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ハンドの反則【競技規則の改正】

 試合中、反則の中で、最も叫び声が聞こえてくるのがハンドの反則であり、審判にとっては悩ましいものの一つです。なぜならば、「手または腕を用いて意図的にボールに触れる行為」を反則とするのですが、意図的かどうかは主審の判断に任されています。手や腕に当たっただけで自動的に反則とせずに、いろいろな条件を加味して判断しています。今回の2019/20の競技規則改正によって、その条件がより具体的になり、判断の幅が狭まり、その結果、罰せられるケースが増えたように思えます。

① 攻撃側の選手が、ボールを手や腕に触れた後に、トラップ、ドリブル、パス、シュートなどで「相手ゴールに得点する」、あるいは「得点の機会を作り出す場合」は反則となります。さらに、「意図がなく偶然であっても、手や腕から相手チームのゴールに直接得点することは認めない」というもので、攻撃側の選手のハンドの反則がより明確になります。

② これまでの「ボールがけられたときの距離」「避けられる時間」「自然な位置」という観点がなくなり、「手や腕を用いて選手の体を不自然に大きくした」、あるいは「手や腕が肩の高さ以上にある」場合は通常反則となります。

③ ボールが近くにいる別の選手に当たってから、①や②の場合、選手の手や腕に直接触れれば反則となります。
反則とならないケースとして、

④ 「手や腕は体の近くにあるが、手や腕を用いて選手の体を不自然に大きくしていない」と判断すれば、反則とはなりません。不自然に大きくしているか、していないかを判断するのは審判です。

⑤ 「選手自身の頭や体(足を含む)から直接触れる」、あるいは「近くにいた別の選手の頭や体(足を含む)から直接触れる」場合は反則となりません。例えば、トラップ、キック、ヘディングなどしたあとのボールが手や腕にあたっても反則とはなりません。ただし攻撃側の選手は①によって反則となります。

⑥ 選手が倒れ、体を支えるための手や腕が体と地面の間にあって、体から横または縦方向に伸ばされていない場合は反則とはなりません。
Jリーグではすでに実施されていますが、都道府県ではまだ周知されておらず、次年度から実施するところが多いのではないでしょうか。

最終的には主審に判断を委ねているのがサッカーですので、プレーをやめたり、執拗に抗議したりするようなことは慎みたいものです。

WRITER PROFILE

小幡 真一郎
小幡 真一郎

1952年7月21日生まれ、京都府出身。元国際主審。
サッカーの競技規則の側面から、サッカーの持つ魅力、またはサッカーそのもののを伝えたいと思います。著書に7月21日発売『おぼえよう サッカーのルール』(ベースボールマガジン社)、『すぐに試合で役に立つ! サッカーのルール・審判の基本』(実業之日本社)、『失敗から学ぶサッカー審判の教科書 しくじり審判』(カンゼン)がある。

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