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イギリスサッカー便り【昨日の味方は今日の敵?】

みなさん、こんにちは!

イギリスは、ロックダウン緩和がさらに進み、今月からレストランやパブなども再開。新しい生活様式を取り入れた上で、徐々に元の生活に戻ってきています。

子供達の学校は、3月に休校になって以来、結局一度も登校することなく、先週で学年末を終えて夏休みに入りました。振り返れば長い長いホームラーニングの期間となってしまいましたが、今まで学校に行っている時には、授業でどんな事をしているのか、何を習っているのか・・・など、ほとんどわからなかったことが、この4ヶ月で少し(いや、かなり)垣間見れたことはロックダウンの思いがけない副産物かなぁと思います。

town

 

目標を持つことの重要性

今週まで次男のチームのトレーニングで毎週行われていたのがbleep test(20m シャトルラン)。トライアルの選手も含め、約25人の記録が公開されます。そして上位5人ずつ、次回のトレーニングのグループ1.2.3…と分けられます。

あくまで持久力テストの結果かつスタート順なだけなのですが、超がつくほど負けず嫌いな次男は、意地でもグループ1に残りたいがため、トレーニングのある木曜日は朝から集中。朝6キロランをしてシャワー浴びて勝負の赤パンツはいて(笑)、ランチには必ずパスタを食べトレーニングに向かうというのが彼のルーティーン。

いつもなら週末の試合に向けて、徐々に平日からコンディションをあげていくのですが、試合がない今、その照準は木曜日のbleep testになっていました。

ある木曜日、グループ1で1位になったけれどとても不満そうな顔をして帰ってきたことがありました。勝てたことは嬉しいけど、準備も100%できず記録も更新できなかったからモヤモヤしてると。その翌週の木曜日には、グループ1で3位でしたが、悔しいけど満足そうな顔をして帰ってきました。負けてしまったけど、今自分ができる全力を出せたし自己記録を更新できた、素直に相手が強かった、けどやっぱり悔しいから次頑張ると。

ちょっとストイックすぎるのではないかという性格に、もう少し気楽に臨機応変に取り組んでもいいんじゃないかなぁ・・と親としては思ってしまいますが、彼なりにいろんな事を考えて自分と向き合ってるんだなぁと成長を感じることができ嬉しくもなった瞬間でした。

試合という目標がないトレーニングは、やはりモチベーションも上がらなくなりますよね。そんな中、bleep testという試合とは違ったカタチですが、競争する環境を与えてもらい、自分なりの目標を設定することで、トレーニングに対するモチベーションをキープできていたように思います。やはり、普段から些細なことであっても目標を持って取り組むことの重要性を改めて感じました。

sandhust

 

個が尊重される環境

イングランドの育成年代のサッカーでは、シーズンを通してリーグ戦を戦います。そのリーグは、チームがどのリーグで登録するかを決めることができ、そのリーグの中でDivision1,2,3…と分かれます。そのリーグも土曜リーグと日曜リーグがあって、長男のチームは土曜リーグのみの登録、次男のチームは土曜日曜リーグどちらも登録しています。いろんなパターンがあるようですが、日曜リーグのみ登録している・・・という選手が多いようです。おもしろいのが、この土曜リーグと日曜リーグは全く登録が別なので、必ずしも同じチームで登録する必要がありません。日本でいうと、例えば土曜日は少年団のチームで、日曜日はクラブチームでやる、というような感じです。

昨シーズンの日曜リーグの開幕戦、試合会場に着くと、相手チームのユニフォームを着たチームメイトがいて、息子もわたしも???状態でした。前日、チームメイトとして一緒に試合を戦った1人が翌日の試合では対戦相手という…!前日の自分たちのゴールキーパーが、翌日は相手チームのゴールキーパーなんてこともありました笑 一番驚いたのが、ある週末、土曜日の試合ではある選手のお父さんが次男のチームのベンチに、その翌日の日曜日には相手チームのベンチで指揮を取っていたということ・・・・!!!昨日の味方は今日の敵・・・まさにそんな気分で、日本では考えられないようなシチュエーションが普通にあります。笑

土曜と日曜で別チームで登録している選手は、土曜日はもう少し強いチームでやりたい、とか、もちろんその逆の理由であることもありますし、登録しているリーグがどこかなどで決めることもあるみたいです。土曜リーグ日曜リーグそれぞれに登録料が必要になりますので、あえてどちらかしか登録しない選手もいます。土曜日は同年代のカテゴリーで、日曜日は一つ上のカテゴリーで登録している選手もいました。

これはチームあっての個人、ではなく、個人あってのチームという考え方の違いだと思います。基本的に、個人の考えや意識が尊重される社会であるがゆえなのかなぁと思っています。

ある日本人の元プレミアリーガーの方にお話を伺う機会があったとき、プレミアリーグは今までプレーしてきたJリーグなどと比べてどうですか?という質問をさせていただきました。すると、プレミアリーグでは何よりも圧倒的な個を感じ、そして自分にもそれを求められた、とおっしゃってました。

個人主義、個の力、個…こちらに来て色々カルチャーショックを受ける部分でもありますが、息子たちにも日本で学んできたことを踏まえつつ、こちらでもいろんなことを経験してたくましくなっていって欲しいなぁと思います。

 

そしていよいよ・・・・!!!

1ヶ月半以上、6人までのグループで2mの距離を取ることを条件に行われてきたサッカーの活動。試合どころか対人プレーすら許可されていない状況だったのですが、ついに!!!!政府からのGoサインが出ました!!(7 / 18発表)

7月末までに30人までのグループで、対人プレーもOKに、8月からはシーズンに向けた練習試合が、そして9月から育成年代2020−21シーズンのスタートが正式にイングランドサッカー協会から発表されました!!!本当に長い長い休止期間だっただけに、いよいよフットボールが戻ってくることに嬉しさでいっぱいです!

サッカーの試合で忙しくなる日々が待ち遠しいです!

 

longwalkgarden

 

 

WRITER PROFILE

クリストファーズ佳世
クリストファーズ佳世

イギリス在住、3兄弟(16歳、14歳、11歳)を育てる現役サカママ。 神戸市在住時は、地元の強豪クラブチームで6年間サカママ生活を満喫。2019年3月にイギリス移住後は、サッカーの本場・イングランドでシーズン1年目の新米サカママとして生活をスタート。 日本とイギリスのサッカー事情の違いなどを、サカママならではの目線で伝えていきます。

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