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アメリカ少年サッカー記4 怒涛の試合シーズンが終了

一年の中で、サッカーで一番忙しい時期がようやく終わりました。

まずは、春のリーグ戦。今年は天候不良で再試合が続き、4月下旬から5月初旬までに8試合をこなしました。ユタ州のユースサッカー協会は、怪我の防止のため、短期の大会を除き、1日に複数の公式戦を組みません。そのため、試合が週に3日も入り、こんなに忙しい試合日程は初めでした。

さらに、5月中旬からは、シーズンで一番大きなステイトカップがありました。こちらは州のプレミアリーグに参加するチームが出場する大会で、優勝チームは、全米を4つの地域に分けたリージョン大会へ参加できます。こちらも予選3試合が1週間で行われ、翌週に、準々決勝、準決勝、決勝がありました。ここのステイトカップは、土曜だけでなく平日も午後4時から9時までのスケジュールで試合を組みます。ある試合には、午後2時前に子供を学校から早退させ、試合会場に連れていく。また、別の試合では、午後8時からのナイター試合でプレーして、自宅に到着するのが午後11時になるほど遅い。選手の子供達はもちろんのこと、大人達も、仕事時間をやりくりしながら長距離運転で子供を試合に連れていき、疲労困憊でした。

息子達のチームは、春のリーグ戦が始まった頃、調子をかなり落としていました。雪が降る冬の間は室内練習ばかりで、春先は悪天候でチーム練習ができずにいたため、全体的に体力がだいぶ低下していました。試合中は相手チームより走り負けていて、コンフィデンス(自信)を持ってプレーできていない子も多かったです。

そんな時でも、ヘッドコーチは選手を感情的に怒ることなく、「もっと自信を持ってプレーして良いんだよ」とか「失点は気にしない。でも下を向いて走らないのは気になる。」と言ったアドバイスで、子供達を辛抱強く応援していました。子供達も、ミスを互いに非難する試合もありましたが、試合前のアップから皆んなでムードを盛り上げて、ハイタッチしたら勝ったから今回もやろう、とか、円陣も元気に声を出そう、とチームの雰囲気作りを工夫するようになりました。さらに、連続試合のスケジュールが逆に功を奏し、試合をこなす毎に体力が少しずつ回復。最後は勝ち星を重ね、去年の9月から始まった通年のリーグ戦を何とか準優勝で終えました。そのままの勢いで、ステイトカップも予選を突破。残念ながら、チームは準決勝で敗退しましたが、疲労の蓄積や、雨天の寒い試合が続く中で、辛抱強く試合に競り勝てたことは、子供達の精神面の成長につながったと思います。

サッカーは学校と同じスケジュールで、5月末にスクールイヤーが終了すると共に、2018-2019年のサッカーシーズンも終了です。5月末は、来シーズンの選手を選抜するトライアウトが行われました。息子のチームは、一人がフットボール(アメフト)を選んでチームを去りましたが、残りの選手全員がチームへの残留を希望し、トライアウトを無事通過しました。さらに、来季はU13で、9人制から11人制へ移行するため、新しい選手も数名加入しました。その中には、2年越しで勧誘を続けてきた選手と、2年前に引っ越しでチームを去った選手もサプライズで再加入しました。

6月から、新チームで、新しいシーズンの活動がスタートです。

近本めぐみ:「アメリカ発 少年サッカーの育成事情」https://utlogan.blog.fc2.com/ でも執筆中

WRITER PROFILE

近本 めぐみ
近本めぐみ

日米で色々な大学、研究所を渡り歩く理系研究者。現在はアメリカ在住、在米歴と息子のサッカー歴が8年のサカママ。サカママWEBでのコラムを通して、アメリカならではのサッカー育成の面白いところ、興味深いところを発信していきます。

★外部ブログ「アメリカ発少年サッカーの育成事情」でも執筆中