サッカー元日本代表 秋田豊氏に聞く!ライバルに差をつける“トータルケア”の方法
合宿、連戦が続く夏は、身体のケアに充分な注意を払いたい。そこで元日本代表DFの秋田豊氏に、スポーツ界で注目を集めているコンディショニングツールについて聞いた。
世界で注目されている「コンプレフロス」とは?
日本が初めてワールドカップに出場したフランス大会、そして日韓大会で活躍した秋田豊さんですが、現在は体調のケアをサポートするコンディショニングツールの国内普及に尽力されているそうですね。
「天然製ゴム『コンプレフロス』に出会ったのは、友人の紹介からでした。欧米ではゴムの抵抗力を利用したエクササイズは、リハビリテーション、フィットネスはもちろん、理学療法、老人医療の分野など非常に幅広いシーンで使用されています」
具体的にどのような内容なのでしょうか?
「まず、人間の筋肉の繊維は“筋膜”という薄い組織膜の一本一本に細かく包み込まれています。この筋膜が運動による繊維の束や組織間の摩擦を防ぐ役割を担うのですが、動き続けることで疲労物質が蓄積し水分に粘弾性が出てきて、滑りが悪くなってくるんです。そうなると身体が重くなり、疲労を感じます。そのまま粘弾性が高い状態をケアをしないで、さらに激しい運動をもっと続けることで繊維の束や組織間が癒着し、組織や筋肉の運動性が著しく低くなり、怪我のしやすい状態になり、痛みに発展することにもなります。要はその状態からリリース(解放)してあげるということが怪我の予防や痛みの改善には必須ですね」
その方法とは?
「筋膜リリースといって、運動でからまった筋膜を『コンプレフロス』という天然製のゴムバンドで圧迫して、癒着を剥がしてあげる必要があります。そうすることで、筋膜が滑走し、圧迫を解放することで血液から水分が筋膜に供給され粘弾性の高い水が溶けて、組織や筋肉の運動性が取り戻されて身体が動きやすくなる。巻いてから筋膜を剥がし粘弾性が戻るまでの作業はたったの2分間です。僕はこれまでにあらゆるシーンで1,000人以上の方に巻いてきましたが、みなさん一様にビックリしてますね」
実際にはどのような反響がありましたか?
「まず、僕が選手の時にこれを知っていたら2年は現役を続けられたと思っています。『肩が動くようになったと感じる』など、運動時の違和感の緩和、関節可動域の増加によるパフォーマンス向上はもちろんですが、人によっては打撲や捻挫などで生じた『痛み』が軽減したという声もありますね。筋膜には、毛細血管、リンパなど末梢神経があり、痛みを感じる感覚神経が集中していますから、そこを圧迫してあげることで出血や腫れを防ぐことにもつながります。ただし、痛みが軽減されたという声はあっても、骨折や靭帯損傷などの外傷を解決するものではないので、そこはご注意いただきたいですね」
選手権優勝の青森山田高校も実践
サッカーではどのようなシーンで使ってほしいですか?
「ハーフタイムに使ってほしいですね。前半で溜まった疲労を軽減し、後半のパフォーマンスアップにつなげてほしいです。昨年度の高校サッカー選手権で優勝した青森山田高校は、大会期間中に使用するようになり、思いきってプレーできるようになったと聞いてます」
もし秋田さんが高校生の立場だったらたらどんな時に使用しますか?
「僕だったら2本持つようにして、ハーフタイムやトレーニングが終わった後に両足に巻きます。太もも、ふくらはぎ、腰の3ヵ所に巻いてもそれぞれ2分で終わります。足首の捻挫などにも使えますし、持ち運びも楽だから合宿にも持って行けますしね。夏は合宿と連戦で身体を酷使しますから、コンディショニングには充分気を付けてほしいと思います」
コンプレフロスの巻き方
- 部位は心臓から遠い箇所から巻いて行く。
「圧迫」することを心掛け、ゴムは1.5倍伸ばすイメージで引っ張りながら、1/2の幅が重なるように巻いていく。 - 巻き終わったら、筋膜を剥がすようにもみほぐす。
- 最後にスクワット、ストレッチをして筋肉を伸ばす。巻き終わってから2~3の動作を再度行う。所要時間は2分間ほどが望ましい。
あらゆる巻き方は動画でチェック!
コンプレフロスは、体格または筋組織層の深さに合わせた強度、施用部位(指関節、手、足、股関節など)に合わせ14種類が用意されている。
さまざまな巻き方も動画で確認できるので、チェックしてみよう!
●購入・問い合わせ 株式会社サンクト・ジャパン