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パフォーマンスを発揮するための、「正しい感情の扱い方」

パフォーマンスを発揮するための、「正しい感情の扱い方」

元プロサッカー選手で現在はメンタルトレーナーとして活動する山下訓広さんによる連載第26回目。本来のパフォーマンスが出せていない時、自分の感情をコントロールしようとしていませんか? 今回のテーマは、「感情が揺れ動いた時の正しいマインドセット」についてです。

平常心を保ちたい

先日、中学1年生のA君からこんな相談がありました。
「いつも感情的になってしまってうまくプレーできなくなります。もっと感情的にならずに平常心でプレーしたいのですが、どうしたらいいですか?」

どんな時に感情的になってしまうのか聞いてみると、「僕はゴールキーパーなのですが、負けている時にかなりイライラしちゃって平常心を保てなくなります。あとは自分のミスで危ない場面を作ってしまった時も、焦っちゃって平常心ではなくなってしまいます。親やコーチから『平常心でいつも通りやれば大丈夫だから』と言われるので意識しているのですが、ほとんど平常心でプレーできないです」

A君の話の中であるように、負けている時やミスを起こした時に大きく感情が動くことがあります。人は常日頃から感情が動いています。小さな出来事でも、日常では毎日感情は動いており、自分で認識していなくても感情は動き続けているのです。平常時と同じように保とうと思えば保てるものではなく、何か物事が起これば常に動き続けます。

ではA君にとって平常心はどのようなものなのか聞いてみました。
「落ち着いてプレー出来ていて、自分のやることに集中できているような感覚があります」そうなると感情的になったときは落ち着こうと考えていますか?
「はい。とにかくまずは落ち着こうと考えてプレーに集中しようと思うのですが、イライラしている時は余計にイライラしてしまってプレーに出てしまう気がします」

この会話で見えてくるのは、A君は感情を思考でコントロールしようとしています。これがパフォーマンス低下の大きな原因となります。感情と思考が不一致を起こした時に脳はストレスを感じます。イライラしている感情に対して落ち着こうと真逆の思考を巡らせている状況です。

脳は人にとってのコントローラーの役割をしています。そのコントローラーがストレスを感じうまく動かない状況になると、もちろんパフォーマンスも出しづらくなります。それではこの時、どのようなマインドセットをしていけばいいのかご紹介していきます。

 

感情をコントロールするのではなく、受け入れること

まずは自分の感情に気づいてもらいます。そして今自分がその感情になっていることを認識してもらいます。『今イライラしているな、今焦っているんだな』というような形です。この認識をしてもらうことは、自分の感情を受け入れることに役立てられます。

感情をコントロールしようとするのではなく受け入れてもらうことが、感情と思考の不一致を防ぎます。受け入れてもらった後は何に思考を向けるかというと、自分がやるべき行動です。

そこでA君に具体的にどんな行動をできている時が自分の思ったパフォーマンスを出せているのか聞いてみました。
「常に全員のポジションを把握するために声をかけながら周りを見ています。あとはボールと自分の立ち位置を確認しながらシュートに反応できるようにすると、良いプレーができていると思います」
A君は感情を受け入れて自分の行動に意識を向けるようにしてみると言って、メンタルトレーニングを終えました。

すると3週間後A君からこんな答えが返ってきました。
「試合中の感情に自分で気づけるようになりました。そこで感情をどうにかすることを考えずに行動に意識を向けてみたら、集中できている感じがしてめちゃくちゃプレーしやすかったです!」

 

感情の扱い方を考える

このように感情と思考の不一致を起こさせないことがプレーに集中する第一歩となります。試合で活躍することが本来の目的であるのに、平常心を保つことが目的になってしまうと集中も乱れ、ストレスも感じやすくなります。

感情の扱い方を考え、自分の行動を整理して意識を向ける先を考えていく。お子さんのこんなところをサポートしてみると、プレーすることにより自信がつけられるでしょう。

WRITER PROFILE

山下訓広

1986年5月29日、千葉出身
流通経済大学付属柏高等学校、流通経済大学卒業後、J2 ロアッソ熊本に入団。
ロアッソ熊本退団後、シンガポール、ミャンマー、インドネシアと東南アジアでプロサッカー選手として活躍し11年間のプロ生活を経て、現在は株式会社43Labに所属しメンタルトレーナーとしてトップアスリート、ビジネスマン、ジュニアアスリートに向けたメンタルトレーニングを行っている。

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