サッカーにつながる〝思考の習慣〟を大切にしてみよう!【大槻邦雄の育成年代の「?」に答えます!】
サカママ読者の皆さま、こんにちは。大槻です。
11月も終盤に入って一気に寒さを感じるようになってきました。
冬場に差し掛かり、育成年代のサッカーも各カテゴリーの全国大会の時期になってきました。惜しくも敗戦してしまったチームの選手の皆さん、悔しい気持ちもあるかと思いますが、敗戦から学ぶことも多いと思います。大好きなサッカーです。次の目標に向かって準備をスタートさせてください。
さて、今回は『サッカーにつながる〝思考の習慣〟を大切にしてみよう!』 というテーマでコラムを書いてみました。サッカーも人がやることです。その人の思考や習慣によって行動基準が作られていきます。そんな視点で考えてみてください。
日常にあるちょっとした違和感に気が付くこと
子どもたちには「日常のちょっとした違和感に気が付くように」と話をしています。
例えば家庭でもよくある光景かもしれませんが、飲んでいる途中の飲み物を冷蔵庫に片付けないとか脱いだ服がそのままになっているとか…そういう生活の中にあるちょっとした違和感というか、やっておかないといけないよなっていうことがあると思います。
でも〝誰かがやってくれるだろう〟とそのままになってしまったり、そもそも気にしていなかったり。そういう日常の中でのちょっとしたことに違和感を持てるかどうか? は、実はサッカーにも影響するものなんです。
もちろんそういった場面は家庭だけでなく学校でもありますよね。係の仕事や委員会、提出物などやらなければならないことも多いと思います。その時々でさまざまな事情もあると思いますが、そこに向き合えるか? というマインドの部分はご家庭でも働き掛けてほしいポイントです。
サッカーの現場でいえば、練習や試合の前にボールや備品の準備をするところからスタートします。積極的に取り組む子もいれば、誰かがやってくれるだろう…とやっているのか、やっていないのか分からない子もいます。しかし、そういったことにしっかりと向き合える子は必ず良くなっていくんですよね。
損得で考えない雰囲気を作る
年代が上がっていくと、子どもたちの中には「あいつはいつもやってない」と言い出す子も出てきます。たしかに備品の準備や片付けなどは表には出てこない仕事ですから、やっている子が損をしている感覚になってしまうこともあるでしょう。そういったマインドの部分を仲間同士で評価するということは、高校生くらいにならないと難しいかもしれません。
しかし、誰かがやらないとスムーズに進んでいきません。損するだとか、得するだとか、そういう感覚を持つのではなく、自分のやっていることに意味があるということ、またやってくれた人への感謝の気持ちを持つことを周囲の大人がしっかりと伝えていくことが必要です。
そしてその習慣の先に『今、何をしなければならないのか』を自分で考えて行動する力が身に付いていくものだと思います。
サッカーも人がやること
なぜ、日常のちょっとしたことに違和感を持てるかということがサッカーに影響するかという話に戻ります。
忘れてはいけないのは、サッカーも人がやることなんです。
ですから、その人の思考や価値観がそのまま行動選択の基準になっていきます。
試合は刻々と変化していく状況の中でピンチやチャンスを繰り返します。自分のやりたいことばかりをしていても、チームは機能的に動いていきません。
試合の中での違和感に対して、動き出さなければならないことがたくさん出てくるわけです。『あっ、ピンチになりそうだな』とか、『あのスペースが空いているな』とか、『フォーメーションが変わったな』とか、『あの子は左利きなんだな』とか。そういう違和感やゲームの中で起こっていく変化を感じ取る力が必要になってきます。
しかし、日常生活の中でのちょっとした違和感や変化を感じて、自ら動き出す習慣がないのに、サッカーのときだけ積極的になれるか、といったらそう簡単にいきませんよね。もちろん、チームの中で育まれることもありますが、まずは日常、つまりはご家庭での働き掛けが考える基準になるのは間違いありません。
サッカーの現場だけでなく、日常の生活や学校の中にあるちょっとした違和感をそのままにせずに、ゆっくりと向き合わせていくことがサッカーでの成長にもつながっていくと思います。
ぜひ、ご家庭の中で役割を与えて〝これはやらないといけないよね〟というポイントを作ってみてください。
まとめ
何度も同じことを言ってしまいますが…
サッカーも人がやることですから、その人の思考や価値観が行動選択の基準になっているのは間違いありません。
学校や日常の生活の中での子どもたちの様子をしっかりと見てあげてください。
日常の中で正さなければならないな…と感じるようなことがあれば、少しずつで良いのでそこに向き合ってみてください。
その小さな習慣の積み重ねが、サッカーをプレーするうえで大切な土台になるはずです。