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「試合中にHARIBO?!試合後はポテチ?!」イギリスサッカー便り

みなさん、こんにちは!
ここイギリスは、エリザベス女王即位70周年を祝うプラチナジュビリーで盛り上がり、どこの街でもお祝いムードが感じられる6月です。サッカーはオフシーズンの真っ最中で、今月はサッカーの活動がありません。普段のプレッシャーから解放され、心身ともにゆっくりできる月です。オフシーズンの今月は、個人的に、え?!っと思ったイングランドフットボールのあれこれをご紹介させていただきます。

 
街中はお祝いムード。6月はサッカーの活動もお休み中です。

HARIBOとポテチで糖分・塩分補給?!

イングランドフットボール1、2年目に所属していたチームでのエピソードなのですが、ハーフタイムのコーチのミーティング中にトレーナーさんがHARIBOと呼ばれるグミを配ってくれました。試合中にです。前半で消耗した体力を回復し、後半に望むための糖分補給として手軽に口に入れられるHARIBOを与えてくださったと思うのですが、そのチームに入って初試合のハーフタイムでHARIBOをもらった息子は、「え?お菓子?!」とめちゃくちゃびっくりしたそうです(笑)。
そして試合後に配られたのが小分けのポテトチップス。これまた驚きました。これは汗をかいた後の塩分補給か?!(苦笑)サッカー活動中にHARIBOとポテチ、どちらも日本では考えられなかったなぁと思う私の中で衝撃的なエピソードでした。

 
日本でもコンビニなどで売っているHARIBO。まさか試合中に配られるとは…!

監督もコーチも名前呼びでフレンドリー

こちらでは選手同士だけでなく監督やコーチも下の名前で呼び合います。クラブトップのマネージャーさんに対しても名前呼びなので、日本で生まれ育った私はなかなか慣れません…。もちろん息子たちもコーチのことを「ボブ!」「ニック!」とフレンドリーに呼ぶのですが、ふとこれが日本だったら……監督に名前で呼びかけるなんてありえないわ!!と言う息子たち(笑)。そして、親同士ももちろん名前呼び。日本とは逆で名前は知っているけど名字は知らない人ばかりで、なんだか勝手にフレンドリーになった気分を味わえます。

試合は週末に1試合だけ!

以前のコラムでも何度か書きましたが、基本的に試合は週末に1試合のみです。前のチームでは土日に1試合ずつ、今のチームは週末1試合、今シーズンは土曜日が長男、日曜日が次男という試合のスケジュールでした。日本でサカママをしているときは、週末や長期休みはサッカー漬けが当たり前で、むしろそれを楽しんでもいたので、これには驚きました。息子たちも最初の頃は、「1日1試合しかないの?もっと試合がしたい!」と思っていたようですが、今では週末の1試合を楽しみにして、そこに全力で臨めるようコンディションを調整していく習慣がつきました。

時にはサッカー<家族時間

こちらの人は家族の時間をとても大切にするので、家族の都合でサッカーをお休みします、ということがよくあります。つい先日の今シーズン最終戦も担当コーチが欠席だったのですが、その理由は“コーチの息子の2歳のバースデーだから”。なかなか日本ではないことですよね。また、年末年始やイースターホリデーは2週間ほど休みになりますし、オフシーズンは約5週間サッカーの活動がなくなります。必然的に家族で過ごす時間も増え、サッカー以外のことをやる機会も増えたかなと思います。

ポジションは数字??

まだこちらに来て間もない頃、次男が試合の途中で呼び止められ、「10に入って!」と言われたことがありました。「10って何?!?!」と思ったら、“10番のポジションをやって”ということでした。どうやらイングランドフットボールでは、ポジションを数字で言うことが多いようです。ちなみに数字と言っても背番号ではなく、あくまでポジションを表しています。
MFのポジションをよくやる次男は、「今日は8、10をやった」とか、「今日は4をプレーした」と教えてくれるのですが、最初はどこのことなのかさっぱり(笑)。フォーメーションにもよるようですが、8、10は攻撃的MF、4は守備的MFをさすらしく、今ではそれで親子の会話が成り立つようになりました。イギリスでサッカーをやる機会があれば、選手やコーチとの会話の中に数字が登場することもあるかもしれません。

リーグ優勝でシャンパンファイト

今シーズン、長男の所属するチームは地域1部リーグで優勝したのですが……リーグ最終戦、ホイッスルが鳴った瞬間まさかのシャンパンファイトが始まってびっくり!! その日の気温は3度(4月上旬です)、まだ朝の10時半……日本人の私からするとシャンパンファイトをする条件では全くないのですが、イギリス人にとってそんなことは関係なしです。私もちゃっかり朝っぱらからシャンパンをいただきました(笑)。

 
保護者はシャンパンでしたが、選手たちはノンアルコール飲料で乾杯。
(ちなみに、イギリスでは保護者の同伴があれば16歳から飲酒OK)

イギリスで子育てをしていると、“褒めて伸ばす”文化だなぁと感じることがよくあるのですが、サッカーも同じで、シーズン通しての選手たちの頑張りを褒め称え、最後に盛大にお祝いしてくださいました。サッカーも遊びも全力で楽しむところが素敵だなと思ったエピソードです。

いくつか日本とは全然違うな、おもしろいなと感じたことをピックアップしてみましたが、日本のほうがいいとかイギリスの方がいいとかそういうことではなくて、国が違えば文化や歴史が違うように、同じサッカーでも全然違うことがあるのはとても面白いと思いますし、学ぶこともたくさんあります。でも、サッカーを頑張る子どもたちを全力で応援する気持ちは世界共通ですよね。これからもまた「え?!」と思うことに遭遇こともあるとは思いますが、サカママ生活を引き続き楽しみたいと思います。

WRITER PROFILE

クリストファーズ佳世
クリストファーズ佳世

イギリス在住、3兄弟(16歳、14歳、11歳)を育てる現役サカママ。 神戸市在住時は、地元の強豪クラブチームで6年間サカママ生活を満喫。2019年3月にイギリス移住後は、サッカーの本場・イングランドでシーズン1年目の新米サカママとして生活をスタート。 日本とイギリスのサッカー事情の違いなどを、サカママならではの目線で伝えていきます。