自粛でイライラしているママ必見。ストレス緩和の秘訣【鈴木啓太の腸内環境を整えよう vol.9】
腸内細菌に関わる研究を続け、腸内環境からアスリートをサポートしているサッカー元日本代表・鈴木啓太さんによるコラム。今回はストレスと腸内環境について。長引く自粛生活でストレスを感じているサカママのみなさん、ぜひ一読を。
ストレスと腸内環境は関係している!?
新型コロナウイルスによる自粛生活が続き、ストレスを感じているお子さん、親御さんも多いのではないでしょうか。
昔から、お腹の調子と感情は深く関わっていると言われていて「脳腸相関」という言葉もあり、今の研究でそれがよりわかってきています。脳から腸に伝わるのはもちろん、腸の情報が脳に伝わって、ストレスとしてでてきたり、自律神経やホルモンに関わることも。ですので「腸は第二の脳」とも言われているのです。今の自粛生活で、ストレスを感じていたり、便秘や下痢になっている人は、脳と腸がつながっているためかもしれません。
一方、腸内環境が乱れる原因の一つに、ストレスがあげられます。ある論文では、マウスの実験で、積極的な運動と強制的に運動をさせたのでは腸内フローラへの影響が異なり、強制的に運動をさせたマウスは、腸内環境の多様性も低くなったことが報告されています。強制的な運動、つまりストレスがあると、腸内環境が乱れやすいというわけです。
また、うつ病の方は、一般の方に比べてビフィズス菌が少ないという研究報告や、無菌のマウス(腸に全く菌がいない)は、通常のマウス(腸内細菌がいる)に比べて、ストレスレベルが高いこともわかっていることからも、腸内細菌が感情的な部分を担っていると言えるのです。
ストレス緩和には、GABAを多く含む食品を摂ること
では、ストレスを緩和するために、どんなふうに腸内環境を整えていけばいいのかをお話します。
GABA(γ-アミノ酪酸)って聞いたことありませんか?
GABAは、体内で神経伝達物質として働き、ストレスを和らげて脳の興奮を鎮める効果があるとされている成分です。
GABAが多く含まれる食品には、発芽玄米、トマト、じゃがいも、カボチャなどがあります。また、ぬか漬けやヨーグルト、キム チなどの発酵食品にも多く含まれていますが、それには発酵食品に含まれる乳酸菌やビフィズス菌が関係しています。実は、一部の乳酸菌・ビフィズス菌にはGABAを生成する働きがあることが分かっているのです。
つまり、GABAを多く含む食品を積極的に摂ったり、乳酸菌・ビフィズス菌などGABAを産生するような腸内細菌を摂り入れることで、ストレス緩和につながるというわけです。
GABAが多く摂れる組み合わせ
GABAを多く摂るためにおすすめなのが「玄米キムチチャーハン」です。GABAの多いキムチと玄米が一度に摂れ、さらに玄米には食物繊維も豊富なので腸活にもなります。白米と玄米は、2対1の割合にすると食べやすくなりますし、キムチの辛さが苦手なお子さんには、卵やチーズを加えてもいいでしょう。
玄米が苦手な人は、玄米フレークを摂り入れるのもおすすめです。ヨーグルトをかけたり、チョコで固めたクランチをおやつにしても。
ちなみに、どんなチョコレートにもGABAが含まれています。食べ過ぎはよくありませんが、少量食べるのはストレス緩和にいいかもしれないですね。
最後に、弊社の管理栄養士による玄米フレークを使ったチョコクランチのレシピをご紹介します。簡単ですので、ぜひ、お子さんと一緒に作ってみてください。
材料
- 板チョコ・・・2枚(約100g)
- 玄米フレーク・・・50g
- お好みでナッツやドライフルーツを加えてもOK
作り方
①チョコレートを細かく刻み、耐熱容器に入れてラップはかけずに500wのレンジで2分半~3分加熱し、取り出してスプーンでかき混ぜて溶かす。
※加熱しすぎて焦がさないように注意
②コーンフレークを軽く砕いてからボウルに入れ、①を加えて混ぜる
③お好みの大きさのスプーンですくってクッキングシートに並べ、冷蔵庫で冷やし固めたら完成
参考文献
- Allen et al. J Appl Physiol. (2015)
- Aizawa et al. J Affect Disord. (2016)
- Gerard C, et al. Minireview: Gut Microbiota: Endocrine Organ, Mol Endocrinol. 2014