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“休む”選択できていますか?怪我や体調との向き合い方

こんにちは! 元なでしこリーガーの吉野有香です。

ここ数日は気温も高く、すっかり日も長くなってきましたね。陽が長くなってくると、ついつい、いつまでもトレーニングをしてしまう! そんなお子さんも多いのではないでしょうか?

“休む”ことに抵抗があった子どもの頃

私も小学生の頃は、自分のチームの練習が休みの日も家の近くのグランドへ行き、サッカーばかりしていた記憶があります。

当時の心境を振り返ってみると、“休む”ということに抵抗があったような気がします。

「1日でもボールを蹴らないと技術が落ちてしまう!!」
「みんなもたくさん練習してるんだから、私はその倍の量練習しないと!!」

と、いつも何かに追われていた記憶があります。しかし、その練習量の分、怪我のリスクは高まっていき、小さい頃からよく怪我に悩まされていました。

そんなこともあり、小学生くらいの頃からよく病院に通ってはいたのですが、身体の知識があるわけではないので、ドクターの言うことと、自分のサッカーをしたい気持ちを天秤にかけて、いつも悩んで、焦って、少し早めに復帰していました。

しかし、今思うとたくさん練習したことで本当に上手くなっていたのかは正直わかりません。練習のない日は身体を休めて、しっかり食べて、良く寝る。そんなふうにメリハリを付けてやっていたら、もしかしたら結果はまた変わっていたかもしれません。

特に女子選手は高学年になれば生理が始まり、身体がどんどん変化していきます。自分が小学生の頃は、生理がくることで自分の身体がどうなるのかあまりわかっていませんでした。

大人になるにつれて、生理だと身体がなんとなく重いんだな、とか、脚が浮腫むんだな、頭の中がクリアじゃないな、といったことを感じて、自分の体調を素直に受け取ることはできるようになりました。

ですが、そういった知識がなかった子どもの頃は、自分に矢印を向けてしまい、「なんでこんなに今日は動けなかったんだ!」「体力がない自分が悪いんだ!」と、自分を責めて悲しかった覚えがあります。

だから、また無理矢理にでも頑張って練習をしてしまう。体調が悪いままなので、練習の内容もしっかり考えられないまま、ただがむしゃらにやるだけになってしまっていたかもしれません。

練習自体は悪いことではないですが、今になってみると、たまにはしっかりと"休む"という選択肢を小さい頃の自分に与えて、休むことを許してあげたかったなと思います。

100%でプレーできないのであれば、100%で戦えるまで待ってみる

私はもともと小さい頃に足首を悪くしたこともり、今では靭帯があるかないかわからないくらい、足首はゆるゆるです。もし、あの時にちゃんと休んで、無理せずにしっかり治してから復帰していたら、もしかしたら今でも丈夫な足首だったかもしれません。

身体は繋がっていて、私の場合、足首の緩さから膝への影響も考えられます。あの頃に我慢しておけば、前十字靭帯を断裂することもなかったかもしれないと思うこともあります。そしたら30歳までサッカーができていたかもしれません。

怪我に悩むことの多かった私が今言えるのは、「自分の痛いところを隠して100%でプレーできないのであれば、100%で戦えるまで待ってみる」ということです。

周りを見れば焦ります。焦る気持ちも十分わかります。だけど長い目で見た時に、一時の我慢と、長い間怪我と付き合っていくのか、どちらの方がいいのかを一度考えてみてほしいなと思います。

お母さんたちは、お子さんが「もう大丈夫!」と言うと、「好きなサッカーを早くやらせてあげたいし、早めに復帰してもいいかな…」と思うかもしれません。でも、子ども達は自分の身体の痛みに鈍感なところもあります。復帰のタイミングはしっかりドクターと相談して、怪我の間は他にやれることを一緒に考えてみるといいかと思います。

ずっと楽しくサッカーをするためにも、怪我との向き合い方を考えてみてくださいね。

WRITER PROFILE

吉野有香
吉野有香

元なでしこリーガー(女子サッカー選手)

愛知県出身。常盤木学園で全国大会優勝を経験後、なでしこリーグのクラブに加入。引退後に起業し、サッカー指導者やメンタルコーチ、解説MCなど、全国で広く活動している。
現在は株式会社ゆかサルを設立。京丹後市に女子サッカークラブを立ち上げ、まちおこしとサッカーを掛け合わせたプロジェクトを発足。同時に女子アスリートのキャリア支援なども行っている。

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