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免疫機能を維持して元気に過ごそう!冬場の体調管理のポイント

みなさん、こんにちは。スポーツナースの山村です。
コロナの感染者数が増え第8波に突入したとも言われていますが、それと同時にインフルエンザや風邪が流行る時期にもなってきましたね。そこで今回は、風邪や感染症にかからないために大切な「免疫」についてお話したいと思います。冬場の体調管理の参考にしていただければ幸いです。

免疫機能もサッカーと同じチームプレー!

 

私たちの体には、体内に侵入した異物を攻撃して体を守る仕組みが備わっており、疫病を免れるという意味からこれらは「免疫機能」と呼ばれています。免疫機能には、体内に細菌やウイルスが入る前に防ごうとするものと、体内に侵入してきたものを攻撃するものの2パターンがあります。

まず、細菌やウイルスといった異物が体内に入るのを防いでくれているのが、目や鼻、口、腸管などの粘膜で働く免疫です。これを「粘膜免疫」と言います。この粘膜免疫が突破された時に働くのが「自然免疫」です。自然免疫の特徴はその反応の素早さで、体内に侵入した異物をすぐに攻撃してくれます。ただその一方でその効力はあまり強くないも言われています。そこで活躍するのが「獲得免疫」です。この獲得免疫は、侵入にしてきた異物の情報を記憶し、次に同じ異物が侵入してきた際に効果的な攻撃を仕掛けてくれます(この仕組みを利用したものがワクチン接種です)。自然免疫のように素早い反応は出来ませんが、効力が高いと言われています。

このように、粘膜免疫・自然免疫・獲得免疫とそれぞれが特有の働きをして私たちの体の安全を守ってくれています。サッカーのように免疫もチームプレーということです。

免疫機能を維持するために大切なことは?

免疫力UPを訴求した商品をよく見かけると思いますが、実は医学的には「免疫力」という言葉はありません。先ほどの説明のように、免疫と一口に言ってもその機能は多岐にわたり、様々な細胞が複雑に働いているので、免疫力が上がった・下がったと一つの指標で測ることは難しいのです。

重要なのは、それぞれの免疫がしっかりと機能する状態を維持すること。そのためには特別なことをする必要はなく、バランスの良い食事、適度な運動、良質な睡眠といった規則正しい生活を心掛け、ストレスを溜めないことが大切です。逆に言えば、いくら免疫力UPを謳った商品を取り入れても、不規則な生活を送っていれば免疫機能は下がっていってしまいます。

それでは、規則正しい生活に加えて、免疫機能を維持するためにはこれも意識してほしい!という点を2つお伝えします。

免疫機能を維持するポイント①乳酸菌をとること

 

バランスの良い食事の中でも特に気にかけてほしいのが、乳酸菌をとることです。腸と言えば、食べ物の消化・吸収に関わる器官と認識している方が多いと思いますが、実は免疫機能の7割が集まる場所でもあります。乳酸菌には腸内環境を改善する作用が含まれているので、免疫機能を維持する意味でも意識したいところです。もちろん、乳酸菌さえとればOKというわけではないので、しっかりバランスのとれた食事にすることを意識してくださいね。

免疫機能を維持するポイント②水分補給をしっかり行うこと

 

粘膜免疫は異物が侵入してきた時に腺毛という箒のようなもので異物をキャッチして追い出しています。この時、腺毛が粘液で潤っていればスムーズに異物を体外へ排出できるのですが、体内の水分が不足していると粘液も少なくなり、腺毛が上手く機能しなくなってしまいます。一見関係がなさそうな免疫機能と水分補給ですが、しっかりと水分補給を行うこともまた免疫機能の維持には欠かせないのです

また、冬場は汗をかかないので余り水分補給の必要性を感じないかもしれませんが、実は皮膚や息を吐いた時の呼気からも水分が失われています。その量は大人の場合で一日に皮膚から600ml、呼気から300ml、合わせて900mlともされています。以前の熱中症対策コラムでもお話しましたが、喉が渇いた時にもう脱水が始まっているとされています。そうなる前に、冬場もこまめな水分補給を心掛けてくださいね

免疫機能を維持するポイントを2つお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。特に水分補給に関しては、冬場は忘れがちなので意識してもらえるといいかと思います。

 
我が家では補食におにぎりを持たせているのですが、冬場は風邪予防のためにも乳酸菌入りゼリーを取り入れたりしています。

寒さ対策もしっかり行い、冬場の体調管理を万全に!

最後に、冬場の体調管理では寒さ対策もしっかり行うようにしてください。私たちの体は寒さを感じると体温を保つために熱を作り出そうとしますが、そうすると自然と体に力が入るので体力を使ってしまいます。また、寒さで体が冷えると血行が悪くなり、体調を崩しやすくもなります。免疫機能は体調にも左右されますから、こうなってくると感染症や風邪にもかかりやすくなってしまいます。

特に運動の最中は体温の低下を感じにくくなるので、低体温症などにも注意が必要です。サッカーは雨の日でも試合を行いますが、ずぶ濡れになったままで長時間過ごすと体温がどんどん下がってしまいます。すぐに試合があるから……と防寒着を羽織るだけではなく、濡れたユニフォームはすぐに脱いで、水分を拭き取ってから体を温めるようにしましょう。また、ウェアが綿素材だと水分を吸収しやすくなってしまうので、水分が蒸発しやすい高機能素材のアンダーウェアを着用することも良いかもしれませんね。

これから寒さが本格化していくと同時に、各年代の大会なども増えていきます。大事な試合の時に風邪で出られなかった……なんてことにならないよう、体調管理を万全に行って冬を乗り越えていきましょう!

WRITER PROFILE

山村麻衣子
山村麻衣子

シングルマザーとして3人の子育てをしながら、救命センターで看護師として働き、スポーツナースとしても活動しています。末っ子は高校サッカーで全国を目指し奮闘中です。万が一が起きている現場にいるからこそ、スポーツの現場でも安全や予防の必要性を感じているので、コラムではメディカル目線のサポート情報などを中心にお届けしていきます。

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