藤原優大(浦和レッズ)「埼玉スタジアムで、レッズの一員として戦える誇り」
常勝軍団・青森山田のキャプテンとして選手権で準優勝に導き、高卒でレッズ入りを果たした注目ルーキーは、Jデビュー戦でのアクシデントで2カ月の戦線離脱を余儀なくされた。出鼻をくじかれながらも、世代を代表するセンターバックは自分を信じて前進を続けている。
「次はない」決意で臨んだケガからの復帰戦
-3月、ルヴァン杯でのJデビュー戦による左眼窩底骨折(全治4週間)から2カ月、4月28日の同杯湘南戦ではフル出場で無失点に抑える活躍でした。
「プロになってから、チームが目指す戦術に対して十分に応えられていない中で、やっと巡ってきたチャンスでした。スタメンに抜擢され、ここでいいプレーを見せないと『次はない』と思ってやりました。練習でもミスが続いていましたが、メンタルの部分でも安定してプレーできたと思います」
-1月の高校サッカー選手権決勝以来の埼玉スタジアムでの試合はいかがでしたか?
「選手権の時とは『別のスタジアム』というくらい違いました。この素晴らしいスタジアムで赤一色の中でプレーできる誇りと、自分がレッズの一員であることを実感しました」
-藤原選手は世代の代表的な選手であり、チームの期待も大きいと思います。負傷からメンタルをどう持ち直していったのですか?
「ここからというところで出鼻をくじかれ、メンタル的にも落ち込みました。ケガから復帰しても自分のプレーができずに、正直縮こまってビビっていたと思います。負傷からの2カ月で、どこが成長したかと聞かれたら、何も言えません。でもチームのどの選手も前向きなコーチングをしてくれて、チャンスをくれた監督・スタッフに感謝したいです。まだまだこれからです」
結果を残し、プロとして成長する1年にしたい
-青森山田の主将としてけん引した昨年のコロナ禍を振り返って努力したことは?
「選手権は準優勝でしたが、結果を残していたことで周囲からは肯定的に見えていたと思いますが、決して全部がうまくいっていたわけではありません。試合が延期になり、目標がない中でチームを引っ張っていくのは正直辛かった。どこにモチベーションを持てばいいのか、向上心を失ったこともありました。でも、チームでミーティングを重ね本気でぶつかり合い、選手権だけは開催されると信じて照準を合わせて行きました。黒田剛監督からプレーの基準は『プロで通用するか』を求められ、縦パス一つでも、プロの歩幅でも取られない位置に通すことを心がけていました。同じ志を持ったチームのメンバーがいてくれたおかげで、プロを意識してやって来られたと思います」
-プロ1年目、今季の目標を教えてください。
「試合で結果を残してアピールすることはもちろんですが、そういった中でも自分の成長を意識していきたい。もっとカラダを大きくしないと通用しないし、戦術理解もまだまだです。自分に足りないものを一つひとつ克服して、選手として成長していきたいです」
-高校生プレーヤーにメッセージをお願いします。
「夢を叶えた後も次の目標を設定して研鑽しないと、人は向上しません。『もっともっと上へ』という向上心を持って、サッカーと向きあってほしいと思います」
写真/©URAWA REDS