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「大学でサッカーを続ける」ということ。vol.1

これを読めば全体の構造がわかる!
大学サッカーの新しい地図

高校生プレーヤーが直面する「進路」において、もっともイメージしやすいのが「大学」ではないだろうか。

近年はJリーグで大学出身選手の活躍も目立ち、来る東京五輪に向けたU-21日本代表の主軸を担うのも大学生プレーヤーだ。

では、その「大学サッカー」の仕組みを知っている高校生がどれだけいるだろうか?

知っているようで知らない「大学サッカー」の全貌を、footies!がご案内します!

  • 長友佑都
  • YUTO

    NAGATOMO


    長友佑都


    (ガラタサライ/明治大学出身)
    1986年9月12日生まれ。東福岡高校から明治大学へ。大学入学時は無名だったが、2年次夏のリーグ戦初出場後は全日本大学選抜への選出などメキメキと頭角を現す。3年次にFC東京の特別指定選手に登録され、4年次にはサッカー部を退部しプロの道へ。
  • 小林悠
  • YU

    KOBAYASHI


    小林 悠


    (川崎フロンターレ/拓殖大学出身)
    1987年9月23日生まれ。麻布大学付属渕野辺(現麻布大学付属)高校から拓殖大学に進学。関東2部リーグ所属ながら全日本大学選抜へ選出され、3年次に水戸ホーリーホックの特別指定選手へ登録、Jリーグ初出場を果たすと卒業後は川崎フロンターレに入団。昨年度はJリーグMVPを獲得。
  • 武藤嘉紀
  • YOSHINORI

    MUTO


    武藤嘉紀


    (ニューカッスル/慶應義塾大学出身)
    1992年7月15日生まれ。FC東京U-18から慶応義塾大学へ進学。2年次の夏にFC東京の特別指定選手へ登録。デンソーカップでは2年生唯一のベストイレブンに選ばれ全日本大学選抜へ選出。3年夏にJリーグ初出場を果たし、4年で大学サッカーを離れFC東京に入団した。
  • 室屋成
  • SEI

    MUROYA


    室屋 成


    (FC東京/明治大学出身)
    1994年4月5日生まれ。青森山田高校から明治大学へ。デンソーカップでは全日本大学選抜として1年生で唯一ベストイレブンに選出、翌年のユニバーシアード銅メダル獲得に貢献。3年次にFC東京の特別指定選手に登録されると、4年次にサッカー部を退部しFC東京へ入団。
  • 伊東純也
  • JUNYA

    ITO


    伊東純也


    (柏レイソル/神奈川大学出身)
    1993年3月9日生まれ。神奈川県立逗葉高校から神奈川大学へ。3年、4年次には2年連続で関東2部 リーグベストイレブン、得点王とアシスト王を獲得。デンソーカップでは、関東選抜での活躍が評価され、全日本大学選抜へ選出。卒業後はヴァンフォーレ甲府に加入した。

一朝一夕には築けない、日本が誇る大学サッカーの環境

 大学出身選手の活躍により、その注目度がさらに高まっている 「大学サッカー」。激闘も記憶に新しいロシアW杯日本代表に長友佑都、武藤嘉紀、東口順昭の3選手を送り込み、新生・森保ジャパンのキリン杯メンバー(10月)には小林悠、伊東純也、室屋成、佐々木翔ら6人もの大学出身プレーヤーが選出されている。

 来る東京五輪の主軸となるU-21日本代表には、大会3得点のエース候補・上田綺世(法政大学)、正GKの小島亨介(早稲田大学)ら、大学生プレーヤーが躍動し、銀メダル獲得に貢献した。例年、Jリーグの新加入選手のうち大学卒の選手は過半数を超え、即戦力の人材を育てる“育成機関”としても大学サッカーの評価は高い。

ロシアW杯、アジア大会で躍動した大学(出身)プレーヤー

 高卒、ユース上がりの“U-19世代”がJリーグ入りしても、出場機会に恵まれずに伸び悩む傾向にある近年。豊富な出場機会から着実に実力を育める大学サッカーのカテゴリーは、現在の日本サッカー界において重要な位置を占める。もちろん、大学はサッカーを追求するだけでなく、社会で活躍できる人材育成、人間教育を担う場でもある。大学連盟、大学の指導者・関係者は、高等教育機関としての責務を全うしつつ、現在の環境を構築するまでに、決して潤沢ではない予算のなかで知恵を絞り、長期間のプランのもと、公式戦の充実化を実行してきた。階層化されたリーグ戦、トップチーム以下の選手にも出場機会を設けた「インディペンデンスリーグ(通称Iリーグ)」の設立、1・2年生を対象にした「新人戦」を新設するなど、一朝一夕には築けない、充実した環境を創り上げたのだ。

自ら動いてこそ開かれる大学サッカーの扉

 では、大学でサッカーを続けるのは、どのようにアプローチをすればいいのだろうか。高校でのサッカーの実績を評価する「スポーツ推薦」が連想されがちだが、大学サッカーの門戸は実は広い。一般入試、推薦入試、指定校推薦などサッカーの実績に頼らず入学を勝ち取り、サッカー部のトップチームで活躍している選手は大勢いる。もちろん、スポーツ推薦も、「待っている」だけで得られるものではない。一部を除き、自ら練習会(セレクション)の日程を調べ参加許可を経た上で、合格を掴まなくてはならない。一般入試か ら合格しても、部員数を絞った大学であれば、入部許可を勝ち取る必要もあるだろう。そして「入学・入部」が目的になってしまっては、大学サッカーでの成長もない。どんな指導者がいて、どんな設備があり、どんな練習時間で、どんなサッカーを行っているのか、事前の情報収集は、充実した学生生活を送るために欠かせない要素だ。

 自分の未来を決める4年間、本特集を参考に、キミたちにはしっかりと未来と向き合ってもらいたい。