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第2回 サッカーにおけるゴールキーパーとは

第2回 サッカーにおけるゴールキーパーとは

皆様こんにちは!元なでしこジャパン(サッカー日本女子代表)でゴールキーパーコーチの秋山智美です。
前回(第1回 ゴールキーパーは楽しみながら成長できるポジション )は、ゴールキーパーというポジションを選んだキッカケなどをご紹介しましたが、第2回ではゴールキーパーとは、どのようなポジションなのかについてお話ししたいと思います。皆様にゴールキーパー(以下、GK)というポジションを理解していただけたら嬉しいです!

 

『唯一』がたくさんの特別なポジション

よく耳にするのは、ミスをしたら即失点でGKのせい・怖い・痛い・汚れる・孤独、そしてキーパーグローブなどの用具が高い! (笑) そんなネガティブに思われがちなGKを私は真逆の感情のポジティブで『唯一のポジション』と理解してプレーしてきました。

それは

  • 1人だけユニホームの色が違う
  • 1人だけキーパーグローブの着用が許されている

他にも唯一GKは

  • キャップをかぶれる
  • 長ズボンを履ける
  • 膝や肘、腰に対してのパットの着用が許される
  • 自陣ペナルティエリア内では手を使ってボールを扱うことができる
  • チームの1番後ろから仲間や相手の様子を見ながらプレーすることができる

など…多くの『唯一』が認められるそんなポジションなのです!

 

ゴールキーパーで得られるもの

そしてそんな唯一のポジションから私自身が学べたこと

  • 責任感を持ってプレーすること
  • リーダーシップ
  • コミュニケーションスキル
  • 決断力
  • 仲間を想う想いやり
  • 物や人への感謝の気持ち
  • 謙虚さ

など…沢山の事を学ぶことができました。

また、「ミスをしたらどうしよう…」を、成功させる為にはどうすればいい?
「失点したらどうしよう…」を、いいシュートストップができるにはどうすればいい?
など、ネガティブな感情をポジティブな感情に変化させる能力も身につけることができます!

 

ゴールキーパーだけの体験

ヨーロッパでは、子どもたちが競って憧れる花形のポジションでもあるGK。トップカテゴリーでは、フィールドプレーヤーよりもウォーミングアップを先にスタートすることができるかっこいいポジションなのです。

私も現役時代、早めにグラウンドに出てウォーミングアップを始めると、サポーターの皆様から『秋山コール』をしてもらえてものすごく嬉しく、鳥肌ものでした。今でもあの感動は忘れられません。

 

チャレンジして、楽しんでみよう

現在、小学生・女子高校生・女子大学生のGKコーチをさせて頂いていますが、体験に来られた子はみんな「こんなにキーパーが楽しいと思わなかった!」「コーチ楽しいね!」「フィールドだけどキーパーやりたい!」と言ってくれる子が多いです。現役生は毎日のGKトレーニングを楽しみながら、時には大爆笑しながらプレーをしていますが、みんな不思議と急成長しています。

ネガティブをどうポジティブに変えていき、実行していくか。そしてそれを楽しみながらトレーニングすること。ここが1番の成長ポイントなのではないかなと感じております。

是非、1人でも多くのGKをプレーする選手たちにこの素晴らしさやかっこよさ、楽しさ、やりがいのあるポジションであることを理解してもらいたいです。それと同時に、保護者の皆様には「うちの子がミスしたらどうしよう…」ではなく、子どもなりにチャレンジしていると思うので、ぜひ全力で褒めてあげてほしいです!

お子様にとって永遠の1番のファンサポーターは保護者の皆様です!! その1番のファンサポーターに褒めてもらえると、子どもはめちゃくちゃ嬉しいですし、成長に繋がっていきます。大人でも認められたら嬉しいですよね。1日1個褒め合いごっこも楽しいかもしれませんね。私もチャレンジしていきたいと思います!

 

WRITER PROFILE

秋山智美
秋山智美

2001年に本庄第一高等学校から田崎ペルーレFC(現TASAKIペルーレFC)でプレー。U-19日本代表として第一回アジア大会優勝を経験し世界大会にも出場。2006年には、なでしこジャパン(サッカー日本女子代表)にも招集。同年に現役を引退し、2008年から尚美学園大学女子サッカー部のGKコーチ、2021年以降は東久留米総合高等学校女子サッカー部、十文字学園女子大学サッカー部のGKコーチとしても活動中。