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セレクション準備と本番での心構え【大槻邦雄の育成年代の「?」に答えます!】

サカママ読者の皆さま、こんにちは! 大槻です。
今年の夏はこれまでとは違った夏となりました。昨年以上に感染症対策をしながらの大会運営、合宿や遠征の自粛を余儀なくされてしまったクラブも多いことでしょう。制限のある中で各自が出来ることを考えて過ごした夏だったのではないでしょうか。

さて、前回は進路の考え方とセレクションについてポイントを整理していきましたが、今回はセレクションまでの準備と本番での心構えについてまとめていきたいと思います。

セレクションの前に練習会に参加しよう!

前回、『進路選択の三角形』の話をさせていただきました。

 
自宅・学校・クラブを結んでつくる「進路選択の三角形」。それぞれの移動距離が長くなると、負担が大きくなってしまいます。

成長期の子ども達の心と身体の成長を考えたときに優先すべきポイントです。まずは『進路選択の三角形』を考慮して、現時点の自分の実力に応じたクラブまたは学校のリストアップをしてみましょう。

クラブまたは学校のリストアップが終わったら、練習会に参加できるか確認しましょう。
練習会は、事前にクラブの雰囲気を体験出来る貴重な機会です。クラブによっては開催していないところもあるので、ホームページなどをチェックしてみてください。情報が掲載されていない場合は、クラブに問い合わせをしてみることをおすすめします。

そして、練習会に参加する際には、下記のポイントを確認してみてください。

①自宅からの距離

『進路選択の三角形』を確認する意味でも、まずは毎日通うことをイメージした移動手段で参加してみるといいでしょう。自転車、公共交通機関などいろいろな手段があるかと思いますが、保護者の方も一緒に移動してみることをおすすめします。

②練習の雰囲気

練習会では、実際の練習の雰囲気を感じることが出来ると思います。もちろん練習内容も大切なポイントですが、それ以上に指導者の働き掛けと、それに対する子どもたちの反応を見ておきましょう。

③実際に通っているご家庭の話を聞いてみる

入団したのは良いけど、思っていたのと違っていた…馴染めなかった…そんな話もよく聞きます。このようなミスマッチを減らすためにも、実際に通っている先輩やその保護者の方に普段の様子を聞いてみることをおすすめします。練習会では見えなかったこと、指導者の様子、費用などについて確認してみると良いと思います。心も身体も成長していく大切な時期ですから、事前の情報は大切です。

セレクション本番での心構え

 

では、実際のセレクションではどのような心構えが必要なのか? 各クラブによって求められる基準は違ってくるので、私自身が大切にしているポイントをご紹介したいと思います。

①サッカーをすること

セレクションということもあり、過度に自分をアピールしようとドリブルばかりになってしまう選手を見ることがあります。しかし、状況に合わないドリブルや周囲を無視して自分のプレーを続けてしまうと逆に評価を下げてしまうことがあるので注意が必要です。
まずは、その日のそのメンバーで勝利を目指すことが大切ではないでしょうか。試合の状況やお互いのプレーの様子を見て、自分自身が出来ることに一生懸命になる。そういった『姿勢』が必要なのだと思います。

②〝取り組む姿勢〟を大切に

評価されるのはグランド上のパフォーマンスだけではありません。セレクションでは人物を評価するクラブが殆どですから、物事に取り組む姿勢、聞く力や話す力も評価の大きな割合を占めるでしょう。
中学の3年間は心と身体が大きく変わっていく時期です。セレクションの時点で技術的に劣る選手であっても、ベースとなる〝取り組む姿勢〟があれば逆転していく可能性が高いのです。もちろんこれは「セレクションだから頑張る!」というものではなく、日頃の積み重ねによって見えてくるものです。

③自分の武器を明確にすること

クラブの考え方によって違いはあると思いますが、同じようなタイプの選手が大勢いるチームよりも、各ポジションに適した特徴のある選手がいるチームの方がより機能的なチームになるでしょう。ですから、何でも平均的にプレー出来る選手よりも、一つでも特徴がはっきりしている選手の方が魅力的であると言えます。
もちろん高いレベルで何でも出来ることも個性の一つですし、足が速い、キックが得意、ヘディングが強い、守備では絶対に負けない…など自分にしかない武器がはっきりしていると良いと思います。自分のどんなプレーで他の選手と差を作り出すのか…一度、整理してみると良いかもしれませんね。

結果に一喜一憂せず、セレクションを成長のきっかけにすること

 

以前にもご紹介しましたが、いつも子ども達に伝えている言葉があります。

「その結果が良かったのか、悪かったのかは、今わかることではないよね? その結果が良かったと思えるように、これからの時間を過ごしていかないといけないよ」

結果だけに一喜一憂するのではなく、セレクションを一つの成長のきっかけと捉える視点が必要なのだと思います。本気で向き合ったからこそ自分自身の新しい可能性に気が付けるものなのではないでしょうか。

話は変わりますが、先日、低学年の息子のサッカーの試合を観戦するチャンスがありました。試合はかなりの大差で負けてしまったのですが、最後まで相手のボールを追い続けていた息子の姿がありました。
どんな状況でも自分自身のベストを尽くすこと。息子の姿に改めて勉強させられました。『周囲と比較するのではなく、自分自身のベストを尽くすこと』。何事にも共通する必要な心構えだと思っています。

WRITER PROFILE

 大槻邦雄
大槻邦雄

1979年4月29日、東京都出身。
三菱養和SCジュニアユース~ユースを経て、国士館大学サッカー部へ進む(関東大学リーグ、インカレ、総理大臣杯などで優勝)。卒業後、横河武蔵野FCなどでプレー。選手生活と並行して国士舘大学大学院スポーツシステム研究科修士課程を修了。中学校・高等学校教諭一種免許状を持ち、サッカーをサッカーだけで切り取らずに多角的なアプローチで選手を教育し育てることに定評がある。

BLOG「サッカーのある生活...」も執筆中
★著書「クイズでスポーツがうまくなる 知ってる?サッカー