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【全国注目校FILE】就実高校(岡山)初の全国大会を目指す「赤色の戦士たち」

[分類]私立
[所在地]岡山県岡山市
[設立]2012年
[部員]72人
[2019年所属リーグ]Aチーム/プリンスリーグ中国、Bチーム/県リーグ1部

監督に聞く!求める選手像と指導理念
須田二三明監督

入部条件は特になし。須田二三明監督は「オン・ザ・ピッチだけでなく、オフ・ザ・ピッチでも頑張ってほしい」と語る。学生の本分である勉強をおろそかにしないように求めており、試験の成績が悪ければ練習に参加できない。プレー面では「気持ちの強さが大切。それがあって技術の向上がある」(須田監督)というのが基本の考え。個々の意識の高さとサッカーに対する本気の取り組みが、球際の粘り強さ、堅い守備のベースとなっている。

初の全国大会を目指す岡山の新興勢力

就実高校(岡山)

徐々に力をつけ、岡山県の高校サッカーに新風を吹き込んでいる。2019年2月の新人戦で初の県大会決勝進出を果たすと、同年6月のインターハイ予選でも決勝に進出。ともに作陽高に敗れて優勝こそ逃したものの、選手権予選での雪辱と、初の全国大会出場を虎視眈々と狙っている。

プリンスリーグ中国に初昇格
「1点の重み」でチーム力アップ

就実高校(岡山)

かつては女子高だったが、共学化に伴って創部され、2012年に日本サッカー協会に登録。少しずつ力をつけると、今年度はプリンスリーグ中国に初昇格を果たし、厳しい環境でさらに力を伸ばしている。開幕4連敗を喫するなど序盤は苦戦したものの、徐々に勝ち点を拾えるようになり、第8節からは3連勝。勝利も敗戦も1点差の試合が多く、須田監督は「1点の重みが身に染みて分かるのが、昨年までの岡山県リーグとの大きな違い。レベルの高い相手との戦いで選手・スタッフとも大いに鍛えられている」と語る。
走力と球際の強さを生かした粘り強い守備が持ち味で、プリンスリーグ中国では第11節まで13失点。これは上位校と変わらない数字だが、攻撃が下から4番目の12得点なのが、7位(全10チーム)にとどまっている要因だ。「守備のバランスを崩さずに攻撃の質を上げていく」(須田監督)ことが今後のプリンスリーグ、さらに初の全国大会出場を目指す選手権予選に向けてのポイントとなる。

就実高校(岡山)

就実サッカーを体現するファイター

湯淺怜夫

MF 湯淺怜夫(3年)
気持ちの強さを大切にする就実サッカーにおいて、その考えを体現するファイターであり、今年度のキャプテン。相手ボールホルダーに激しく当たってボールを奪い、ルーズボールにも体を投げ出して挑みかかるボランチだ。常に声を出してチームを鼓舞し、攻守両面に関わり続けるプレーに、須田監督も「代えのきかない存在。湯淺がいればチームには12人いることになる」と絶大な信頼を寄せる。
ギリギリの攻防が続くプリンスリーグ中国では特に、自ら持ち味と語る球際の強さ、セカンドボールへの反応などで、存在の重要性が増している。どんな状況でも体を張るため、試合中に体を痛めることも多いが、それがチームメイトを奮い立たせる要因の一つにもなっている。1年時は学年の責任者、2年時は副キャプテンを任され、早くからリーダーシップを発揮してきた。最終学年となり、悲願の全国大会初出場に向けて、これまで以上に闘志を燃やしている。

『三度目の正直』で全国大会初出場となるか?

就実高校(岡山)

2月の新人戦決勝は1-1からのPK戦で、6月のインターハイ予選決勝は0-1で、競り合いながらも作陽高に敗れて準優勝に終わったが、『三度目の正直』となる選手権予選での全国大会初出場を狙っている。プリンスリーグ中国での上位進出・残留も目標の一つ。厳しい環境での戦いがチーム力アップにつながっているのは間違いなく、それを来年度以降につなげることが重要になる。

就実高校(岡山)

WRITER PROFILE

石倉 利英
1970年、島根県生まれ。94年にベースボール・マガジン社に入社し、週刊サッカーマガジン編集部に配属。サンフレッチェ広島、ジュビロ磐田、浦和レッズなどの各Jクラブのほか、ジーコ監督時代を中心に日本代表も担当。井原正巳、森島寛晃、秋田豊、名波浩の引退試合プログラムの編集も担当した。2009年に退社してフリーとなり、2011年に島根に帰郷。エル・ゴラッソ、J's GOALのガイナーレ鳥取担当記者、サンフレッチェ広島ファンクラブ誌「アシスト」の編集のほか、中国5県の高校サッカーを取材・撮影。サッカーマガジン、Number Webなどへの寄稿のほか、高校女子のソフトテニスなども定期的に取材している。

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