親の過干渉に注意!大切なのは「尊重する」こと
「今日はなんか疲れてた?すぐバテちゃってたね」
「あそこ、すぐ諦めちゃってなかった?」
試合後の息子にそう言ってしまうのは、少年サッカーのコーチをしているサッカー経験者の夫、ではなくド素人の私……。チームの戦術や技術面に対しては口出しはしませんが(というよりできませんが)、「あの場面はもう少し粘れたのでは?」「もっとボールに対して貪欲に!」など、気合で乗り切ることができそうなプレーについては、つい口出しをしてしまいます。でも、息子に言わせてみれば「だったらママがやってみなよ」、その一言に尽きる……。
サカママの皆さんも、同じような経験があるのではないでしょうか? 今回は、そんな「冷静に考えてみればそんなことは百も承知なのに、つい口出しをしてしまう親ゴコロ(私の性格?)」がテーマです。
サッカーを始めたきっかけを改めて考えてみる
そもそも、お子さんがサッカーを始めたきっかけは何だったのでしょう。我が子の場合は父である夫が大のサッカー好きであり、「息子が生まれたらサッカーをやって欲しいな……」なんて期待を抱きつつ、1歳になる前からサッカー観戦に連れて行ったりしているうちに、当の本人もサッカー興味を示した、というきっかけで今に至っています。
今のところ「サッカーを辞めて他のスポーツにもチャレンジしてみたい!」と言うこともなく、本人もどっぷりサッカーにハマっているため、特にサッカーに興味がなかった私も今では息子の試合観戦はもちろん、日本代表戦なども進んで観るようになりました。子どものスポーツがきっかけで親もそのスポーツが好きになる、興味を持つようになる。我が子をサポートしていく上で、親にとってもそれは大きな活力になるような気がしています。
つい熱くなる親心。でも、子どもの想いは…?
さて、スポーツを続けていく上で避けらないのは、時に「勝負の世界」であるということです。それは試合だったり、ポジション争いだったり、自分自身の技術面・精神面だったり……。そして、我が子の成長していく様子を一番近くで応援している親だからこそ、その勝負の時にはつい熱くなってしまうこともありますよね。
以前、息子が所属していたサッカースクールに、練習の見学をしながらも、我が子のプレーに対して大声で指示をする保護者の方がいたことがありました。つい熱が入ってしまうというよりは「厳しい指導」という印象だったので、よほどサッカーに精通した方なのかと思っていたのですが、お話ししてみると「いえ、私は全くの素人で」という回答。
その時に私自身がハッとさせられたのは、素人だからこそ、理論だけで考えてしまうのかもしれない、ということでした。「こうすればできるようになる」という理想の姿を我が子に当てはめ、その通りにならないと「なんでできないの?」と時に責めてしまう。よくよく見てみると、そのお子さんは常に親であるその方の目線を気にしながらプレーをしている様子で、少しのミスですぐに不安そうな表情を見せる子でした。ここまでくると、自分のためではなく親のためにサッカーをしているような感覚だったのではないかなと思ってしまいます。
サッカー経験者であり、コーチである夫が心がけていること
夫がコーチをしていると、「家でもけっこう試合の振り返りとかするの?」「チームの練習がない日でもパパに指導してもらえるからいいね」ということをよく言われます。ですが、我が家の場合はむしろその逆です。試合の振り返りがあるとすれば、「今日のあのプレー良かったよ~」「あの時はどういう判断であのパスを出したの?」と、息子のプレーや考えを尊重した声掛けで終わることがほとんどです。だからこそ息子も「あれはあそこに○○がいたからさ」と、時に得意気に答えるなど、楽しそうに話をしてくれます。
また、OFFの日に夫の方から「今からサッカーしに公園に行こうか」なんて息子を誘うことはほぼ皆無。むしろ私の方がダラダラしている二人に向かって「せっかくだから二人でボール持ってパス練とかしてくればいいのに」と言うほどです。二人で盛り上がるとすれば、サッカーゲームや海外選手の名場面をYouTubeで観ている時くらい。でも、家ではそんな距離感だからこそ、息子にとっても良いのかな、と思ったりもします。
実際に夫にヒアリングしたところ、「プレーをしているのは選手だけだから、コーチや親の考えは押し付けない」とのこと。時にアドバイスすることはあっても、ピッチで常に同じシチュエーションになるはずもなく、そこで選手(=息子)が選択したプレー尊重する、ということを心がけているそうです。なるほど。経験者だからこそ、そのあたりはより敏感に丁寧に考えているのかもしれません。考えてみれば素人の私の感覚の方がよっぽど怖いかも(笑)。全ては気合いと根性でなんとかなる、と思ってしまう男の子ママの性です……。
そう考えると、息子が夫に「試合見に来なくていいよ」と言ったことがないのも納得です。むしろ「今日見に来る?」と中学生になった今も聞いてくるくらいです。自分のサッカーを尊重してくれる、応援してくれる、という純粋な気持ちがちゃんと伝わっているのでしょう。今のところ私にも観戦NGは出ていないので、これからも時に何かを言いたくなる気持ちをグッと抑えながら、気持ちよく応援に行きたいと思っています。
主役は子ども、親はNo.1サポーターを目指す
昔、子どもたちが好きなテレビ番組の1つに「やってみなくちゃわからない」というフレーズが合言葉の理科の番組がありました。ジャンルは違えど、スポーツの世界もまさにそうだと感じています。我が子に関わることとはいえ、表舞台で頑張っているのは子ども自身です。やってみなくちゃわからないことが保護者である私たちにもまだまだあります。実際に現場でサッカーを「やりながら」切磋琢磨している息子の気持ちを尊重しつつ、引き続きNo.1サポーターでありたい思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
私の経験談が、誰かのお役に立てることを願って……。