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練習のしすぎが原因に!? 成長期に気を付けたい「スポーツ障害」とは?

練習のしすぎが原因に!? 成長期に気を付けたい「スポーツ障害」とは?

今年の夏休みは、パリオリンピックに始まりサッカー国際試合、高校野球観戦とスポーツの熱さを毎日のように感じることができた有意義な夏になりました。選手のみなさんのエピソードを聞きながら、競技を続けるなかで避けては通れないケガについてもあらためて考える機会になりました。

スポーツにおけるケガには「スポーツ外傷」「スポーツ傷害」の2種類があります。今回はオーバーユース=運動のしすぎによるケガで起こる「成長期のスポーツ障害」についてお話ししたいと思います。

練習のしすぎがスポーツ障害の原因に!?

大体の子どもたちは、スポーツ始めたころは遊びの延長といった形で「みんなで楽しみましょう!」がほとんどだったと思います。そこから年齢が上がるにつれてそれぞれのスポーツの競技性が高まり、専門のコーチや指導者ライセンスを持ったコーチたちから本格的な指導を受ける機会が多くなっていきます。

サッカーでも、所属チームの練習だけでなく個人の技術向上のために専門のスクールに通ったり、昔よりもより専門的な指導を受けられる環境が整っていると思います。しかし、競技力が向上し練習量が多くなると、成長期の子どもの小さな体には負荷がかかりすぎてしまい(オーバーユース)、スポーツ障害を引き起こす場合があります。

我が家の息子も小学4年生〜5年生頃に「もっとサッカーが上手くなりたい!」と、親としてはその気持ちが嬉しくて、いろんなことに挑戦させたいと思い数種のスクールに通っていました。ですがそれがオーバーユースとなり、腰の痛みやかかとの痛みを訴えることがありました。

専門医に診てもらい、いずれも腰椎分離症、シーバー病の手前の予備軍だと診断されました。成長期の小さな体には負担になっていたのだと、恥ずかしながら息子の体に変化があってから気付かされました。良かれと思っていたことが知らずともケガの原因になっていたのがショックでもありましたし、もっと気を付けてあげていればと後悔したのを思い出します。

ケガを未然に防ぐためにできること

親や指導者に専門的な知識があり、練習後のケアやストレッチについてしっかりと指導して行っていればケガも少ないと思いますが、個々の体の特徴もあるので、まずは子どもの身近にいる親がケガについて意識し、見守ることが必要だと思います。

成長期は骨が先に伸びるため、筋肉の伸びが骨の成長に追いつかず、筋肉が張った状態が続きます。それを放置して同じようにトレーニングを続けると、張っている筋肉に強い負荷がかかり続けるため、筋肉や関節が炎症を起こしてしまいます。成長期の子どもの骨や関節は大人よりも構造的に弱く、強い牽引力や圧迫などで損傷しやすい状態です。

女子は10歳前後、男子は12歳前後がこういったケガを起こしやすい時期といわれています。そのため、練習前のウォーミングアップは、筋肉の緊張を取るという意味でとても重要です。練習後のダウンは、筋肉にたまった疲労を取り除くためのストレッチ・アイシングが大切になってきます。

普段から継続して行うのは
・十分な睡眠時間を確保する
・バランスの良い食事を取る
調子が良くないときは、体をしっかり休めるなどケガ予防に努める意識を持つことが大切ですね。体をケアする時間は練習と同じくらい大切であり、筋肉を柔らかくほぐしてあげることが必要です。

サッカージュニア期に多いケガは?

オスグッド病

膝のお皿の下あたりが隆起し、膝を曲げたときに痛みが出る。原因は太ももの筋肉の硬さによるもので、膝のお皿の骨に、太ももの筋肉が着いています。その筋肉が硬くなり、伸びにくい状況で膝を曲げて伸ばす動きを続けることで付着している部分が引っ張られ、剥がれそうになり痛みが出ます。

腰椎分離症

腰の骨(腰椎)が、前側と後ろ側で割れて分離してしまうこと。腰を反らす、捻ると痛みが出ることが多く、ジャンプや腰を反る動きによる疲労の蓄積が原因で起こる、疲労骨折の状態です。

シーバー病

かかとを押すと痛みがあり、運動時や歩行時に影響があります。原因はふくらはぎの筋肉の硬さにあります。アキレス腱とその先にある腓腹筋やヒラメ筋が硬くなり、かかとの骨と付着しているアキレス腱が引っ張られる際に付着部が剥がれそうになることで痛みが出ます。

筋肉量や体のバランスを計測してもらっている息子

ケガを未然に防ぐための知識、対策を身につけることで、さらにその競技の楽しさを高めることができると思います。サッカーだけでなく、運動を続ける限りケガはつきものですが、成長期の子どもは可能な限り大人が一緒にケアしてあげられるといいですね。

また、子どもの体の特徴、クセなどを把握すると対策が講じやすいと思います。我が家は、スポーツイベントで体の筋肉量、バランスを計測する体験を利用させてもらったり、足底圧を計測してインソールの活用を検討したり、無料で気軽に体の特徴を把握していました。お子さんのケガを未然に防ぎ、安全に競技力を高める参考になれば幸いです。

WRITER PROFILE

chie
chie

サカママ歴6年のママです。
看護師、食生活アドバイザーからの視点で、サカママとして気をつけている事をお伝えできたらと思います。
子どもたちが夢中になっていることを全力で応援しともに楽しむ!
そんな時間を作るべく日々奮闘しています。

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