ゲームで主導権を握る「守備のON・OFFでの対応」のトレーニングポイント
皆さまこんにちは! いかがおすごしでしょうか?
サッカーコーチ・パーソナルトレーナー、企業研修・経営コンサルタントの丸山寛之です。
新型コロナウィルスの感染拡大の終息がなかなか見えない状況ではございますが、いつ試合が始まっても良いように準備はしておきたいものです。
ということで、今月は試合で相手チームより多くのポゼッションを獲得するための一つの手法である「守備のON・OFFでの対応」をお伝えしたいと思います。
守備のON・OFFでの対応
「守備のON・OFFでの対応」は、「チャレンジ&カバー」と言われることもあり、ONはボールを保持している時の対応、OFFはボールを保持していない時の対応を指します。連係プレーを考える前に個々の選手が「ボールを奪いきる」という意識を強く持つことが必要です。
この意識が薄いと、近くにボール保持者がいるのに奪いに行かなかったり、インターセプトができていたかもしれないのに狙っていなかったり、簡単に相手にかわされた後、簡単に引き離されたりしてしまいます。
逆に「ボールを奪いきる」という意識を強く持てれば、相手の好きなようにさせない、さらにはボールをすぐに奪えるので、自チームのボール保持の時間が長くなり、試合での主導権を握ることができます。
繰り返しますが、まずは「個人個人がボールを必ず奪うという意識を持つこと」が重要です。その上でのチーム内での連携となります。
それでは、これをどのようにトレーニングすればよいのかを見ていきましょう。
ウォーミングアップ1:ハンドパスゲーム
人数:6人
大きさ:12m×12m
3対3で行うウォーミングアップメニューです。ハンドパスなので、ボールは手で扱います。6m×6mの各ゾーンには攻撃側、守備側各1人ずつしか入れません。攻撃側はボールをパスしていき、守備側はそれを取ることが目的です。ボールを取られたら攻守を交代します。
キーポイント
- 味方が同じゾーンに重ならないように声がけと観察を促す
- ボールを奪う意識(インターセプト、直接奪う、かけひき)
- 相手、味方、ボールの位置を常に確認(ボールの動きだけをみない)
- 同一視できる体の向き
- ステップワーク
- パスコースを切りながら奪いにいく、味方はその動きを見ながらインターセプトを狙う
ウォーミングアップ2:ドジング
人数:2人
用具:マーカー
大きさ:12m×4m
こちらのウォーミングアップメニューもボールは手で扱います。攻撃側は左右の手にボールを持ち替えながら前進、守備側は攻撃側がボールを持っている手の正面に素早く入るようにします(体はボールに正対します)。
6mあたりまで前進したら、攻撃側は相手を抜き去る動きをし、守備側はそれに併走してファールしないように体軸であたりながら相手を押し出します。
キーポイント
- 守備側は正対した時に足の位置が相手に対して平行にならないようにする(抜かれそうになってもついていける足の位置を意識)
- 守備側は手を出せばボールに触れるくらいの間合いを取り続ける
- 守備側は相手の正面ではなく、ボールの正面に入るようにする
トレーニング1:1対1
人数:2人+コーチ(配給役)
用具:コーン、マーカー
大きさ:コーン ― マーカー間15m
コーチからの配給で1対1をスタートさせます。攻撃側はボールを受けたら、左右どちらかのコーンゴールをドリブルで突破することを目指します。守備側のスタート位置はゴールとゴールの間で、コーチがボールを配給してから動き出し、攻撃側からボールを奪うことを目指します。攻撃側がコーンゴールを突破、もしくは守備側が攻撃側からボールを奪ったら終了です。
キーポイント
- 必ずボールを奪うという意識
- ボールが配給された瞬間にいかに間合いを詰められるかが重要
- 守備側は相手と併走になったら、腰から相手とボールの間に体を入れてボールを奪う
- 守備側はボールに正対するが、足は平行にならないようにして、抜かれそうになってもついていく
- 守備側は抜かれても簡単にあきらめず、最後までついていく(相手のプレッシャーとなりミスがでる場合がある)
トレーニング2:3対3+1サーバー+GK
人数:8人+コーチ(配給役)
大きさ:30m×25m、オフサイドライン12m
攻撃側、守備側、それぞれ1対1で対応する相手を決めておき、コーチからサーバーへの配給でスタートします。サーバーはまず攻撃側の選手にボールを配給します。攻撃側はゴールを狙い、守備側は攻撃側からボールを奪ってサーバーへパスすることを目指します。尚、攻撃側の選手はサーバーを使うことができます(ただし、サーバーの位置は動かせません)。
キーポイント
- 必ずボールを奪うという意識
- ボールが配給された瞬間にいかに間合いを詰められるかが重要
- 粘り強い守備(抜かれても最後までついていく、中に入れさせないためにスライディングしてでも止める)
- 守備側は相手と併走になったら、腰から相手とボールの間に体を入れてボールを奪う
- 守備側は中を絞る(外に開く相手にむやみについていかない、中央を守る立ち位置)
- 攻撃側はボールに守備側の誰が近いかを常に意識し、近い選手がすぐに寄せることを原則とする
この後、最後はゲームを行います。ゲームでは各ウォーミングアップ、トレーニングにあげたキーポイントを意識してやってみましょう。実際のゲームの中でできるかどうかで身につくかどうかが分かれます。まずは意識させ、行動を促しましょう!
以上、今回はゲームで主導権を握る「守備のON・OFFでの対応」のトレーニングポイントをご紹介させていただきました。続けていると試合での主導権を握れるようになりますのでトライしてみてください。
次回はまた状況をみてテーマを決めたいと思います。お楽しみに!
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。皆さま、お体に気を付けてお過ごしください!!