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保護者が気をつけたい進路選択のサポート方法とは?【大槻邦雄の育成年代の「?」に答えます!】

保護者が気をつけたい進路選択のサポート方法とは?【大槻邦雄の育成年代の「?」に答えます!】

サカママ読者の皆様、こんにちは。大槻です。

少しずつ暑さを感じる気候になってきましたね。陽が出ていなくても湿度があって蒸し暑かったりすると熱中症の危険度も増してきます。日常の健康管理に加えて、日頃から水分補給、そして夏本番に向けて無理のない範囲で少しずつ身体を暑さに慣らしていく〝暑熱順化〟をしていきましょう。

今年の夏も厳しい暑さが予想されます。子ども達だけでなく、サカママの皆様も体調管理に気を付けて、これから始まる夏を楽しんでくださいね。

さて、この時期になるといつも話題になってくる中学生年代の進路。今回は保護者としてどんなサポートが出来るのか?について、整理していきたいと思います。

子どもに合った環境を見つけましょう

情報に流されないように

スマートフォンの普及により、SNSなどで手軽に情報が手に入るような世の中になってきました。そのような情報化社会の中、これまで以上に〝チームの勝ち負け〟がクローズアップされるようになってきました。

もちろん強いチーム、有名なチームに憧れを持つことは当然のことですし、目標を持つことは良いことだと思います。しかし、だからと言って全ての子ども達にとって良いチームなのか?は別の問題だと思うのです。

強いチーム、有名なチームに入れば成長が約束されているか?と言ったら、それは違うということです。どこでプレーするか?だけを意識するのではなく、子ども達の成長にとって何が必要なのかを考えることが必要です。これは子ども達以上に保護者の皆様に必要なことなのかもしれません。

 

まずは一緒に情報収集

大人が思っている以上に子ども達は中学生年代のクラブチームの情報や自分に合っているクラブはどこなのか?という視点で考えることは難しいところもあります。情報を得られるところと言えば、近所のお兄さん、チームの先輩、選抜活動などでしょうか。

周囲の人が〝良い〟と言っているから、知っている人が所属しているから…という安易な理由でクラブを選ぶのはあまりお勧めできません。自分を大きく見せたりせずに、まずは我が子に合ったクラブ選びについて、保護者の皆様も一緒に情報を集めてみることから初めてみると良いと思います。

進路選択の三角形

 

では、どのような基準を持って情報を集めていけば良いのかを整理していきましょう。サカママコラムでもご紹介している〝進路選択の三角形〟を基準に考えていくと良いと思います。「進路選択の三角形」とは、自宅、学校、クラブのそれぞれを結んでできる三角形のことを指しています。

【過去記事】中学サッカー進路選択は長い目で見て!

中学生年代には下記の3つの変更が起こります

①第二次成長期による身体の変化
②思春期、心の変化
③学業との向き合い方の変化

中学の三年間は長いようであっという間に過ぎていきます。これらの変化に上手く対応していくためにも、子ども達の生活環境を考えることは大切な視点です。

過去記事でも書きましたが、自宅・学校・クラブの距離が離れ過ぎていると十分に身体を休めないばかりか、勉強の時間が確保できず学業との両立も難しくなってしまいます。(※その後の進路を考えた時には学業との両立によって選択肢の幅が拡がります。)成績や知名度だけでクラブを選択するのではなく、長い目でこの年代を捉えていくことが大切です。

練習会に参加してみよう

 

少しずつクラブの情報が集まってきたら、興味のあるクラブの開催している練習会などに参加してみることをお勧めします。実際に自宅から練習会場まで移動してみてどれくらいの時間がかかるのか?練習や指導者の雰囲気はどうなのか?保護者の皆様も一緒に体感してみると良いと思います。

保護者の関わり方

子ども達の進路については、保護者の皆様にとっても大きな関心事だと思います。大会の結果や知名度も進路選択の大きな判断材料になるでしょう。しかし、それだけでクラブを選択するのではなく、〝子どもに合っているのか?〟という視点を忘れずに長い目で中学生年代を捉えていくことが大切です。

そして、最も注意しなければならないことは、大人の想いや考えを子どもに押し付けないようにすることです。もちろん子ども達が自分の将来や進路についてどうすべきなのか見えていないことは多いと思います。そこに大人のサポートは必要でしょう。

しかし、子どもの想いを無視して大人の想いや考えを押し付けることは違うと思います。意外にもそういったケースは少なくありません。子どもは大人の振る舞いをよく観ています。あくまでも子ども達に対してポジティブなサポートをしてあげることが大切なのではないでしょうか。

まとめ

子どもの成長を長い目で見守りましょう

ジュニアユース年代の進路選択について整理してみましたが、いかがでしたでしょうか。進路選択については子ども達のみならず保護者の方にも大きな関心事だと思います。しかし、子どものために…と大人が先回りをして行き過ぎたサポートをしてしまうと子ども達は自分の想いや考えを口に出せなくなってしまうことがあります。子ども達は大人の振る舞いをよく観ているものです。何が正しくて何が悪いのか、その基準は周囲の大人が作っていくものだと思います。

初めて一緒にボールを蹴った日を思い出してみてください。元気で楽しくボールを蹴ってくれるだけで嬉しかったと思います。しかし、子どもが成長するにつれて少しずつ期待が大きくなって、周囲と比較して焦ってしまい…子どもから笑顔が消えていくようなことになってしまっては本末転倒ですよね。困難に直面したときに、どのように立ち向かえば良いのか?を伝えてあげられると良いのではないでしょうか。

毎年、進路に悩む6年生の子ども達にこんな話をしていました。
『鯛の尾よりも鰯の頭』
大きい団体で人の後に従うよりは、小さな団体でもそのかしらとなるほうが人間的な成長も含めて良いという意味の言葉です。参考にしてみてください。

最後になりますが、子ども達の成長には個人差があります。身体の成長だけでなく、心の成長に対してどのようにサポートしていくかが大切だと思っています。

 

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以下のアンケートは回答したい質問だけでもご応募が可能です。

 

WRITER PROFILE

大槻邦雄
大槻邦雄

1979年4月29日、東京都出身。
三菱養和SCジュニアユース~ユースを経て、国士館大学サッカー部へ進む(関東大学リーグ、インカレ、総理大臣杯などで優勝)。卒業後、横河武蔵野FCなどでプレー。選手生活と並行して国士舘大学大学院スポーツシステム研究科修士課程を修了。中学校・高等学校教諭一種免許状を持ち、サッカーをサッカーだけで切り取らずに多角的なアプローチで選手を教育し育てることに定評がある。

BLOG「サッカーのある生活...」も執筆中
★著書「クイズでスポーツがうまくなる 知ってる?サッカー

株式会社アクオレ株式会社ティー・パーソナル