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【大槻邦雄の育成年代の「?」に答えます!】試合の中で効果的に関わる

サカママ読者の皆様、こんにちは!大槻です。

少しずつ日常が戻ってきたと思いますが、いかがお過ごしでしょうか?
私の住んでいる東京では、社会生活を過ごしていく中で気にしなければならないことも多く落ち着かない状況が続いています。

地域のサッカークラブも練習が再開され、対外試合を行うまでになってきました。張り切り過ぎて怪我などの心配もあるので、ご家庭の方でも焦らずにサッカーを楽しむように働き掛けてくださいね!

さて、前回のコラムではサッカーの本質についてのお話をさせていただきました。今回はもう少し踏み込んだお話をしていきたいと思いますので、お付き合いください。

効果的に関わるとは?

サッカーの本質は、『ゴールを奪い、ゴールを守る』ことにあるというお話をさせていただきました。これはあくまでも個人戦術の話になります。サッカーは1人では出来ませんから、ゴールを意識した中での相手の変化を仲間同士で共有する必要があります。ボール保持者のボールの持ち方、相手の状況に応じて、適切なポジショニングを確保しなければいけません。

今回は、相手がいる状況下でのボールを出す人、ボールを受ける人の2人称の関わりを整理していきましょう。持っている技術を最大限に発揮するためにも、試合の中で効果的に関わるポジショニングについて理解を深められると良いと思います。

2対2の攻防から見るポジショニング

 
図1:ボール保持者にプレッシャーがなく、シュートコースが空いている状況

図1をご覧ください。ボール保持者①がフリーの状況です。
相手守備者①は、ボール保持者①に対して十分なプレッシャーを与えていません。加えて相手守備者②は、仲間に釣られてシュートコースを空けています。
この場合は、ボール保持者①が狙うべきなのは?

続いて図2をご覧ください。

 
図2:相手守備者②がシュートコースを防ぎにきた状況

ボール保持者①に対して、相手守備者①がアプローチに行きます。ここでボール保持者①はシュートコースを覗き、シュートコースを作り出しました。それを見て相手守備者②は、カバーリングのポジションに入りシュートコースを防ぎにきました。

ここでの仲間の関わり方次第では攻撃の幅が、劇的に変わります。

ケース①

 

パスの受け手②がボールに夢中になり過ぎてしまい、ボールに寄ってしまうと…スペースがなくなってしまい攻撃のチャンスを失ってしまいます。
パスの受け手②相手守備者②の前方にいるので、プレッシャーを受けてしまいます(※相手に捕まっている状態と表現しています)。よく見るパターンです。

ケース②

 

パスの受け手②相手守備者②の『背中が見えるところ』にポジションを確保します(※普段、相手の背中を見に行こう!と声を掛けているのでこの表現になります)。
そうすると、パスの受け手②相手守備者②のプレッシャーを受けずにゴールへ向かえます。

ボール保持者は、ゴールを意識したことで起こる変化を瞬時に把握して突破orパスの判断をしなければなりません。また仲間は、ボール保持者の状況、相手守備者の対応を瞬時に把握してゴールに向かっていくポジショニングを確保していく必要があります。

まとめ

2人称での関わりの中でも様々な駆け引きがありますが、いずれもゴールを意識することで、相手守備者に変化が起こるのです。

相手守備者②が下がってきたらどうするの?については、またの機会にお話をさせてください。
ちなみにこれらのポジショニングについては、センターバックやボランチの選手にも応用が出来ます。

パスサッカー、ドリブルサッカーと分類をされがちですが、どちらも手段であって目的ではありません。個人としてだけでなく、チームとしてゴールを意識したプレーが求められます。こちらで紹介したことを、より細分化していくと技術的な部分で何を身に付けなければならないのかが見えてくると思います。

まだ小学校低学年のうちは考え方を理解するのが難しいと思うので、ボールを扱う技術の習得に時間を多く使うかと思います。高学年に近付くと、少しずつ物事の理解力が増してきます。技術的な指導だけでなく、その技術をいつ、どこで、どうやって使うか?を提示していくと良いと思います。

選手の皆さんは、持っている技術を効果的に発揮するためにも、参考にしてみてください。また、選手や指導者だけでなく、観戦する保護者の皆様も注目してみてくださいね。

メイン写真提供/株式会社ベースボール・マガジン社

WRITER PROFILE

 大槻邦雄
大槻邦雄

1979年4月29日、東京都出身。
三菱養和SCジュニアユース~ユースを経て、国士館大学サッカー部へ進む(関東大学リーグ、インカレ、総理大臣杯などで優勝)。卒業後、横河武蔵野FCなどでプレー。選手生活と並行して国士舘大学大学院スポーツシステム研究科修士課程を修了。中学校・高等学校教諭一種免許状を持ち、サッカーをサッカーだけで切り取らずに多角的なアプローチで選手を教育し育てることに定評がある。

★著書「クイズでスポーツがうまくなる 知ってる?サッカー