【創刊10周年記念インタビュー】大瀧螢くん(川崎フロンターレU-18)
soccerMAMA創刊10周年を記念し、vol.3の「プチトレ。」に登場し、現在は川崎フロンターレU-18でプロを目指す大瀧螢くんにインタビュー。これまでの道のりや、壁をどう乗り越えたかなど、気になる話が満載です!
言い出せなかった気持ちに父が気づいてくれた
―創刊当初、人気連載だった「プチトレ。」に登場してくれた大瀧螢くん。印象に残っていることはありますか?
「正直、はっきりとした記憶はないんですけど、緊張していたと思います。ただ、1つだけ覚えているのが、マーカーの中にトラップで入れるというトレーニング。最近、読んでいる漫画『アオアシ』の中で、同じトレーニングが描かれていて思い出したっていうのもあって(笑)。すごく難しかったです」
―ジュニア時代は、どこのチームに所属していたんですか?
「埼玉に住んでいたので、5年生までは、県内のチームに入っていました。でも、子どもながらに他のチームのほうがもっと成長できるんじゃないかと思っていたんです。そんな時、父に『最近、サッカー楽しんでるの?』と聞かれて。すぐに『うん』と答えられなかった僕を見て、『楽しめないんだったら、別のチームに行くのも一つの手だよ』と選択肢を与えてくれました。自分から言い出せなかった僕に、父が表情を見て気づいてくれたのは、嬉しかったですね」
―ジュニア時代に、チームを移籍したんですね。
「6年生の頃は、週末は、東京のクラブチーム『K.Z. ヴェルメリオ』、平日はバルサアカデミー葛飾校に通いました。小学生の頃は、とくに身体が小さくて細かったので、試合でフィジカル的に負けることが何度もあったんです。そんな時は、試合から帰ってきた後、父と一緒に学校の校庭や近くの公園に行ってボールをひたすら蹴ってました。父はサッカー経験者ではなかったのですが、サッカー面でいつもサポートしてくれました」
―他にご両親はどんなサポートを?
「僕は、卵と牛乳のアレルギーが強かったので、それらをどう補うかを考えていつも食事を作ってくれました。それもあって、僕自身は、そこまでアレルギーがマイナスだとは感じてなかったんですけど、いつも卵と牛乳を使わない栄養満点料理を勉強してくれてたみたいです」
J1で活躍して、海外にも挑戦したい
―川崎フロンターレU-15に入ってどうでした?
「技術面など、今まででやってきたどのチームよりもレベルが高くて驚きました。でも、それが刺激になって、足もとの技術をもっと頑張らないとって思うようになりました。東京の中学に進学したのですが、練習の荷物が多くて、学校に一緒に持っていくことができなくて…。毎日、学校が終わる時間に合わせて、 荷物を届けてくれた母には、今でもすごく感謝しています」
―1日に、埼玉、東京、神奈川と移動してたんですね。
「電車の時間が長かったので、テスト勉強や自主勉強に充てていました。塾には通ってなかったのですが、成績が落ちることはなかったです。高校に上がる時に、家族で川崎に引っ越して、今は、学校も練習場所も近くなりました」
―川崎フロンターレU-18に進み、調子はどうですか?
「昨年末までは、Aチームのベンチが多く、途中出場できたり、試合に出られないこともありました。それでもサッカーは楽しいですし、サッカーというスポーツでいろいろな人とのつながりもできたので、やってきてよかったと思っています」
―今後の目標や夢を教えてください。
「まずは、トップチームに昇格することが目標です。いずれJ1で活躍して、海外にも挑戦したいと思っています」
―最後にサッカージュニアへメッセージをお願いします。
「僕もそうでしたが、身体が小さくて、周りの大きな選手に負けて悔しい思いをしている子もいるかもしれません。でも、小さいなりに、足もとの技術を磨いたりなど戦い方はあるし、身体の大きさでサッカーの勝ち負けが決まるわけではないと思います。何よりもサッカーを楽しむことが一番です。僕自身、サッカーが大好きで、楽しいから、ずっと続けられているんだと思います」