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“ジャパンスピリット”で世界のマーケットへ【サッカーを仕事にするということ】

サッカービジネスの最前線で働く方々を紹介する本企画。2020年はコロナ禍による大会の中止やJリーグの中断により、サッカーを仕事にする方々にとっても苦難の年となった。今回の特集では現在の仕事に辿り着いた道程や仕事内容だけでなく、withコロナにおける各々の取り組みについてもお話を伺った。

 
 

富田 壮さん
ミズノ株式会社 シューズ企画担当

Q1 サッカーとの関わりは?

大学時代にスペインにフットサル&語学留学
小学生の頃、地元の少年団でサッカーを始めました。中学、高校と部活でサッカーをやっていましたが、自分と合わないこともあって高校1年の夏には退部。ただ、学校の勉強は疎かにしないように努め、趣味としてフットサルを続けながら大学に進学しました。弟がドイツでプレーしていた影響もあって、「後悔したくない」と大学4年次に休学して2年間スペインに留学しました。午前中は語学学校に通いながら、夜はクラブチーム(スペイン4部リーグ所属)でプレーするといった生活をしていました。ただ、所属していたクラブのトップチーム(2部所属)は「別競技」というくらいレベルの差がありました。1シーズンプレーした後、第一線でプレーを続けることに区切りをつけました。

Q2 現職への経緯は?

スペインでの出会いからミズノを選択
自分が好きなサッカーやフットサルをプレーしていた時、「夢・目標」を持つことの大切さを感じていました。困難な状況の時も、「夢・目標」があれば頑張れてきたので、「好きなことであれば頑張れるかな、好きなサッカーを仕事にしたいな」と漠然と考えていましたが、最初からサッカー界に身を置くと視野が狭まると思い、金融、広告関係の就職を考えていました。その時、唯一別の職種で試験を受けていたのがスポーツメーカーのミズノだったんです。スペインにいた2013年、世界水泳のアルバイトをしていたのですが、そこでミズノ水泳部門の販促の方と知り合いになった縁があり、「こんなスポーツとの関わり方もあるのか」と興味があったんです。結果的に証券会社とミズノから内定をいただいたのですが、「好きなことを仕事にする」という自分の心の声に従って、ミズノに行くことを決めました。

Q3 入社後の仕事内容は?

サッカーのプロ/アマの販促対応
サッカー販促担当部署に配属されました。トップ対応はミズノの契約選手、Jリーグの契約クラブを対象に、アマチュア販促は高校、大学サッカー部の活動をサポートする業務になります。前者はイメージの通り、プロ選手にミズノのギアを使用してもらってブランド価値を高め、より多くのお客様に選んでいただく機会を創出すること。後者は継続して学校に通うことで信頼関係を築き、結果的にミズノの製品を選んでいただくことがミッションとなります。

Q4 現在の業務内容は?

シューズ企画としてチームで奮闘
その後、営業を経てサッカーシューズ商品企画に異動となりました。お客様が求める商品の市場調査からコンセプト立案し、開発期間を経て、実際に発売するまで2年ほどになります。その間にサンプルを何度も作成し、発売までプロダクトの完成度を高めていく内容が主な業務になります。我々の定めたディレクションに基づいて、デザイナー、開発、ソーシングといった各プロフェッショナルがチームとなって製品を創り上げていきます。

Q5 「伝統を守る新製品」とは?

難しいからこそ価値がある
初代誕生から35年、モレリアは「軽量/柔軟/素足感覚」をコンセプトに、“完成形”に近い製品を改良していくという非常に難しいミッションを担っています。確かに困難な挑戦ですが、だからこそのやりがい・価値を感じています。また、REBULAは現代サッカーに求められるプレーに対し、ミズノの答えの一つとして、ミズノ独自のテクノロジーを搭載したテクノロジーシリーズとして展開しています。モナルシーダはモレリアやモレリアネオのコンセプトをエントリーモデルからトップモデルまで搭載しているシリーズで、ジュニアからユースや大学生まで、多くのプレーヤーに支持されています。

Q6 今後の目標は?

世界中の子どもにミズノのシューズを届けたい
我々が目標としているのが「日本発のグローバル・フットボール・ブランド」になることです。日本の多くの少年少女がミズノのシューズを履いてサッカーをしていますが、今後は世界中の子どもたちが我々のシューズを履いている景色をつくりたい。そんな想いで日々開発にあたっています。ミズノフットボールは“ジャパンスピリット”のスローガンで活動をしていますので、すべてのサービスにおいて、サッカーに真剣に取り組んでいる選手を応援していきたいと思っています。

Q7 高校生に伝えたいことは?

「何でもできる」気持ちを大切に
「何でもできる」という気持ちは若い高校生の時だからこそ持てると思います。色々なことにチャレンジして、その中で自分が夢中になれることを見つけていってほしいと思います。

思い出の1ページ

チームで何かを創り出す過程

 

チームとなって何かを創り出すという作業はやはり楽しいです。僕が企画に携わったシューズがまだ商品化されていないので、店頭に並ぶ瞬間の喜びは分からないのですが(苦笑)、選手にヒアリングしていく中で「シューズめちゃくちゃいいです」という声をいただくことが素直に嬉しいです。

 
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