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アメリカ少年サッカー記8 怪我と向き合う

サッカーを長いこと続けていると、どこかしら、痛いところが出てきます。息子の場合は、9歳から11歳にかけて、踵の成長痛であるシーバー病に何度かなりました。また、最近では股関節周辺が痛くなるグロインペイン症候群にもなりました。シーバー病は、友達やチームメイトでも共通する怪我の一つです。この慢性的な痛みが発生した時、その対応は各家庭で異なります。私の知る限りでは、騙し騙しサッカーを続け、1年近く怪我が治らない子もいれば、治るまで練習や試合を一切お休みする子もいます。病院の対応も様々で、「成長痛なんだからみんな痛くなるもの、痛み止めを飲んでスポーツを続けたら良い」、とアドバイスする医師もいれば、骨折と同じように、足首を固定するブーツを履かせ、松葉杖で生活させる医師もいます。この怪我への対応の選択肢があまりにも多くて、どうしたら良いものか、毎回迷ってしまいます。

息子が一番最初にシーバー病になった時は、重症化するまで気がつきませんでした。息子が9歳の頃で、サッカーの練習後に足を引きずっていたのです。驚いて理由を聞いたところ、前から踵が痛かったとの事。その後、何日間もアイシングを続け、最初の1週間は授業の体育をお休み、サッカーは1ヶ月近く休みました。その時は、知り合いのフィジカルセラピストが、息子にストレッチの仕方を丁寧に教えてくれました。毎晩、しっかりストレッチをした上で、テニスボールを重ねて作ったお手製の器具でマッサージケアも続けたおかげで、1ヶ月後には痛みが引き、以前のようにサッカーができるようになりました。ところが、この怪我は、忘れた頃にぶり返すのです。1年後、また踵が痛くなり、慌ててアイシングやストレッチ、マッサージを行います。とにかく、痛みが発生してから、対処するので、やる事全てが後手後手です。

こうして怪我を繰り返すと、ふと、問題なのは、体のメンテナンス不足にあるんじゃないか、という気がしてきます。息子は、練習が好きで、休まず行きたがりますが、体のメンテナンスには無関心で、なかなかアイシングやストレッチをやろうとしません。こうした日々の重ね合わせで、体は少しづつ柔軟性を欠き、負荷がかかり、怪我に繋がっているのかもしれません。

怪我の予防として親ができるサポートには、筋肉の疲労回復と栄養補給があります。これらはアメリカで学んだことですが、試合が数日続く場合は、筋肉が硬直しているので、それをほぐすために、アイスバスを用意します。氷と水を入れた浴槽に、10分近く足全体を浸してクールダウンさせる方法で、このアイスバスに入ると、だいぶ足の疲れが取れるようです。遠征先などで浴槽がなければ、プールでも代用可能です。栄養補給に関しては、負荷の高い練習や試合の後すぐに、チョコレートミルクを飲ませる事がアメリカではよく知られています。コーチからこの説明を受けた時は、かなり驚きましたが、一般に市販されているチョコレートミルクにはプロテインが多く含まれ、スポーツ選手も良く飲むそうです。

こんな怪我の予防措置にも関わらず、不運にも怪我をした時は、RICEと呼ばれる4つの処置、安静(Rest)、アイシング(Icing)、患部の圧迫(Compression)、そして幹部を高くする(Elevation)を行います。怪我をしたら、安静が基本ですが、それに加え、痛めた箇所を20分間アイシングし、20分間休憩するインターバルを1日2〜3回繰り返します。また、伸縮性の包帯で患部を圧迫したり、寝ている時は痛みのある箇所をクッションに乗せて心臓より高い位置に上げるのも有効です。ただ、痛みが強い場合は、診察を受け、色々アドバイスをもらった方が安心です。スポーツを休みたくない子供の気持ちを理解し、休むメリットを話したり、メンタルのケアをして、子供の怪我に寄り添うことも、親の大切な役割かもしれません。

「アメリカ発 少年サッカーの育成事情」https://utlogan.blog.fc2.com/ でも執筆中

WRITER PROFILE

近本 めぐみ
近本 めぐみ

日米で色々な大学、研究所を渡り歩く理系研究者。現在はアメリカ在住、在米歴と息子のサッカー歴が8年のサカママ。サカママWEBでのコラムを通して、アメリカならではのサッカー育成の面白いところ、興味深いところを発信していきます。

★外部ブログ「アメリカ発少年サッカーの育成事情」でも執筆中

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