サッカージュニア&サカママに伝えたい!山田耕介監督10のコトバ
今回の取材で、前橋育英高等学校サッカー部・山田耕介監督が残してくれた名言の数々。その中から、心にとめておきたい10のコトバをご紹介します。
01.人間力にスキルは関係ない
「選手の総合力=(技術力+身体能力)×人間力」。これは、私が考えた選手の総合力を測る公式です。人間力とは、胆力(芯の心の強さ)、包容力(優しさ・気づき)、自立からなるもの。どんなに優れた技術、恵まれた身体を持っていても人間力が0であれば、選手の総合力は0。人間力がすべてです。スキルに人間力が加われば、飛躍的に選手は伸びていくでしょう」
02.人のせいにせず、自分自身に矢印を向ける
「自分自身と向き合い、できないことにチャレンジしていく強い意志を持つことが、成長につながっていきます。『これ以上無理』『諦めよう』と思った時に自分自身に矢印を向け、あと一歩前へ進めば自分の限界も広がっていくでしょう」
03.考えたことは、すぐに行動する。失敗したら、またチャレンジすればいい
「私は『やればできる』という言葉が大嫌いです。頭の中で考えているだけで、何もしないのが一番よくないからです。自分には何ができて、何ができていないかを考えたら、行動を起こすことが重要。行動して失敗したら、なぜできなかったかを考えて、またチャレンジする。その繰り返しが成長につながっていくのです」
04.SKILL(技術)もWILL(意志)も大事
「サッカーにとって技術を身につけることは必要です。でも、技術や能力があっても、自分自身に負けてしまったら成長することはできません。弱い自分に打ち勝つ強い意志と、一歩踏み出す勇気を持ってほしいと思います」
05.強い意志を持って、努力する選手が伸びていく
「ミスを注意しても、それを聞き流す選手はまた同じミスを繰り返します。伸びていく選手は、決して同じミスを3回連続はしないのです。それは、強い意志を持って努力をするからです。自分に負けず努力できる選手が成長していきます」
06.気づきの心があれば、色々なことに気づいていける
「人間力に欠かせない『気づきの心』があれば、周囲の人の心の変化だけでなく、様々なことに気づいていけるように。それは、人格を築くことにもつながっていきます。自分よがりではダメ。チームメイトや指導者、両親…まわりの人に優しさ、思いやりを持つことが大事です」
07.失敗は、新たな学びに!試合に負けることも大切
「試合に負けることはダメじゃない。そこから学び直し、負けた原因を考えて行動すればいいのです。たとえ試合に負けても挫けないこと。敗北や挫折、失敗は、子どもたちが成長するための一番良い教材ではないでしょうか」
08.色々な角度から子どもを見る
「親御さんは、どうしても子どもを決めつけてしまいがち。でも、色々な角度から子どもを見ると、新たな部分がわかってくることがあるのです。それは、子どもの伸びしろを見つけてあげることにもつながります。私自身、つねに選手たちのことは色々な方向から見るように心がけています」
09.本気を根気強く
「指導者にとって、選手と本気で向き合い、何度も同じことを言い続ける根気が大事です。また、子どもたちは、教わったことを理解し、練習を根気強く積み上げていくこと。毎日一歩ずつ頑張れば、1年で365歩。その積み重ねこそが成長につながっていくでしょう」
10.子どものダメな部分は怒っていい
「自分勝手なプレー、規律を守らない、チームメイトに迷惑をかける…親御さんは子どものダメな部分を見つけたら、怒っていいと思うのです。ダメな部分を直していくことで子どもは成長していきます。本気で怒ってあげられるのは、お母さん、お父さんしかいないのですから」
写真/金子悟