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知っておきたい!スパイク選びのポイント

サッカーをするうえで欠かせないもの、色々ありますが、スパイクもその一つですよね。子どもの足はすぐ大きくなるので、新しいものを買ってもすぐにサイズアウトしてしまう…とお悩みのサカママも多いのでは?だからといって、大きいサイズのものを選ぶと、スパイクが足にフィットせず動きにくくなってしまうだけではなく、ケガにつながるリスクも…。

そこで今回は、スパイクの選び方についてまとめていきます。サイズ以外にもチェックするポイントがあるので、ぜひ覚えておいて、次回のスパイク選びの参考にしてみてくださいね。

スパイクのアッパー素材は天然皮革と人工皮革の2種類

まずは、スパイクの素材についてです。スパイクのアッパー(足の甲を囲む部分のこと)部分の素材は、天然皮革人工皮革の2種類があり、それぞれ特徴が異なっています。

天然皮革は履きこむことで皮が伸び、足に馴染んでいくのが特徴です。使われる素材は「カンガルー革」と「牛革」があり、カンガルー革は伸びやすく足に馴染みやすいが消耗しやすい、牛革は伸びづらいがその分耐久性がある、といった特徴があります。また、天然皮革は水に弱い素材なので、油分を補給するなどコマメなお手入れが必要です。

一方の人工皮革は、合成繊維にポリウレタン樹脂を浸透させた素材でできています。軽くて丈夫で、お手入れも簡単なのが特徴です。こういったメリットがある一方で、蒸れやすく、伸縮性に乏しいところがあると言われていましたが、最近は品質が向上して柔軟性を備えたものも出てきているようです。

人工皮革は天然皮革に比べるとリーズナブルとされてきましたが、最近は機能性が高い高価なものも出ているようです。また、天然皮革はカンガルー革に比べると牛革は比較的安価なものが多いです。それぞれのメリット・デメリットを考慮しつつ、予算に合わせたベストなものを選べるといいですね。

HG、FG、AG、グラウンドに合わせたスパイクを選ぼう!

次に、スパイクの商品名の後についている「HG」「FG」「AG」の表記について。これってどういう意味?と思った方も多いと思いますが、この表記は使用するのに適したグラウンドを意味しています。どのグラウンドでも同じスパイクでOKというわけではなく、スパイクも状況に応じて使い分ける必要があるというわけです。それぞれの特徴は次の通りです。

HG:ハードグラウンド
土のグラウンド用のスパイク。スタッド(スパイクの底面についた突起)が低く、数が多いことで設置面積が大きくなり、摩擦によりグリップが得やすいのが特徴です。HGのスパイクはどのグラウンドでも使用はできるのですが、芝などの柔らかいグラウンドでは滑りやすくなってしまうのであまり向いていません。

FG:ファームグラウンド
天然芝用のスパイク。スタッドは細く長めで、本数は少ないのが特徴です。尚、人工芝で使用するとスタッドが折れてしまうため、危険です。あくまでも天然芝用のスパイクと覚えてくださいね。

AG:アーテフィシャルグラウンド
人工芝用のスパイク。人工芝はスタッドが引っかかりやすく、足首に負担がかかりやすいグラウンドでもあります。AGスパイクは、大きさの異なる丸型のスタッドを配置してスタッドが抜けやすいように工夫されており、また、地面との接地面も大きく設計されているので、人工芝での使用に適しています。

余談ですが、先日、AGスパイクが壊れてしまったので、応急処置としてFGスパイクを人工芝のグラウンドで使用したのですが…。写真のように、壊れてしまいました…。

 

このように、グラウンドに合っていないスパイクを使用すると、スパイクの破損で滑ってしまいパフォーマンスが落ちることはもちろん、ケガにも繋がりかねません。いくつもスパイク揃えるのは大変…と思うかもしれませんが、安全にプレーするためにも、用途にあったものを揃えておきましょう。

尚、スタッドは丸型の方が異形型より安定があり、足への負担も少ないためオススメです。また、これらのスパイクを使うのは、小学校高学年くらいがいいかと思います。というのも、スタッドつきのスパイクは足にかかる負担が大きいため。低学年くらいまではスタッドのないトレーニングシューズを履くようにしましょう

試着する時のポイントは?

最後に、シューズを試着する際のポイントを3つご紹介します。

まず1つ目は、試着した際は立って終わりではなく、周囲を歩いてみるなど一連の動作を行い、痛みなどが出ないかをしっかり確認することです。また、よくシューズを試着するなら午後がいいという話を聞きますよね。これは、午前中よりは午後の方が足が浮腫んでいることが多いため言われるようになったのかと思います。ただ、当たり前ですがシューズは浮腫んでいない時も履くものですよね。ですから、午後に試着すればOKというわけではなく、どの時間帯に試着しても、先に述べたようにしっかりと一連の動作をして確認することが大切です。

2つ目は、サッカーソックスを履いて試着することです。普段履いているような靴下に比べると、サッカーソックスって結構分厚いですよね。なので、スパイクを買いに行く際は、自チームの普段履いているソックスを持参していくのをオススメします。

最後のポイントは、踵が合っているかを必ず確認することです。踵が余っていると、シューズの性能を活かしきれません。シューズは消耗品ですから、ともすると大きいサイズを選びたくなるところですが、実際は成長期でも足のサイズは半年で5mmも伸びないといわれています。つまり、5mmの余裕があれば半年間は十分対応できるのです。

安全にプレーするためにも、シューズ選びはしっかりと!

足の土踏まずが形成されるのは7~9歳といわれており、その時期に足にあっていない靴を履くと、土踏まずが上手く形成されなくなってしまいます。実際に私も土踏まずが崩れたことによる踵骨棘を発症して、サッカーを続けられなくなってしまった経験があります。

子ども達が安全にサッカーを続けるためにも、ジュニア年代のシューズ選びはとても大切です。最後に、今回のコラムを書くにあたって整形外科医でスポーツドクターのありぺい先生にご協力をいただきました。ありぺい先生のこちらの投稿も分かりやすいので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

WRITER PROFILE

山村麻衣子
山村麻衣子

シングルマザーとして3人の子育てをしながら、救命センターで看護師として働き、スポーツナースとしても活動しています。末っ子は高校サッカーで全国を目指し奮闘中です。万が一が起きている現場にいるからこそ、スポーツの現場でも安全や予防の必要性を感じているので、コラムではメディカル目線のサポート情報などを中心にお届けしていきます。