夢を叶えた先輩に聞く!トレーナーという生き方(藤本栄雄/サンフレッチェ広島)
サッカーを仕事にする事は、プロサッカー選手になる以外にもたくさんある。
今回、紹介するのはサンフレッチェ広島でトレーナーを務める藤本栄雄さん。トップチームから育成年代、女子チームまで多岐にわたって数多くの選手をサポートする、プロフェッショナルの取り組み方について伺った。
Q1 サッカー歴は?
小学校低学年から高校卒業まで
「小学校低学年から高校卒業までGKとしてサッカーに明け暮れました。昭和の香りがする熱血指導のサッカー部だったので、1年生のとき33人いた同学年の選手が3年生のときには9人になっていました(苦笑)。高校の頃から、漠然とサッカーに関わる仕事をしたいと思っていましたね」
Q2 なぜトレーナーを目指すことに?
漫画のキャラクターがきっかけ
「高校時代に読んでいた『Jドリーム』というサッカー漫画に、鍼一本でケガを治す小林トレーナーというキャラクターが登場します。『本当にこんな世界があるの?』と興味を持ち、実際にトレーナーの仕事を調べていく内に、アスレティックトレーナー(AT)の資格が必要であることを知り、東京スポーツ・レクリエーション専門学校(TSR)に進学することを決めました」
Q3 TSRで努力したことは?
座学と実技のギャップを埋める
「知識があっても、現場では通用しないことが多々あります。座学と実技を繰り返し学び、トライ&エラーを積み上げていったことがATライセンスの取得に役立ったと思います。僕の在学時には山岸貴司先生(日本サッカー協会レフェリーフィジカルコーチ)から専任でご指導いただき、最終学年の時に入れ替わりで現在TSR副校長の後関慎司先生がいらっしゃいました。後関先生は卒業後も一人の人間としてすべきことを問いかけていただき、今も私に気付きを与えてくださる存在です」
Q4 TSR卒業後は
TMSで医療資格を取得
「トレーナーとして第一線で活躍されている方は医療資格を持った方が多かったので、介護老人保健施設で2年務めた後、TSRの鍼灸科(現・東京メディカル・スポーツ専門学校「TMS」鍼灸師科)で新たに治療の勉強をし、国家資格である鍼灸師の資格を取得することができました。スポーツの現場で働く想いは 変わらず、2006年に開校したJFAアカデミー福島(JFAが推進するエリート養成機関)にトレーナーとして携わることになりました」
Q5 育成年代で苦労したことは?
ブレがないように努力した
「JFAアカデミー福島において僕が発信する言葉はJFAが発する言葉になりますから、そこには多くのプレッシャーと葛藤がありました。それこそ毎日壁にぶつかり、乗り越える作業をしていたと思います。そんな中、自分にブレがあっては説得力を失ってしまいますから、コーチには常に先手を打ってリハビリに励む選手の復帰スケジュールを伝えて、後手に回らないように努めました」
Q6 現在の業務内容は?
トップ、ユース、女子を担当
「サンフレッチェ広島ではクラブの中にメディカルチームがあり、私はトップチームとユースを主に担当し、今年スタートした女子チーム『レジーナ』もサポートしています。多岐にわたるカテゴリーを見ていますので、それぞれのカテゴリーに合わせた対応が求められています。個人の治療やリハビリも当然大事なのですが、メディカル、テクニカル、各々の役職の方と連携し、進捗状況を共有して、最終的に監督が決断できやすくする状態にすることを心がけています」
Q7 喜びを感じる瞬間は?
伝えたことを継続してくれること
「選手が成長していく過程を見れること。トップの選手でもユースの選手でも、できなかったことができるようになること。また、伝えたことを継続して取り組んで過去の自分をアップデートして成長する選手をサポートしていけることに喜びを感じます」
Q8 高校生に伝えたい事は?
自分がどうなりたいかを考える
「競技できる時間は限られていますから、悔いが残らないように今この瞬間を大事にサッカーを楽しんでほしいと思います。そして、サッカー以外の部分でも何か目標を持ってもらいたいと思います。そうすることで様々な可能性が広がってくると思います」
ある1日のスケジュール
7:00 | 出勤 |
8:00 | ミーティング |
9:00 | トップ選手TR前ケア |
10:00 | トレーニング |
12:00 | トップ選手TR後ケア |
15:00 | ユースミーティング |
16:00 | ユーストレーニング |
19:00 | ユース選手TR後ケア |
21:00 | 帰宅 |
写真協力/©2021 S.FC