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言葉がけでスキルが上がる3つのポイント①「信頼関係の構築」

皆さまこんにちは!いかがおすごしでしょうか?
サッカーコーチ・パーソナルトレーナー、企業研修・経営コンサルタントの丸山寛之です。

東京オリンピック、パラリンピックも無事終了し、明るいニュースをたくさん届けていただきまして感謝の言葉しかありません。「オリンピックで金メダルを目指したい」という子どものインタビューをみて、本当に素晴らしい祭典だったなと改めて思いました。

さて、今回は「言葉がけでスキルが上がる3つのポイント」をテーマにお伝えしていきたいと思います。

言葉がけの3つのポイントとは?

言葉がけというとこれまで「褒める言葉がけ」をはじめ「ポジティブな言葉がけ」を中心にお伝えしてきましたが、「ただ褒めればいいのか?」というとそれだけでは足りません。先日、こんな相談を受けました。

「これまで選手たちに怒る指導ばかりしていましたが、それでは選手がついてこないということに気づき、最近はとにかく褒めるようにしています。しばらく続けていますが、指導スタイルを変えたのに、なかなか選手たちがうまくまとまりません。好き勝手なことを言うようになり、前の指導スタイルの方がまだマシだったのかなと、自分がやっていることにも疑問が出てきてしまいました」

この方には、言葉がけについて3つのポイントをお伝えしました。ズバリ、3つのポイントとは、「①信頼関係の構築」、「②場づくり」、「③フィードバック」です。
今回はこの3つのポイントのうち、「①信頼関係の構築」についてお伝えしていきます。

選手一人ひとりの課題や悩み、把握できていますか?

信頼関係の構築と聞くと、「それはそうだろ」、「当たり前」という声が聞こえてきそうですね。でも、あなたは本当に選手と信頼関係が築けていますか?
例えば、選手一人ひとりの顔を思い浮かべていただいて、一人ひとりの課題や悩みを本人の口から聞いて知っていて、それを解決しようとしているでしょうか?
上記のことを選手から聞き出すためには、普段からのコミュニケーションも重要ですが、個人面談等を実施しなければ、なかなか知ることはできないと思います。

選手は自分のことを知ってくれていて、自分のためになることを真剣に話してくれる人を信頼します。
例えば、自分のことを全然知らない人から「君は才能があるから頑張ればもっと伸びる」と言われても、根拠がないので全然響きませんよね。でも、信頼関係がある人から言われたときは、「頑張ろう」という気持ちが湧いてくると思います。

 

つまり、監督やコーチ等が一方的に言いたいことばかり言うのではなく、選手の気持ちに寄り添って、真の悩みや課題を把握することが必要なのです。

真の悩みや課題を把握できれば、個別に声をかけたりする場合だけでなく、選手全員を集めて全体で話をする際にも、一人ひとりの悩みや課題を意識しながら全体的な話をすることで、選手は自分にアドバイスをもらえていると感じ、信頼関係が構築されるとともに、話もちゃんと頭に残るようになります。
もし悩みや課題を把握せず、監督やコーチが自分の言いたいことだけ言っていると、選手はどう感じるでしょうか。「自分には関係のない話」、もしくは「どうせ自分のことは何もわかっていない」といったことを思うはずです。

表面的には選手が言うことを聞いてくれているように見えていても、言った通りに動いてくれなかったり、何度も同じことを言わなければならなかったりする場合は、信頼関係が構築されておらず、実は全く話を聞いていなかったり、話が選手に響いておらず、頭に残っていなかったということが原因です。

選手と信頼関係を構築するには?

ということで、心当たりがある場合は、まず選手一人ひとりの話を把握することから始めましょう。
一人ひとりの悩みや課題を聞くための手法としては個人面談があります。時間がかかりそうと思うかもしれませんが、10分程でも十分深い話を聞くことができます。
面談のポイントとしては、監督やコーチは面談の目的だけを最初にしっかりと話し、それ以外の自分の意見や言いたいことはを一切言わないことです。ひたすら「質問」と「傾聴と共感」を使い、相手が言いたいことを引き出すことが大切です。

私はこれまで多くの方を研修等で見てきましたが、「傾聴と共感」がちゃんとできている人はほとんどいませんでした。
「傾聴」は相づち、おうむ返し、驚きの言葉等、割と普段からできているかもしれませんが、「共感」を使えている人は少なかったので解説をしておきます。

「共感」とは、「相手の気持ちを、まるでその人であるかのように感じ、それを言葉で返すこと」を言います。言葉通りに相手に返すことではありません。
例えば、勝負に負けて悔しい時。言葉では「しょうがない」と相手が言っていたとしても、表情や話の前後関係から「悔しかった」ことをくみ取って、「もうちょっとだったのに悔しいよね」といったように、気持ちを読み取って言葉で返すことです。この「傾聴と共感」を使って相手の考えを引き出すことが必要です。

もう一つのポイントは「適切な質問」です。相手が話したことに対して、「傾聴と共感」を使いながら、「それはどういうことですか?」、「それはなぜですか?」、「それはどこですか?」等の「5W2H」の「適切な質問」を使うことで真の悩みや課題が浮き彫りになってきます。

5W2H
When(いつ)/Where(どこで)/Who(誰が)/What(何を)/Why(なぜ)
How(どうする)/How Much、How Many(いくら、いくつ)

最後に、出てきた悩みや課題を確認しておくことで、思い込みや勘違いを無くすことができます。

ということで、今回は「信頼関係の構築」についてお伝えして参りました。
次回以降、残りの2つのポイント、「②場づくり」「③フィードバック」をお伝えしたいと思います。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。皆さま、お体に気を付けてお過ごしください!!

WRITER PROFILE

丸山寛之

コア・エリート株式会社 代表取締役社長。 JFA公認C級コーチ、JFA3級審判員。 強いチームをつくる、チームプロデューサーとして経営コンサルティング、企業研修、講演等の傍ら東京都においてU-12の女子サッカーのトレセンコーチ、U-15の女子クラブチームのコーチを行う。また、年に数回はJFAのガールズフェスティバル等の開催にも加わり、将来のなでしこ育成に携わっている。

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