夢を叶えた先輩に聞く!チームフロントという生き方(岡村虹輝/東京ヴェルディ)
サッカーを仕事にする事は、プロサッカー選手になる以外にもたくさんある。
今回、紹介するのは東京ヴェルディのコンシューマー事業部でファンクラブの会員獲得に勤しむ岡村氏です。欧州のようにサッカーが生活の一部となっている強固なファンベースを日本でも築きたい、そんな壮大な目標に向かって日々奔走する“生き方”についてお伺いしました。
Q1 サッカー歴は?
“見る派”のDAZNヘビーユーザー
「僕はプレーヤーではなく、完全にサッカーを視聴・観戦する側でした。DAZNなどで早朝に1試合観て、高校から帰宅後に1試合、平日は最低2試合観るのがルーティンで、週末はスタジアム観戦も含めて3~4試合観るような学生生活でした。小3で2010年のワールドカップ南アフリカ大会をテレビで観て少し興味を持ったのがきっかけで、地元のアルビレックス新潟の試合を観戦した時にスタジアムの熱量に圧倒され、サッカーの魅力に引き込まれていきました。そこからはもう虜でしたね(笑)」
Q2 高校卒業後の経緯は?
夢にまい進するため上京
「漠然と大学進学を考えていましたが、ワールドカップロシア大会で日本がベルギーに敗れた時、この差を埋めるのに必要なのはプレーヤー以外の力だと感じました。将来、僕もその一翼を担えるんじゃないかって、そんなイチ学生の妄想で(苦笑)、サッカー業界に携われる首都圏の専門学校を探すようになりました。ちょうど東京オリンピック開催予定年でもあり、サッカー業界でコネクションを得るために上京を決意しました」
Q3 TSRで得られたことは?4
実習での今の上司との出会い
「東京ヴェルディのホームゲーム実習で、誰も選択しなかったファンクラブのブースに手を挙げたんです。そこで今の上司である先輩と出会い、1年間すべてのホームゲームに携わり色んなことを学ばせていただきました。僕がこの業界で働く1番の目的はファンベースを強くすることにあります。欧州ではサッカーは文化として日常で欠かせない生活の一部となっています。そういう人を一人でも増やしたい、その目的の手段として手を挙げたことが大きな出会いにつながりました」
Q4 現職への経緯は?
インターンシップの経験から
「TSR2年目から週3日の東京ヴェルディのインターンシップで、試合以外の部分の業務を学ばせていただきました。Jリーグ全チーム、プロ野球他競技を含めたファンクラブ特典の洗い出しの作業は大変でしたけど、その資料をもとに実際の施策に採用されたのは嬉しかったです。就職に関しては2年生の10月初旬にクラブからお誘いをいただき、面接を受けて内定をいただき11月に入社させていただきました」
Q5 現在の業務内容は?
ファンクラブ会員の獲得
「コンシューマー事業部にてシーズンチケットやファンクラブの業務を主としています。ファミリー層をメインターゲットにしているので、イベントと紐づけて子どもの会員をどう増やすのかなど、会員獲得の施策を考え、実行することが日々の業務となります」
Q6 業務で意識する部分は?
他業種も含めた施策を参考に
「学生時代からお世話になっている今の上司からは、業界理解を深め、他の競技イベントに触れることの重要性を教わりました。休日はバスケのBリーグなど観戦に行き、他業種のファンクラブの取り組みも視察しています。インターン時もそうですし、今もそれは継続しています。BリーグはSNSを含めて特に若い層へのアプローチが上手いですね。同じJリーグでも川崎フロンターレは誰もが楽しめる空間を演出し、子どもでも楽しめるいくつもの施策が施されているので参考にしています」
Q7 喜びを感じた出来事は?
キッズパス獲得件数を更新
「小学生以下のお子様を対象としたキッズパスをいかに増やすかが、僕の役割の大きなミッションの一つでした。認知の部分にフォーカスして、子どもが遊べる広場でイベントを開催し、メンバーと連携してチラシ、SNSで周知し、入会までの導線づくりに注力しました。結果、2022年はコロナ前に記録した2019年の年間獲得件数を更新することができました。グループで役割分担ができていたことの成果ですが、素直に嬉しかったです」
Q8 高校生へ伝えたいこと
忙しい時ほど立ち止まって冷静に
「何事も100%のフルパワーで続けていると、しんどくなったり周りが見えなくなる時がくると思います。そんなときこそ立ち止まって、状況を整理して落ち着くことが大事です」
ある一日のスケジュール
9:30 | 出社 |
10:00 | 業務タスクの確認 |
11:00 | ファンクラブグループ定例MTG |
13:00 | メール確認・返信 |
14:00 | 試合への準備 |
17:00 | 各種資料の更新 |
19:00 | ファンクラブ業務 |
21:00 | 帰宅 |
写真協力/©TOKYO VERDY