JICAボランティア(青年海外協力隊)のサッカー隊員が感じた南米ボリビア ユース事情~第3回~
サカママ読者のみなさま、こんにちは!
第3回となる今回は、南米ボリビアサッカーのプロ事情について、育成年代からプロになるには、プロ選手の現状について書きたいと思います。
育成年代からプロへの道筋は?
ボリビアで育成年代からプロになるには、以下のような例が多いです。
・プロの下部組織から17~18歳でトップチームに昇格し、プロ選手になる→レセルバというプロの2軍で下積み
・各クラブで実施しているトライアルで目立った選手が発掘され、プロ選手になる
こちらは、街クラブのユース17~19歳あたりの選手がどんどんトライアル試験を受けに行きます!1回のトライアルで200~300人が集まるときもあるみたいです。
また、プロ2部リーグに相当する「コパ シモン ボリバル」という大会(各県上位チームによるプロ1部リーグへの参入戦のようなもの)で、各クラブのスカウトマンに目をつけられて、プロ1部リーグに引っ張られる形も多いように感じます。
ボリビアのプロ選手の現状、プロのレベルは?
ボリビアでは、プロ選手であっても自営業などの副業を行っている選手もいました。
私が主に活動していたスクレ市のプロチームだと、GKコーチはそのクラブとは別に自分でもサッカースクールや小中学生のチームを立ち上げ、独自に経営、指導を行っていました。私自身、ボランティアとしてそのチームのお手伝いをさせていただきました。
ボリビアの平均月収は5~6万円といったところで(もちろん物価が安い世界ではありますが…)、プロ選手、プロクラブのコーチ達もそんなにはもらっていない様子でした。
なので、有望な若手選手は南米最貧国のボリビアでプレーするよりも、メキシコやチリ、ペルーのクラブに行きたがります。そして、その先はウルグアイ、コロンビア、アルゼンチン、ブラジルを目指している選手が多いようです。
ちなみに私がいた2018年には、ボリビア代表の第一GK(スクレ市出身)がチリのチームからアルゼンチンのボカ・ジュニアーズに移籍し、国内で話題になりました!…が、残念ながら活躍できずでした…。
ボリビアのサッカーは、プロや代表チーム、ユース年代やその下の育成年代でも、その場その場で目の前の結果を求めている傾向がとても強いように感じます。そのせいか、代表監督はもちろんのこと、各クラブの監督も交代が多い様子でした。
さて、ボリビアのプロサッカーのレベルはどの程度なのかというと、標高が日本とは全然違うので一概に比較することは難しいのですが、J2~J3の上位レベルがボリビアのプロ1部リーグと同じくらいという感じを当時受けました。
ですが、現在チュキサカ県(私の任地だった場所です)の1部リーグでプレーしている知り合いの日本人は、J3の下位~JFLあたりのレベルだろうとも言っています…!
次回はボリビアのサッカー環境について、普段の練習内容などをお伝えしたいと思います。お楽しみに!