“大学サッカー受験のススメ”先輩が語る 大学サッカー一般入試『合格』秘話
大学でサッカーをするにはどんな入試方法があるだろうか。一般的には「サッカー推薦」「AO入試」「一般入試」の3つに分けられる。今回は一般入試で筑波大学に合格し蹴球部で活躍する先輩をクローズアップする。難関国立大でありながら、大学サッカーの最高峰リーグ関東リーグ1部優勝16回の超名門は、三笘薫をはじめ数多くのプロ選手を輩出してきた。勉学とサッカーの両立を高いレベルで求められる難関入試を突破した要因について聞いた。
小川遼也(おがわ りょうや)
2004年5月21日 富山県生まれ DF/184㎝/84㎏
筑波大学体育専門学群/2年生 ⬅ 県立富山中部高校(カターレ富山U-18)
入試方法:個別学力検査等(一般選抜)前期日程…大学入学共通テスト(一次)と個別試験(二次)の得点を合わせて合格者を決定
❶志望理由
“サッカー選手と医者” 夢を諦めない両立を目指して
自分には“30歳くらいまでプロサッカー選手として活躍し、引退してから医学部に入り、医者になる”という目標があります。医者をしている両親と祖父は「何にでもなっていいんだよ。新しい景色を見せてほしい」と応援してくれていて、サッカーと勉強の両立を諦めずに全力で取り組むために、大学進学を選びました。中学、高校と頑張ってきた勉強を無駄にせず、サッカーにおいても高いレベルで成長を続けられる環境として、高校一年生の冬の段階で筑波大学を志望しました。
❷高校生活
50:50ではなくどちらも100。それぞれの仲間を見て奮起
両立と一言でいっても、時期によって熱量に差が出来てしまうことがあります。例えば学校のテスト期間や、夏のクラブユース選手権の時期などですね。そういったときに心がけていたのが「100を50:50で考えるのではなく、どっちも100で頑張る」ということです。どちらかに偏って自分の可能性を制限したくなかったので、常にどちらにも全力で取り組んでいました。それぞれの環境で仲間の影響はとても大きかったと思いますね。ユース(カターレ富山U-18)に行けば、みんなサッカーに全力を注いでいて、学校では東大を目指すくらい勉強に熱心な人たちに囲まれている。どちらも高い水準で、努力をする人が認められる環境がそろっていたからこそ、自分もモチベーションを維持できたのかなと思います。
❸入試対策
実技試験に向けて引退後も走り続けた受験期間
受験に向けた勉強は、ユースの公式戦がすべて終わってから始めると決めていたので、プリンスリーグ北信越の最終節を終えた10月中旬から入試対策をスタートしました。筑波大学体育専門学群の入試は、共通テスト(一次:国語、英語、数学、理科、社会)と個別試験(二次:体育実技、保健体育の小論文)の点数の合算になっています。二次試験の実技ではサッカーと1500M走を選択したのですが、タイムの合格基準とされているのが4分半で、当時の自分の記録がちょうど5分くらいでした。「今のままではいけない」と思い、ユースを引退してからは朝5 時半に起きて、1時間走りの練習に取り組んでいました。
❹大学生活
ひたむきに努力できる環境で、将来を見据えた勉強に取り組む
筑波大学蹴球部は、ベクトルは違ってもサッカーに対する熱量が大きいメンバーが集まっているなと感じています。試合に出ている選手はもちろん、トップチームでなくても“蹴球部のために”という想いを持って、各々がひたむきにできることに取り組む。そういった姿勢にはいつも刺激をもらっていますね。卒業してからは、日の丸を背負うセンターバックとしてプレーした後、引退して医者になるというところまで見据えて今から勉強に取り組んでいます。学生の皆さんには、自分の可能性を制限せず、頑張りたいと思うことには“やれるところまでやってみよう”という精神を持ってほしいですね。
小川先輩による『合格』の三箇条!
・将来を見据えた大学を志望
・実技試験対策は朝を活用
・勉強・サッカーどちらも100%で!
写真提供/筑波大学蹴球部