今さら聞けない!?サッカールール「8人制サッカーの目的とは」 | サカママ メインコンテンツに移動
今さら聞けない!?サッカールール「8人制サッカーの目的とは」

今さら聞けない!?サッカールール「8人制サッカーの目的とは」

1993年のJリーグ開幕節で主審を務め、審判界に多大な功績を残したレジェンド・小幡真一郎さんによるサッカールール解説シリーズ!
今回は「8人制サッカー」について。お子さんをサポートするうえでも知っておきたい、8人制サッカーの目的とは?

改めて「8人制サッカー」について考えてみよう

新型コロナウィルスの対策として様々な個人の行動を大幅に制限する措置が取られています。サッカーをはじめとするスポーツ活動も自粛を余儀なくされている中で、自宅でできるトレーニングの動画が数多く紹介されていますね。特に、ボールリフティングやボールジャグリングの動画は、ハイレベルなものがたくさんあります。身につけたスキルを早くゲームで試してみたいと思っているお子さんも多いのではないでしょうか。

さて、今回は取り上げるのは「8人制サッカー」です。 2019/20年シーズンの「サッカー競技規則」の改正に伴う、「8人制サッカー競技規則」の一部修正に触れたあと、親御さんにも知ってもらいたい、8人制サッカーの目的について考えてみたいと思います。
11人制サッカーと8人制サッカーの競技規則の違いについてはこちらの記事で詳しく解説されているので、「そもそも8人制サッカーって?」という方はまずこちらを読んでみてくださいね。

2019/20の競技規則改正
「8人制サッカー」で修正されたことは?

実はサッカーの競技規則は毎年細かく変更されています。2019/20年シーズンにも様々なルール改正がありました。それに伴い、「8人制サッカー競技規則」でも以下の2点が修正されています。

①ゴールキーパーの交代手続き

8人制サッカーのフィールド
8人制サッカーで推奨されるフィールドは、公式の11人制サッカーフィールドの約半分のサイズ

2019/20年の「サッカー競技規則」の改正より、交代する競技者は「境界線の最も近い地点から出なければならない」と定められました。8人制サッカーでは、このルールはゴールキーパーの交代にのみ適用されます。

ゴールキーパーの交代手続き
① ボールがアウトオブプレーになった時に、主審に通知し、主審の許可を得て交代を行う。
② 交代して退くゴールキーパーは、境界線の最も近い地点から出なければならない。(ポジション的にゴールラインの場合が多いです)
③ 代わりに入るゴールキーパーは、ハーフウェーラインのところからフィールドに入る。

フィールドプレーヤー(ゴールキーパー以外の選手)の交代は、「自由な交代」で行われるため、競技者管理の観点から今まで通り交代ゾーン(上図・赤枠)で行われます。

自由な交代
8人制サッカーでは、試合中に主審に告げることなく、交代ゾーンで自由に選手交代をすることができます。(フィールドプレーヤーのみ)

2.ゴールキーパーとフィールドプレーヤーの入れ替え

ゴールキーパーとフィールドプレーヤーの交代手続きは、特別な交代手続きによって運営される8人制サッカーでの混乱を避けるために、次のように明記されました。

ボールがアウトオブプレーになった時に、主審に通知し、主審の許可を得て入れ替えを行う。

これまで通り、フィールドプレーヤーとゴールキーパーが頻繁に交代できるようにビブス等の交換を行うことができます。

8人制サッカーの目的とは?

サッカー

「サッカー競技規則」は毎年改正されているため、選手やチームスタッフ、あるいは応援の皆さんも戸惑うことが多いと思います。しかし、基本的な「8人制サッカー」の目的や狙いは全く変わっていないので、再度確認してみましょう。JFAは8人制のメリットとして、以下の5つをあげています。

① ボールタッチ回数が多い技術の向上
② プレー回数が増える判断の回数が増える
③ 11人制よりも観るものが減る判断が明確になる
④ どのポジションでも攻守に関わり続けられるサッカーの全体像を理解、関わることの習慣づけ
⑤ ゴール前の攻防が増える得点力・守備力向上

このメリットから8人制サッカーの目的が分かるのではないでしょうか。ボールタッチ、プレー回数が増えることは、その分成長の機会も多いということ。子どもたちがゲームの中で数多くの成功(うまくできたこと)と失敗(うまくできなかったこと)を繰り返し経験することで、サッカーを理解するとともに自分を知ることができると思います。

サポートするお父さん、お母さんには「本人が失敗して気づくこと」を大切にしてもらいたいです。
「失敗が怖いからやらないでおこう」と挑戦を恐れたり、「全力でやってうまくできないと恥ずかしいから手を抜こう」と自己防衛してしまうのではなく、「失敗したことをきっかけにうまくなった、成長した」という変化をお子さんが自覚できたらよいなあと思います。
そのためにも、お子さんが自分で考え工夫したことを高く評価し、失敗しても全力でやった、何とかチャレンジしようとしたことの素晴らしさを褒めてもらいたいのです。

8人制サッカーはJFAが掲げている「基本を備え、局面において自分自身で判断し、解決していく力を持った選手」につながり、その目的を理解することで、「どんな状況でも心身ともにたくましく、プレーできる選手、クリエイティブな選手」に一歩近づくのではないかと思います。

さて、冒頭のボールリフティングでも、子どもたちは何度もチャレンジして、試行錯誤しながら取り組んでいることかと思います。チームでの練習や試合の再開はまだ先になりそうですが、この状況の中でもお子さんが自分なりに工夫しながら行っていることを見守ってあげてください。サッカーが再開されたときに、きっとそのスキルを発揮できるはずです。

WRITER PROFILE

小幡 真一郎
1952年7月21日生まれ、京都府出身。 サッカーの競技規則の側面から、本来のサッカーの持つ魅力、またはサッカーそのものを伝えたいと思います。 サッカーが日本の文化になるような情報を発信していきます。