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【サッカー上達のために「正しい姿勢」を身につける】姿勢について知りたい7つのキホン

サッカージュニアが正しい姿勢で日々を過ごせるようになるために、姿勢の基本を知っておくことも大切。「正しい姿勢って?」「骨と姿勢の関係は?」など、意外と知らない姿勢の基礎知識をレクチャーします!

キホン1 
そもそも正しい姿勢って?

 

横からみた時に、耳、肩先、腰の横にある出っ張った骨(大転子)、膝のお皿の後ろ側、くるぶしが一直線になっているのが正しい姿勢です。頭、体幹、足の重心がまっすぐ一直線上にあり、筋肉への負荷が偏らない姿勢ということです。

キホン2 
悪い姿勢で一番多いのは?

 

子どもに限らず、大人も含め、悪い姿勢で一番多いのは「猫背」です。猫背は、肩や耳たぶが前にでている姿勢のこと。また、小学校高学年から中学生にかけて増えるのが、腰が反って、下腹がぽっこり前にでる「反り腰」です。反り腰によって腰まわりの負担が大きくなり「腰ようつい椎分ぶんりしょう離症(腰の骨の疲労骨折)」になる子も多くみられます。

反り腰を改善するには?

反り腰は、腰まわりの筋肉が硬くなり、腹筋が弱まっています。反り腰を改善するには、まずは腹筋をつけること。また、太ももの裏とお尻の筋肉を強化し、腰まわりの筋肉をゆるめることも大事です。

キホン3 
成長期の子ども。骨と姿勢は関係するの?

そもそも姿勢は、骨の形状ではなく、骨を支えている筋肉が影響します。悪い姿勢は、背骨の周りについている筋肉の前と後ろ(または対角線上)のどちらかが硬くなり、もう一方が弱まっている、つまり筋肉のアンバランスによっておこるのです。成長期は、骨が縦に伸びていくので、筋肉や腱も同じように伸びていかなければいけません。ただし、筋肉は何かしらの刺激が加わって初めて変化するので、骨が先に伸びていき、多少変化にギャップが生まれます。そのため、どうしても筋肉のほうが短い状態となり、骨に筋肉がひっぱられ、姿勢が悪くなる場合もあります。骨と筋肉の成長のバランスが関係しているといえるでしょう。

キホン4 
子どもの姿勢をチェックする方法は?

 

子どもの姿勢を確かめたい時は、壁の前にぴったり立った状態を見ることです。ただし、子どもに「姿勢をチェックするよ」と声をかけてしまうと、普段と違う姿勢をしてしまう場合が多いので、「壁の前に立ってみて!」と声をかけるのがポイント。その時に、明らかに肩が大きく壁から離れていたり、あごや肩が前に出ている場合は、猫背の可能性大。また、壁から腰が大きく浮いていたり、腰まわりが前にでていたら、反り腰といえるでしょう。

 

キホン5 
姿勢を左右する“骨盤”の位置ってわかるもの?

骨盤と背骨は連なっているため、正しい姿勢にとって骨盤は重要です。骨盤がまっすぐ立っている状態であれば、自然と姿勢はよくなります。けれど座っている時、多くの人は無意識に骨盤が後ろに倒れ、とくに猫背の人は後ろに傾いているといっていいでしょう。

自分で正しい骨盤の位置を知るには、まず浅く椅子に腰をかけて、腰を丸めたり、反る動作を繰り返します。というのも、骨盤を後ろに倒すと腰は丸まり、骨盤を前に倒すと腰が反っている状態になるからです。骨盤を前後に動かし、その中間が正しい骨盤の位置、つまり骨盤が立っている状態です。骨盤の位置が正しいと、骨盤の下の坐ざこつ骨結けっせつ節(太ももの裏の骨がついている場所)が座面につき、頭から坐骨結節がまっすぐの状態になるはずです。まずは、骨盤の正しい位置を自分の身体で把握し、日常生活で骨盤をまっすぐにすることを意識しましょう。

キホン6 
正しい姿勢は、どんなふうにプレーに影響するの?

 

プレー中の姿勢をみると、姿勢がいい選手は、例えば相手にアプローチにいく際、すぐにスクワットの姿勢がとれるものです。また、足と骨盤の動きに対して上半身がぶれることなくプレーできるのです。一方、猫背など姿勢が悪い選手は、頭が下がったり、首が前に出てしまい、どうしても動きのバランスが乱れてしまいます。つまり、間接的ではあるものの、正しい姿勢はプレーに影響しているのです。日頃から正しい姿勢でいれば、プレー中、スクワットのポジションを瞬間的に正しくとれるようになるはずです。

また、姿勢がいいと一つ一つの動きに無駄な力を使うことなく、プレー全体を通しても効率よく動けるので、疲れにくいというのも特徴です。

キホン7 
体幹トレーニングをしたら、姿勢が改善されるの?

体幹とは、胴体部分のこと。つまり、腰部、腹部、胸部、背部、臀部が体幹です。体幹には、深部にある、骨盤や背骨などの骨格を支える筋肉「インナーマッスル」と、表面にある、身体を動かす時やスピードを出す時に使う「アウターマッスル」があります。一般的に言われている体幹トレーニングは、これらの筋力を改善するトレーニングのこと。先にも述べたように姿勢の悪さは、筋肉のアンバランス(こわばりと弱まり)によっておこるので、筋力を改善するトレーニングだけでなく、ストレッチをして筋肉を柔らかくすることも必要なのです。


写真/岩波純一、編集部他
イラスト/此林ミサ