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メルカリとの相乗効果でさらなる地域貢献【サッカーを仕事にするということ】

サッカービジネスの最前線で働く方々を紹介する本企画。今年はコロナ禍による大会の中止やJリーグの中断により、サッカーを仕事にする方々にとっても苦難の年となった。今回の特集では現在の仕事に辿り着いた道程や仕事内容だけでなく、withコロナにおける各々の取り組みについてもお話を伺った。

 
 

寺嶋博信さん
鹿島アントラーズ 
マーケティンググループ地域連携チーム

Q1 サッカーとの関わりは?

運営の手伝いからサッカーを支える仕事に興味
小中高とサッカーを続けてきて、特に実績は残せていませんが、ずっとボールを追いかけ続けた学生時代でした。合宿した際に大会運営のお手伝いをしたことで、スポーツに関わる仕事があることを知り、興味を持ち始めました。そこで大学はスポーツマネジメント、スポーツ社会学等を学べるところに進学しました。卒業後はスポーツイベント会社に就職し、新潟県にあるJリーグクラブに出向して、グッズ担当などを経験した後、地元・宮城県にある仙台市の障がい者スポーツ団体に勤務するようになりました。振り返るとずっとスポーツに携わる仕事を続けてきましたね。

Q2 現職への経緯は?

イベント会社の知人のご縁から
イベント会社時代の知り合いのご縁から、2018年に鹿島アントラーズで働くことになりました。子どもの頃からアントラーズの大ファンだったので、まさかこのクラブで働けるとは思ってもいませんでした。入社後はグッズなどマーチャンダイジングを担当し、昨年の9月から地域連携チームの一員として働いています。

Q3 クラウドファンディングについて

ホームタウン5市の協力から目標達成
コロナ禍によるクラブの収入減少に支援いただく目的で、鹿嶋市とその他のホームタウン4市(潮来市、神栖市、行方市、鉾田市)の協力を得て、6月にふるさと納税型クラウドファンディングを開始いたしました。結果、一カ月半で1億3000万円を超える寄付金が集まり、全国の多くのファン・サポーターの方からご支援を受けることができました。御礼(リターン)は、スタジアムへのお名前掲載、OB選手とのスタジアムツアーなど用意しましたが、なによりこの苦しい時期に皆さまのアントラーズへの深い愛を感じ、心より感謝しております。この結果はアントラーズだけで成し得られるものではなく、ホームタウンの皆さまと長年築いてきた関係性がもたらした結果であると思います。

Q4 ノンフットボールビジネスについて

こんな時期だからこその挑戦を
ホームゲームは年間20数試合。試合のない日にスタジアムを活用していかなくてはいけません。サッカーやクラブに興味を持ってない人にアントラーズを知ってもらうきっかけ作りとして、スタジアムキャンプ等も行ってきました。天然芝のピッチ上に張られたテントで宿泊体験ができて、パブリックビューイング、サッカー教室、星空観察などが体験でき、好評をいただいています。今後も「コロナ禍だからできない」ではなく、こんな時期だからこそ挑戦できる機会と捉えて、さまざまな施策を考えています。またアントラーズではサッカーだけでなく、他競技の大会なども開催しています。もちろんサッカーをしてくれるのが嬉しいですが、「する」スポーツだけでなく、「みる」スポーツとしてアントラーズを観戦してもらえたら嬉しいです。

Q5 地域貢献で大切なことは?

ともに助け合う共生の精神で
クラウドファンディングで多額の寄付をいただき、クラブとして勝利だけでなく、より一層の御礼をしなくてはいけないと思っています。例えば公式戦が中断している中、コロナ禍で苦しい思いをしている飲食店などの事業者様と手を組み、4月には鹿行の食を届けるプロジェクトを開始し、6月にはドライブスルータイプのマルシェ(市場)イベントを開催しました。クラブと地域社会は、お互いが助け合い、共生して一緒に歩んで行くことが大事なのかと感じています。仕事を進めていくとどうしても主観的になりがちなので、情報を精査して客観視するようにしています。

Q6 メルカリとの相乗効果は?

デジタル領域での地域貢献
アントラーズの親会社であるメルカリのデジタル領域における強みは、ホームタウンのスマートシティ化、スタジアムにおけるキャッシュレス化以外にも生かされていくと実感しています。地域連携チームとしては、今後も行政と連携を強めながら、より住みやすい町となるような地域の課題解決に貢献していきたいと思っています。来年、アントラーズはクラブ創設30周年を迎えますので、両社のシナジーを発揮して、ファンの皆さまに魅力的な機会を作り出していきたいと思います。

Q7 高校生に伝えたいことは?

調べると選択の幅は広がる
僕は高校生の頃、「サッカーを仕事にしたい」と思いながらも、選手以外にどんな仕事があるのかまったく知りませんでした。でも、視点を変えてサッカーに関わる人たちを調べていくことで、未来の選択肢がどんどん増えていきました。知識と経験があるほど、人の選択の幅は広がります。気になることは立ち止まらずに、前に進んでほしいと思います。

思い出の1ページ

未来のアントラーズファンとの出会い

 

非常にやりがいのある仕事なので、何か一つを挙げるのが難しいのですが、未来のアントラーズファンになる子どもたちとの触れ合いが素直に嬉しいです。学校訪問で出会った子が、家族と一緒にスタジアムに来てくれた瞬間はかけがえのないものです。地道な活動を通して、アントラーズと地域との今の関係性があることを実感しています。

 
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