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Meister Soccer School代表 岡崎慎司 インタビュー「全力でサッカーに取り組めば、人間的にも成長できる」

技術よりも精神力をつける練習が中心だった

――ジュニア時代は、どのような練習をしていましたか? 「コーチから“技術の練習は 100年早い”と言われて、精神力がつくような練習が多かったですね。 例えば、シュート練習でも狙って打つのではなく、とにかく本数をたくさん打つとか。しかも、迷ったら怒られるんです(笑)。 ダイビングヘッドを教えてもらったのも、ジュニア時代でした。ボールに“ボレー禁止”と書かされて、泣きながら練習していたチームメイトもいましたね。 コーチからの弾丸シュートを体で受け止める練習もたくさんしました。でも、そのおかげでボールを怖がらない根本ができたと思っています」 ――毎日続けていたトレーニングは何かありますか? 「とくに決めてやっていたことはなかったのですが、両親が共働きだったので、毎日、チ ームの練習には自転車と電車で、片道1時間くらいかけて行ってたんです。 家から駅までがすごい坂道で、必死でこいでました。それを何百回も繰り返したので、自然と筋力や持久力がついた部分はあるかもしれないですね」 ――ジュニア時代に、基礎体力はあったほうだと思いますか? 「小学生の頃は、50mも速かったし、基礎体力はあったと思います。 でも、中学2年生くらいから50mのタイムが伸びなくて、帰宅部の友達と同タイムになったときはショックでした。それから、ずっと走りに対してはコンプレックスを感じていて……。 だから、清水エスパルスのキャンプで龍勇さん(杉本龍勇教授、現パーソナルトレーナー)に出会ったときに、すぐにどうすれば速く走れるようになるのかを聞きに行きました」 ――ご両親のサポートで印象的だったことはありますか? 「両親が仕事をしていたからこそ、いい距離感が保てていたと思います。 完全に離れるのではなく、弱気になっているときには、いつもポジティブな言葉をかけてくれました。試合に負けてくやしい想いをしたときに『負けたってことは、試練を与えてくれたこと』と母が言ってくれたのは今でも覚えています。 それに、僕がやりたいと言ったことに、反対されたことは一度もなかったですね。自分のやりたいことなら、やってみなって。 子どもの頃から、比較的に自立できたのも両親のおかげです。 親が常にサポートしてくれる環境だったら、それに甘えていたかもしれないですからね。 僕は、きっかけ作りは親であってもいいけれど、大事なのは、自分で生きていく力をつけることだと思ってるんです。いつもサポートしなくても、困ったときには親がいるっていう安心感さえ与えてあげれば、子どもはグレることなく育つはずです。実際に僕がそうでしたから(笑)」

今があるのは、ずっと全力でサッカーをやってきたから

――去年、Meister Soccer School を立ち上げられたわけですが、ジュニア時代は、どういったことを意識してサッカーに取り組むべきだと思いますか? 「シンプルだけど、とにかく全力でサッカーをやってほしい。 みんな、サッカーが好きでやってると思うので、たとえ自分の考えとは違うことをコーチに言われたとしても、まずはそれを全力で取り組むことが一番大事。 そうすれば、そのときの努力は必ず報われるし、いつかきっと自分に合う指導者にも巡り合えると思うんです。それに、全力で取り組んでいたら、いろいろな問題に直面したときも、逃げずにきちんと向き合えるようになれるし、だからこそサッカーを続けようと思えるはずです。 子どもの頃は、どうしても毎日の練習を全力でできないかもしれないので、親御さんはお子さんに “今日は全力でサッカーできた?”と、聞いてあげてください。 子どもたちに考えさせることは大切ですし、お子さんが“全力でできた”と答えれば、集中力を持ってサッカーができている証ですから。 僕自身、これまでを振り返ってみると、プロになれるなんて思ってなかったし、今でもサッカーが上手いとは思ってないんです。 でも、ここまでこれたのは、子どもの頃からいつも全力でサッカーをやってきたから。そこから、技術が身に付いたり、困難なことにも向きあえる力がついていったんだと思います。 今は海外でサッカーをしていますけど、言葉や文化、考え方が違うので、小さな問題がたくさんあります。でも、与えられた環境の中で、日々全力でサッカーをしています」 ――最近、サッカーをしている子どもたちの中にも、できなかったことや欠点を隠そうとする子が増えているのですが……。 「子どもたちが、自分の短所を受け入れて、できないことを“できないから頑張ろう”と思えるようにすることが大事だと思うんです。 そのためには、親御さんが小さなことでも褒めてあげること。褒められる数が多いほど、子どもたちは嬉しいから、できないことも隠さずに全力で頑張ろうとするだろうし、そうなれば、サッカー力も伸びますよね。 僕も今でも“岡崎、上手くなったな”と言われると、単純にすごく嬉しいですし、もっと上手くな ってやろうという気になるんです」

サッカーを通して人間力をつけてほしい

――スクールを通して、子どもたちに何を伝えていきたいですか? 「プロになることや夢を叶えることだけを目的にするのではなくて、サッカーを通して、人間的に生きていく力や人間性を養ってほしいと思っています。 高校生の頃に、“サッカー=人間性”だと教えられて、それは大人になればなるほど実感しています。とくに感じたのは、最初に日本代表に選ばれたとき。“人間的にできた人ばかりだ”と思いましたからね。 スクールでは龍勇さんをはじめ、僕が信頼できる方のメソッドや、僕自身が積み重ねてきたことを軸として指導していきます。それが子どもたちに通じれば、必ず人間力につながると思うのです。 それと、日頃からコーチたちに伝えているのは“それがすべてではない”ということ。 今に満足するのではなく、練習方法や考え方などいいものを常に取り入れて、向上心を持 って指導することが大切だと思うからです。それは僕自身にも同じことで、だからこそ“岡崎は進化してる”と表現されることが嬉しいんです。 僕もコーチたちも、マイスターを通して生徒と一緒に成長していければと思っています」 Meister Soccer School どんな時でも全力を出せる人間育成を目指す 岡崎慎司選手が代表を務めるサッカースクール。 サッカーを通じて、どんな環境でも全力で勝負できる人間育成を行ってくれます。 また、サッカースキルに加え、岡崎選手のパーソナルトレーナーである杉本龍勇教授の考案やアドバイスに基づいたサッカーに活きる走り方トレーニングも実施。 http://meister2014.net/ ※この記事は過去に読者のみなさまから反響の多かった記事を厳選し再録したものです。(2015年5月28日掲載)

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