バルサアカデミーサマーキャンプが人気の理由とは?
毎年人気の「バルサアカデミーサマーキャンプ」が今夏も開催。そこで、バルサ・アジア地域のトレーニングプログラムを統括するジョルディ・アラサ氏にサマーキャンプの魅力を聞いてきました。さらに、キャンプ経験者の声もお届けします!
日本の子どもたちの高いボールコントロール能力は、
バルサが掲げるプレースタイルに向いている
──まずは、ジョルディさんから見た日本のジュニアサッカーの印象を聞かせてください。
「私はバルサアカデミーのアジアパシフィックメソッドダイレクターとして、日本を中心にインド、シンガポール、中国のアジア地域のトレーニングプログラムを統括しています。コロナ禍により来日する機会になかなか恵まれなかったのですが(2011年に来日経験あり)、日本のアカデミーのみなさんのプレーはテクニカルディレクターが撮影した映像資料を通して、ミーティングを重ねながら細かくチェックしていました。バルサが掲げるプレースタイルを実現するために、日本の子どもたちが持っている高いボールコントロール能力、繊細な技術は向いていると感じています」
──バルサアカデミーが掲げる「ボールポゼッションを大切にして、 攻撃的で頭脳的なサッカーをする」とは、どういったことでしょうか?
「まずはトレーニングの中で、ボールを持ち続けるためにどんなことが大事なのかを考えます。例えば試合の中で1人の選手がボールを持つ時間は限られています。どんなにドリブルが上手くても、相手が複数で奪いに来たら必ずボールを取られてしまうでしょう。では、ボールを持ち続けるために、チームでどのようにプレーすればいいのでしょうか。そこはチームで関係性を持ってプレーし続ける必要があります。バルサアカデミーでは7人制、8人制、11人制、それぞれ全員がどのような役割、関係性を持ってプレーするかを、トレーニングをしながら考えます。ただ、ゲームをしているだけではその考え方は身に付きません。バルサでは、そのような現象が引き出されるようなトレーニングプログラムが組み込まれているのです」
──アカデミーでは複数の戦術を理解する必要がありますか?
「バルサにはいくつものプレーモデルと呼ばれるサッカーの型が存在するなかで、アカデミーではなるべくシンプルに伝えるようにしています。いくつかのプレーモデルをシンプルなトレーニングに落とし込み、子どもでも理解できるように伝えます。基礎となる原則、シンプルな情報をもとに、子ども達がたくさん考えてプレーすることが一番効率的であると考えています」
サッカーには必ずミスが存在する。
失敗をなくすのではなく、どう適応するのかが大事
──ボールを使ってトレーニングすることを重要視しているのでしょうか?
「これは日本人コーチへの講習会でも強調して伝えていることです。まず、サッカーには必ずミスが存在します。ボールを足で扱いながら走ったりするのですから当然のことです。だから我々は 失敗をなくすという考えはしません。サッカーにおいては失敗とどう付き合っていくのか、その失敗にどうやって適応するのかがすごく大事なのではないかと考えています。だから常にボールを使った練習で、色々な状況を与えて、選手たちが必ず失敗するような状況をつくりだしています。それこそが試合の中のリアルに直結した効果的なトレーニングだと考えています」
──FCバルセロナでは、毎年メソッドのアップデートをし、全世界のバルサアカデミーでのトレーニングメソッドに落とし込んでいると伺ったのですが、実際のプロセスはどのような流れで行っているのでしょうか?
「バルサでは今あるものがベストとは決して思わないようにしています。常に満足せず、良いものをつくるために改良に改良を重ねるのです。具体的には年間を通して各ディレクターがどんなことを試し、どんなことに難しさを感じているのかを細かくコミュニケーションし、シーズンオフの6月~8月の期間に復習し、改良を重ねて新しいシーズンに向けてメソッドを作成し、アカデミーのディレクターに伝えていくのです。選手への細かい声掛けや効果のあるコーチング等、細かいアップデートを繰り返しているのです」
──そのメソッドはサマーキャンプ2022でも?
「バルサアカデミーの最新のプログラムをみなさんに体験してもらえるように、サマーキャンプの前に日本を訪問しました。日本在住のテクニカルディレクターが現場に立ちますし、私の講義を受けた日本人のコーチ・通訳たちが現場に立ち、私が伝えた最新のメソッドを日本各地で体験できるようになります」
バルサの選手になったような感覚を得ることで、
サッカーに対する考え方が劇的に変化する
──集中的なサマーキャンプでバルサアカデミーを体験することのメリットは?
「もちろん、短い期間でイニエスタやブスケツのようなスーパースターを生み出すことはできません。しかしキャンプで体験する刺激的で衝撃的な印象は、その後のサッカー人生の成長につながる貴重な機会となることは間違いありません。例えば初めてディズニーランドに行った時、自分が映画の主人公になったような感覚になるのではないでしょうか。それと同様に、バルサキャンプでは、まるで自分がバルサの選手になったような感覚を得ることができます。お子さんのサッカーに対する考え方に劇的な変化が起きることを我々は確信しています」
──サマーキャンプは初心者でも参加できるのでしょうか?
「サッカーのレベルが低いから参加できないということは 全くありません。サマーキャンプではレベル別のクラス分けを行いますが、それは単にサッカーの技術だけで分けるものではありません。全ての選手にチャレンジと成功をランスよく提供することが一番の目的です。チャレンジなしに選手の成長はなく、成功ばかりでも成長はありません。チャレンジと失敗と成功体験が必ず発生するようにグループ分けを行うので、それぞれのお子さんにふさわしいグループが必ず存在します。自転車を乗れるようになるには、自転車に触らないといけないのと同じように、少しでもバルサのサッカーに興味を持ってくれているのであれば、まずは参加してバルサのサッカーの楽しさを体感してほしいと思います。日本のサッカージュニアのみなさんの“チャレンジ”を待っています!」
キャンプを体験した感想&その後の変化、教えてください!
心を揺さぶられる経験ができたことに感謝
子ども自らが行きたいといって参加したものの、プラスの成果があるのか親としては不安がありました。しかし、初日のトレーニングを終えて、「あー楽しかった!」と話す子どもを見て、その不安は払拭。自ら考えて動いてみる、失敗してもまたトライしてみる、その行動を称賛して見守るコーチがいるという環境が、とても楽しかったのだと思います。4日間を通して、サッカープレーヤーとしての自覚が芽生え、「もっとうまくなりたい」と夢中になる姿には頼もしさも感じました。トレーニング、座学を通して「バルサスピリッツ」を肌で感じ取り、心を揺さぶられる経験ができたことは感謝しかありません(加藤浩子さん)。
内容の濃い4日間に親子共々大満足
バルセロナの攻撃や守備、ゲームでの基礎となるロンドの重要性とそれを徐々にレベルアップさせて実践で生かせるようにしていく過程には連続性があり、大変興味深かったです。子どもも単純なとりかごの練習でなく、頭も非常に使い、サッカーをして初めて「勉強になった」と言っており、参加してよかったと感じています。とても内容の濃い4日間、むずかしい内容もありましたが、毎日楽しく通っていました(今井真琴さん)。
周りの子どもたちにくらいついて頑張っていた!
日頃からクラブチームやスクールでハイレベルなサッカーをやってきている子どもたちの中で、基礎の指導もチームでの組織プレーの指導を受けた経験のない息子が、受講しても意味があるのか?うまい子たちに入り込めず、一人孤立して、サッカーが嫌いになったらどうしようかと心配しましたが、コーチからのアドバイスや指導のおかげで、一日一日彼なりに学び、周りの子たちにくらいついて頑張っていました。そして息子から「もっともっと練習して上手くなって、次はもっといいプレーでコーチに覚えてもらいたい」という前向きな言葉を聞け、とても感謝しています。私個人としては、バルセロナの5つの理念に大変感銘をうけました(林 幸豊さん)。
「バルサアカデミーサマーキャンプ2022」開催!
2022年7月25日(月)~8月23日(火)、小学1年生~中学1年生までを対象に(男女問わず)、全国18会場で「バルサアカデミーサマーキャンプ2022」を開催。詳しくはこちら!