身を使う機会が減ってきています。ぶら下がる中でバランスを整えたり、全身で身体をコントロールしなければなりません。自然と上半身の筋力強化、体幹トレーニングにも繋がっていきます。
基礎運動能力の向上
サッカー上達のためには、まずは自分の身体を思い通りに動かせるようになることが大切です。
頭でイメージした動作を表現する際に身体が対応出来なければ、技術の習得に時間が掛かってしまいます。幼少期に様々な運動経験が良いと言われるのは、そのためです。
それをトレーニングとしてではなく、遊びの中で自然と身に付けることが出来たら...子ども達の楽しい!を大きなものに出来るかもしれませんね。
ここで紹介したことは、ほんの一部分でしかありません。トレーニングとしてではなくて、あくまでも遊びの延長で楽しく取り組めたら良いですね!
まとめ
時代の流れの中で子ども達を取り巻く環境も大きく変わってきました。
特に子ども達が強制されない自由な遊びの中で身体を動かす機会が少なくなってきています。昔とは違い、今では様々な制約や問題もあるかもしれませんが、大人が全てを管理するのではなく、大枠の中で子ども達の自由な発想を引き出してあげたいと思うのです。
幼少期のサッカーのトレーニングは、ボールを扱うことだけではありません。まずは自由に身体を動かせるようにしていくことが大切だと考えています。
しかし、身体の成長には個人差があります。スピードがあったり、パワーがあったりすることだけに捉われてはいけません。個々の良さや得意なことを認めてあげることが何よりも大切です。 課題や問題点を見つける事よりも、まずは良かったところを見付けてあげたいですね!