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【サッカーを続けるということ】去石侑矢さん(ガンバ大阪ジュニア コーチ)

高校を卒業してから、プレーヤーとしての道を歩むことだけが「サッカーを仕事にするということ」だろうか。プロになれなかったら、サッカーを諦めるしかないのか。
否、サッカーに関わる仕事は、想像以上にたくさんある。
意外に思える職種であっても、プロ・アマ問わず、サッカーに関連するビジネスは日々生み出されている。当コーナーでは、サッカー関連業界で働く方々にご登場いただき、彼らの歩んできた人生をインタビュー形式で紹介していく。その道程を参考に、ぜひ高校生プレーヤーたちの“サッカー未来予想図”を描くきっかけとしてほしい。

進路にブレずに多くの時間を費やしたことが成功のカギ

 
ガンバ大阪ジュニアで子どもたちを指導する去石さん

Q1 現在の業務内容は?

U-11(5年生)と幼児クラスを担当
ガンバ大阪で働きはじめてから3年目になります。ガンバ大阪ジュニアスクールのU-11(5年生)カテゴリ―と幼児クラスのスクールコーチを担当しています。平日は昼からスタジアムに向い、夕方からスクールの練習があり、夜は週末の試合案内や他チームとの連絡、調整で21~22時頃まで仕事をしています。週末は試合なので、その帯同やU-11以外のカテゴリ―もサポートで帯同しています。

Q2 ガンバ大阪アカデミーの指導理念とは?

地域普及を第一に、サッカーを楽しみ豊かな人間性を育成
ガンバ大阪では、ガンバファミリーを1人でも多くするための地域普及を第一とし、スクール生全員でガンバ大阪でのサッカーを楽しみ、豊かな人間性を育成する事を目的としています。その考えを基に、ガンバ大阪ジュニアとしての試合活動は、他所とはちょっと違う考え方や方法で行っています。他Jリーグクラブのようなセレクション活動等は一切しておらず、JFAの選手登録を希望されるスクール生の中から、公式戦に出場するメンバーを選ばせていただきます。だから下のカテゴリ―からの積み上げを特に大事にしています。

Q3 去石さんご自身の指導方針は?

生徒に「響く」言葉を発せられる指導者でありたい
まだ3年目で模索中です…(苦笑)。ただ、このコーチすごいな。かっこいいな。と思われるような、言葉に芯があり、重みがある指導者になりたいなと常々思っています。僕も小さい頃からサッカーをしていたので、理想とするコーチ像があります。生徒から信頼される存在でありたいです。気を付けていることとしては、日々、生徒の顔色を満遍なく見るようにしています。「今言ったこと、全然響いてないな」と思ったら、言い回しを変え、できるだけ子どもの心に届くコミュ二ケーションを心掛けています。

Q4 サッカー歴は?

不来方高校で県3位が最高位
兄の影響で小1から小4まで地元・岩手県盛岡市の少年団でサッカーをしていました。5年生からグルージャ盛岡(現・いわてグルージャ盛岡)のジュニアチームに移り、ジュニアユースの3年間もプレーしました。岩手県といえば盛岡商業高校や遠野高校が有名だと思いますが、僕はそれ以外の高校から高校サッカー選手権に出場したかったので、不来方高校サッカー部に進学しました。最終的には3位が最高成績で、選手権出場は叶わなかったのです。選手活動を完全に諦めたくはなかったので、履正社医療スポーツ専門学校では、履正社FCとして2年間サッカーを続けました。

Q5 履正社医療スポーツ専門学校を選んだ理由は?

就職実績と優れた経歴を持つ指導者の存在から
進路は高校2年の頃には考えはじめていました。もともと子どもがすごく好きなこともあって、早い段階からサッカー指導者に憧れを感じていたのです。そして高3の夏には履正社医療スポーツ専門学校に行くことを決めていました。ガンバ大阪、セレッソ大阪、ヴィッセル神戸といった関西のJクラブへの就職実績が抜きん出ていたこと、すごい経歴の指導者の方がいること、そして本気でサッカーに打ち込めることが、この学校を選んだ理由です。

Q6 履正社医療スポーツ専門学校で学んだことは?

サッカーを仕事にする総合的な知見を得られた
スポーツ学科サッカーコースに入学しました。同コースには選手として、指導者として、トレーナーとして、審判として、あらゆる道を目指す学生が集まっています。カリキュラムとしての履修を選択していく中で、各々が2年目から専門分野を学んでいくことになります。なので、サッカーを職業にしていく上で、総合的な知見を得られたと思っています。実習として、ガンバ大阪のスクール指導の現場に行かせてもらったほか、アルバイトとして大阪セントラルFCというチームのジュニアユースとスクールにコーチをやらせてもらいましたが、とにかく楽しかった記憶があります。やっぱり子どもが好きなんですよね。

Q7 現職への経緯は?

ビッグクラブでチャレンジしてみたい一心で
岩手から出てきてガンバ大阪というビッグクラブへの憧れがありました。それもあってガンバ大阪のようなビッグクラブに飛び込んでみたいという一心でスクールコーチとしての試験を受けさせていただきました。運がいいことに1年目からU-10(4年生)のチームを担当させていただき、持ち上がりで現在のU-11(5年生)を見させてもらっています。

Q8 参考にしている指導者は?

ガンバ大阪アカデミーの峯崎聖久さんが目標
ガンバ大阪での1年目にU-12の監督をされていた峯崎聖久さん(現在はガンバ大阪ジュニアユースを担当)の子どもに対する立ち振る舞いや接し方を目指しています。発言一つ一つが面白いし、説得力があるし、子どもの目がキラキラするのがわかるんですよね。子どもの心の掴み方が上手で、すごく影響を受けています。峯崎さんに追い付くにはどれだけ頑張らないといけないのか途方に暮れてしまうくらい差がありますが、目指したい大きな目標です。

Q9 専門時代の学びが生きていることは?

「指導者も毎日レベルアップすべき」という言葉
履正社医療スポーツ専門学校では元Jリーグ監督の高祖和弘さん(サッカーコースGM)の日々の自己研鑽、サッカーに対する情熱に大きな影響を受けました。「サッカーは常に進化しているからこそ、指導者も毎日レベルアップしていかないといけない」という言葉は、今も胸に秘めて指導にあたっています。ガンバ大阪に入って強く感じることは、自分が説得力のあるデモンストレーションを見せないといけないということです。だからこそ、自分のサッカーの技術も日々上げていかないといけないですし、より多くのサッカーを観て教養を深めなければいけないなと思っています。

Q10 喜びを感じたエピソードは?

大敗していたチームに1年後にリベンジ
僕が1年目に担当した4年生が今6年生になっています。2年間担当した子たちの成長がすごく嬉しいです。彼らの代では最初はサッカーが決して上手いとはいえなかったのですが、今では取り組む姿勢も大幅に変わり、激戦区の大阪でも対等にわたり合っています。4年生のときに練習試合で大敗した相手に、5年生の最後では圧倒して勝てるようになったり。子どもの成長を直に感じられて嬉しかったですね。

Q11 今後の目標は?

ジュニアチームを大阪チャンピオンにしたい
まだ、僕のなかでは上の年代を指導したいという欲はなくて、4種年代(小学生)の指導を極めたいと思っています。全国大会に出られるレベルのチームがひしめき合う大阪ですが、ここのジュニアチームをまずは大阪で1位にすることが目標ですね。そのためには今担当させてもらっているU-11、スクールで担当している子どもたちと向い合って、ともに成長できればと思っています。

Q12 高校生へのメッセージを

人生で一回しかない時間を大切に
僕はもっと選手活動を突き詰めたかったという後悔が少し残っています。高校生は人生で一回しかないし、身体も動くし、モチベーションも高く持てる年代です。だからこそ、やれるところまでトップレベルを目指して努力を続けてほしいなと思います。

 

ある一週間のスケジュール

休み(トレセン活動・月2回程度)
スクールでの活動(練習、事務作業)
スクールでの活動(練習、事務作業)
スクールでの活動(練習、事務作業)
スクールでの活動(練習、事務作業)
試合(U-11をメインに他カテゴリ―も担当)
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