【素朴なギモンから、悩みごとまで】教えて! 先輩サカママ!
子どもが楽しくサッカーを続けるには?中学サッカーはどうすればいい? 日頃サッカーサポートをする中でギモンに思っていることやモヤモヤした悩みに、4人の先輩サカママが答えてくれました!
【ギモン】01.ジュニア時代、サッカーを通してどんな成長がありました?
メンタルの強さが身についたと実感
息子のジュニア時代は、どしゃ降りの雨や極寒の中など過酷な状況でも、“出番が来たら戦う”という環境だったので、何があっても動じないたくましさ、絶対に折れないメンタルが身についたと思います。息子自身も、そう感じているみたいです(川端さん)。
ぶれない心の軸ができた
ジュニア時代、地元の少年団で楽しくサッカーができたからこそ「何があっても、サッカーが大好き」という、心の軸が培われたと感じています。その基盤があったおかげで、中学時代、ケガをして辛かった時期も乗り越えられたんだと思います(大胡さん)。
【悩み】02.子どもが楽しくサッカーを続けるには、どうすればいい?
親が前のめりになりすぎないこと!
とくに長男の場合、親も何かと力が入ってしまいがちですよね。でもそれが、知らず知らずのうちに、子どもにも伝わっている気がするんです。だから、子どもが楽しんでサッカーをするためにも、親が前のめりになりすぎないことが大事だと思います。少し引いた状態でサポートすれば、親自身にもゆとりが出てくるはずです(西田さん)。
あれこれ触れず、モチベーションを上げる声かけを
「今日の練習は何をしたの?」「課題はできた?」など、口うるさく言っていたのですが、息子が小学6年生の頃、大切なのは“自主性”だと気づきました。遅いですよね(苦笑)。親からは「今日の〇〇、すごかったね!」など、モチベーションを上げる言葉をかける程度で、あれこれ触れないことが、子どもが楽しくサッカーを続けられる秘訣だと思います。思春期になったらとくに注意を(川端さん)。
【悩み】03.試合に負けても悔しがらず、けろっとしているのが気になります。
子どもは切り換えが早いだけ!親が熱くなりすぎないように
低学年・中学年は、その時は悔しいと思っても、切り換えが早いんですよね。1時間もすると普 通にふざけて遊んでいたりしますから。ある意味、メンタルが強いのかもしれないですね。男 の子の場合、本当は悔しくても見せないようにしていることもあるので、気にしなくても大丈 夫だと思います。逆に、親のほうが熱くなりすぎて「あの時に1点入れば…」など、子ども以上に 落ち込んでひきずってしまうと、家庭の雰囲気も悪くなってしまうので気をつけて(大胡さん)。
【ギモン】04.ケガをしてサッカーができない時、どうしてました?
何も言わず好きにさせて、家族の時間を増やすように
サッカーができなくてストレスが溜まっているから、あえて何も言わず好きにさせていました。ケガが治ったらサッカーできるとわかっていてもボールを蹴りたがるので、家の中でリフティングはさせたり(苦笑)。「サッカー」という言葉を出すと、気にしてしまうと思い、口には出さないように気をつけてましたね。ケガの時期は大変ではあるものの、休養ができてよかったですし、一緒に出かけたり家族の時間を増やすことができました(中里さん)。
普段できないことをして身体づくり
ストレッチやイメトレ、サッカーダンスなど普段できないことをしていました。休んでいる間にできることは、たくさんあると思います。何よりも、オーバーワークになっていたのが、ケガにより休息できて、身体づくりにつながった気がしています(川端さん)。
試合には出られなくても応援に!
試合には出られなくても、送迎してベンチ外から応援するなど、チームから疎外感を受けないような環境づくりを親としては心がけていました。チームの監督から「気軽にグラウンドに顔を出すように」と言葉をかけられ、ケガをしている間も自分はチームの一員だという気持ちが、モチベーション維持につながったんだと思います(大胡さん)。
【悩み】05.ママは一番のサポーターなのに、実際はマネージャーになってます(涙)。
マネージャーができるのは、ほんの一瞬
マネージャーでいいと思います!マネージャーをさせてもらえるのは、ほんの一瞬なので、思う存分やるべき。今の時期が過ぎれば「あの時、よく頑張った!」と思えるようになりますから(川端さん)。
今しかできないから楽しんで!
マネージャーのように色々とサポートできるのは、今しかできないことなので楽しんだほうがいいと思います。今、息子は寮に入ってしまったので、何もできなくて寂しいくらいです(中里さん)。
子どもと向き合える大切な時間
サッカーは子どもの世界だから、サカママは熱が入りすぎないマネージャーのようなサポートが一番ですし、子どもと向き合える大切な時間だと思います。マネージャーになることで、モチベ―ションを上げる術など色々な知識も年々増えていきますからね。日々の送迎は本当に大変ですけど、子どもが楽しくサッカーができていればいいかなって。私自身、コツコツサポートしてきたことが、やっと今、つながってきたと感じています(西田さん)。
【悩み】06.試合に出れない日々が続いています。どんなサポートをすればいいですか?
「チームのためにできることをやろう」という声かけを
息子はキーパーで、チームに5人いたので、中々試合に出れない時期があったんです。当時のことを息子に聞いてみると「あの時は本当にきつかった」と言ってましたし、見ている私も辛かったですね。でも、いつも「試合に出れなくてもチームのために何ができるのか」というのを2人で話し合い、必ず「チームのためにできることを全力でやろうね」と送り出していました。互いに辛いことは口には出さず、私自身は前向きな言葉をかけるように心がけていました(川端さん)。
【ギモン】07.中学サッカーのことは、いつ頃から考えました?
小学4年生頃から視野に!
クラブチームに所属していたこともあり、小学4、5年生になると、J下部(Jリーグクラブ下部組織)の強化クラスのセレクションを受ける子が大半でした。息子もセレクションを受けて合格し、強化クラスに通いながら、チーム活動も継続。でも、J下部の上には進めず、「J下部でなければ、サッカーを辞める」とまで言っていたのですが、コーチの説得もありジュニアユースのチームへ。結果的に強豪チームに入れ、サッカーを続けることができてよかったと思っています(川端さん)。
【ギモン】08.中学でサッカーを続けると大変ですか?
時間配分の工夫が大変
日々、時間がないという印象です。だから、勉強は家ではやらず、全部学校で終わらせてくるのを徹底しています。中学はサッカーと勉強との両立になるので、時間配分を工夫するのが大変な気がします(川端さん)。
塾に行く時間がない!
ジュニア時代は、サッカーだけに没頭していても大丈夫ですけど、中学では勉強との両立が大変だと感じています。塾に行く時間はないし、みんなどうしてるんだろう(苦笑)と思ってます(西田さん)。
テスト期間中も練習が…
部活の場合、テスト期間中は練習が休みですけど、クラブチームは関係なく練習があるんですよね。テストがある時は、早めに帰っていいと言われているらしいんですけど、息子の性格なのか、中々言い出せなかったらしく(苦笑)。先に帰ったら、差がついてしまうという気持ちもあったみたいで、テスト期間中、早く帰ってくることは、ほとんどなかったですね(大胡さん)。
親はノータッチに!
チームのお手伝いは全くなくなりますね。基本的に親はノータッチで、送迎も自分でやらないといけなくなります。サカママ同士のつながりもなくなり、会うのは食育などの勉強会くらい。チームによっては親同士が繋がってはいけないというケースも(中里さん)。
“サカママ”になってよかったですか?
子育てだけでは味わえない経験ができる!

西田奈緒さん
長男(中学3年生)
クラブチーム
中学生になってから同点になればリーグ昇格が決まるという試合で、最後の5分で同点に。選手たちの熱気がすごく伝わってきましたし、息子も帰ってくると笑顔で「だから、サッカーは辞められない」と。子どもを3人育てていますが、全力で頑張る姿やアツイ気持ちがこんなにも伝わってくる経験は、中々できないと思っています。
たくさんの感動をくれたことに感謝

川端里実さん
次男(中学3年生)
クラブチーム
ジュニア時代は応援に行く度に、サッカーにすべてを捧げて頑張っている子たちが全力で取り組んでいる姿を目にし、心が動かされました。息子にはサッカーを通してたくさんの感動をくれたことに感謝しています。1週間毎日サッカーの送迎は、体力的には大変でしたが、耐える力や見守る力がつき、強くなったように感じています。
スポーツを通して成長することを実感

大胡 縁さん
長男(高校1年生)
高校サッカー部
我が子のチームと関わることで、改めてサッカーのおもしろさやチームスポーツの魅力を知りました。目標を決めて努力し、勝ち負けがあり、その中で成長していくということを実感。サカママになって、年齢も育った環境も違うチームの保護者の皆さんと喜怒哀楽を共にできたのもよかったと思っています。
保護者も一致団結できるのがいい

中里美夏さん
長男(高校3年生)
全寮制の高校サッカー部
ジュニア時代、長男はコーチが地方のチームに行ってしまい、サッカー熱が冷めてしまったんです。でも、声をかけてもらい、そのチームに通うことに。だから、送迎は大変でしたけど、子どものサッカーの試合はやっぱり楽しいですし、応援している保護者も一致団結できるのがいいですよね。
イラスト/熊野友紀子