夢を叶えた先輩に聞く!コーチという生き方(高山航介/FC東京 普及部コーチ)
サッカーを仕事にする事は、プロサッカー選手になる以外にもたくさんある。今回、紹介するのはFC東京でのサッカースクールのコーチを務める高山航介さん。学生の頃から抱いていた憧れを実現させた過程と、指導者としてのポリシーについて伺った。
Q1 サッカー歴は?
小学生からサッカー漬けの毎日
「小学校一年生からサッカーを始めました。中学ではクラブチームに所属し、その後千葉県立流山南高校へ進みました。『たくさん試合がしたい』という思いでサッカーに明け暮れ、卒業後もサッカーに携わる仕事がしたいと考えていました」
Q2 高校卒業後の経緯は?
オープンキャンパスが決め手に
「中学時代のクラブチームのコーチへの憧れから、『サッカーのコーチになりたい』という思いを持っていました。その方は子どもとの距離感が絶妙で、惹きつける魅力のある方でした。高校三年の秋ごろに真剣に進路について考え、ネットでTSR(東京スポーツ・レクリエーション専門学校)を知りオープンキャンパスに参加しました。サッカーを学ぶための整った環境が決め手となり、入学しました」
Q3 専門学校卒業後の進路は?
在学時からの縁でFC東京へ
「在学中から実習でお世話になっていたFC東京にアシスタントコーチとして採用されました。2021年からは普及部コーチとして、幼稚園から小学校の子ども達へサッカーを教えています。昔から子どもが好きで、サッカーコーチへの憧れもあったからこそ、TSRでの二年間は熱意をもって学び続けることができました。その結果、FC東京から声をかけてもらったのだと思います」
Q4 現在の業務内容は?
子ども向けのスクールコーチとして活動
「メインとなる業務はサッカースクールでの指導です。それが午後から始まるので、午前中は幼稚園や小学校に巡回指導に行くこともあります。スクールは一日に4クラスあって、現在担当している子どもたちは200人近いです」
Q5 指導で意識する部分は?
自ら考えることを大切に
「一番はサッカーを楽しんでもらうこと、そしてその中で考える力を養ってほしいと思っています。子どもたち自身で考え、感じてほしいので、練習メニューを説明する時はあまり詳しく伝えすぎないように意識しています。そういった自発性に加え、FC東京のスクールでは『青赤キッズの心得』というものがあ ります。『あ』いさつ・『お』もいやり・『あ』きらめない・『か』んしゃの4つの頭文字を合わせたもので、プレー以外の、人間として大事な部分の指導も重視しています」
Q6 指導で感じる難しさや喜びは?
明確に伝えることが重要
「子どもたちはとにかくたくさんボールに触れたいし、その中でコーチは伝えるべきことを伝えたいものです。そのバランスがとても難しいですね。だらだらと説明をするのではなく、伝えるべきことを絞って明確にすることを心がけています。その結果プレーに変化が出たり、『楽しかった』と言ってくれたりすると、やりがいや喜びを感じます。憧れである中学時代のコーチのような、子どもたちを惹きつける、話を聞きたいと思ってもらえる指導を意識しています」
Q7 TSRの学びが今に活きていること
実践とフィードバックの繰り返し
「TSRでは授業でも現場実習でも、コーチ活動を学び実践する機会が数多くありました。いずれにも共通していることが、『実践後、すぐにフィードバックがもらえる』ということです。実習でCLUB-TSR というサッカースクールに参加していたのですが、そこでメインコーチを務めた時に全然上手くいかないことがありました。そんな時も担当してくださる講師の方からアドバイスをもらえたことで、翌週の授業や実習ですぐに活かすことができました」
Q8 今後の展望は?
クラブの普及と育成年代の指導
「スクール活動を通じてFC東京をもっと世の中に普及していきたいです。また、自分がサッカーコーチに憧れを抱いたのが中学時代なので、将来的には中学生年代への指導にも携わっていきたいと考えています」
平日のとある一日のスケジュール
7:00 | 起床 |
9:00 | 出社 |
10:00 | 巡回指導(幼稚園・小学校) |
11:30 | 巡回指導終了 |
12:00 | 昼食 |
14:00 | ミーティング |
15:00 | スクール(4クラス) |
20:00 | スクール終了 |
21:00 | 帰宅 |
取材・文/緒方瑞貴
写真協力/FC東京